基本5大性質、火・風・雷・土・水に加えて陰陽があります。
これらの性質変化を組み合わせることにより、
何通りの“血継系”ができるのかを考えてみましょう。
ただし2つの性質変化を組み合わせたものを血継限界、
3つの性質変化を組み合わせたものを血継淘汰といいますが、
ここではこれらをまとめて血継系と呼びます。
前回までではこの血継系は遺伝子などの媒介因子による作用を外せない、
と考えてきましたが、陰陽という概念を含めて拡張させます。
九星ではどうやら陽遁・陰遁は循環の方向を表すようですが、
陽も陰もないもの(=中庸とする)を含めて
ここではさらに考えやすいように以下のように考えます。

1.機序

ここでの立場は五大性質変化があって、
陰陽は補助的な性質変化であると考えています。
こうした場合、例えば火の性質変化を見ると、

  • 火、陽と陰の中庸の性質
  • 火かつ陽の性質
  • 火かつ陰の性質

と3通りの立場をとることができ、複雑となりますが、
血継系のみならず、ナルト世界に数多あると思われる秘術系を含め、
五大性質変化、陰陽を用いて多くの種類を考えることができます。
さて、最も基本となる五大性質を次のように表します。


F :火【Fire】
B :風【Blow】
L :雷【Lightning】
E :土【Earth】
W :水【Water】

そして陰陽を次のように表します。


+ :陽【Yang;Positive】
- :陰【Yin; Negative】

陰遁は想像を司る精神エネルギーを元にするもの、
陽遁は生命を司る身体エネルギーを元にするもの、
と紹介されています。
チャクラとは身体エネルギーと精神エネルギーの融合ですから、
チャクラそれ自体は陽遁あるいは陰遁どちらの性質も持つでしょう。
となるとこの性質変化とは
陽の作用が強いのか弱いのか、陰の作用が強いのか弱いのか、
も関係することになると思われます。
例えば色の強弱のように、
(R,G,B)=(236,0,140)はマゼンタを表しますが、
陽側チャクラ、陰側チャクラがある特別な数値、
(+,-)=(\alpha_1,\alpha_2)となると、火という性質になる

といったような関係も推測されます。
色の(R,G,B)=(255,0,0)と(R,G,B)=(254,0,0)の赤の区別がつかないように、
この特別な数値周辺のものは火の性質と見なされ、
個々人の扱う性質変化は若干異なることも説明されます。
また、サスケなど写輪眼でチャクラが色をもって見える仕組みも、
この観点で考えると実に明快に対応しているといえます。
しかしチャクラのかけあわせは色合わせほど単純ではなく、


特別値周辺を例えば水や土の性質とする連続分布(アナログ)を示しながらも、
(=ある程度似たような性質変化になるが)
血継限界の困難性を考えると、
組み合わせの値が離散分布(デジタル)として存在する可能性を示唆します。



これは例えると、水は70〜100円で買えて土が50〜120円で買えても、
木は121円の組み合わせでしか育たないといったことと似ています。
121円になる組み合わせは水71円と土50円あるいは水70円と土51円のみです。

このあたりは属性無も含め
また後日の記事で詳しく書こうと思いますので、
今回はなんとなくそんなことかと思っていただいて次に進みましょう。


さて、そうであるなら冒頭の話と帰結できます。
具体的な数値等はわからないので簡略のため
それぞれの性質変化の特徴を、大まかに次のように単純に分けます。


F,B,L,E,W
(1)
F^+,F^-,B^+,B^-,L^+,L^-,E^+,E^-,W^+,W^-
(2)
の合計15個の因子ができます。
例えば上述の例では、

  • 火、陽と陰の中庸の性質 = F
  • 火かつ陽の性質が強く陰の性質弱い = F^+
  • 火かつ陰の性質が強く陰の性質弱い = F^-

を表します。
これらの組み合わせによって血継系ができる
(=血継系ができる離散値を得られる)
と考えましょう。これを15因子法とします。

2.2つの組み合わせ(血継限界)

それでは実際に性質変化を2つ組み合わせた
血継限界というものを考えて見ましょう。
血継限界には「氷=水+風」のように単純に推測できるものばかりでなく、
写輪眼、白眼といったものから、
かぐや一族であった君麻呂の使用する屍骨脈など
作中では血継限界として紹介されています。
前者のものはおそらく五大遁以外に一般的に「〜遁」とされるもので、
後者は秘術系として伝わるものと考えられます。
では、その血継限界とは最大何種類あるのか、
というのは以下の式により計算できます。

(1)中庸性質変化のみ(F,B,L,E,W)
5つの中から2つを選ぶ組み合わせ。


_5C_2=10

すなわち10通りです。
中庸性質変化は特別なもの(陰にも陽にも傾かない)と考えられるので、
「〜遁」はここに該当するものと考えられます。
ここまで本編で触れられているのは、
木遁、氷遁、熔遁(溶遁)、沸遁、爆遁、蒸遁、嵐遁
です。確定している組み合わせは

    • 氷=水+風
    • 木=水+土

のみです。予想される組み合わせと根拠( )を以下に示します。

    • 熔(溶)=火+土」(火、土、水の組み合わせで木を除く
    • 沸=水+火」(火、土、水の組み合わせで木を除く
    • 爆=雷+土」(雷に弱い。“起爆”“粘土”
    • 蒸=火+雷」(血の蒸発→急加熱、電子レンジのマイクロ波加熱?
    • 嵐=風+雷」(水+雷も考えられるが“嵐”なので風重視

(2)陰陽が加わった場合(15因子法)
5つの基本因子F,B,L,E,Wのうち2つを定めます。
そのうちそれぞれが中庸、陽、陰のうちひとつを選ぶので、


_5C_2 \times _3C_1 \times _3C_1 = 90

の90通りとなります。
90通りもあれば前述の「〜遁」も含め、秘術系の血継限界も考えられます。

例えば、骨を操る君麻呂の屍骨脈。
これはカルシウム濃度を高めることによるもの。
したがって土性質のうち身体的エネルギーの高い陽作用と、
浸透圧の調整により水を排出する作用つまり水性質の陰作用を合わせたもの、


E^+ + W^-

によるものと考えたりすることができます。

3.3つの組み合わせ(血継淘汰)

(1)中庸性質変化のみ(F,B,L,E,W)
5つの中から3つ選ぶ組み合わせ。


_5C_3=10

の10通りです。このうち、

    • 塵=風+土+火

は分かっています。

(2)陰陽が加わった場合(15因子法)
5つの基本因子F,B,L,E,Wのうち3つを定めます。
そのうちそれぞれが中庸、陽、陰のうちひとつを選ぶので、


_5C_3 \times _3C_1 \times _3C_1 = 90

の90通りが存在することになります。

4.4つの組み合わせ

(1)中庸性質変化のみ(F,B,L,E,W)
5つの中から4つ選ぶ組み合わせ。


_5C_4=5

の5通りです。
(F,B,L,E),(F,B,L,W),(F,B,E,W),(F,L,E,W),(B,L,E,W)
しかありません。

(2)陰陽が加わった場合(15因子法)
5つの基本因子F,B,L,E,Wのうち3つを定めます。
そのうちそれぞれが中庸、陽、陰のうちひとつを選ぶので、


_5C_4 \times _3C_1 \times _3C_1 = 45

の45通りが存在することになります。

5.5つの組み合わせ

(1)中庸性質変化のみ(F,B,L,E,W)
5つの中から5つ選ぶ組み合わせ。


_5C_4=5

の1通りです。

(2)陰陽が加わった場合(15因子法)
5つの基本因子F,B,L,E,Wのうち3つを定めます。
そのうちそれぞれが中庸、陽、陰のうちひとつを選ぶので、


_5C_5 \times _3C_1 \times _3C_1 = 9

の9通りが存在することになります。

6.血継系の総数

中庸変化性質の血継系のみを考えると26通りの術「〜遁」が、
15因子法では234通りの血継系があります。
これならば六道千人によって全て編み出されても、
不思議ではない数字といえるかも??