とりあえず、新しい6つ目の性質変化はおいておきます。(笑)
漫画の世界の話ですが、ただ優勢、劣勢では面白くないと思うので、
独断と偏見を混ぜながら(o_x~)、話を進めていきます。ご容赦ください。

今回は水と火について。


1.水が火に優勢であるのは何故か?

水が火に強い――、というのは単純に火に水をかければ消える、という理由だと思われます。


水はご存知のようにH_2Oで表され、
水分子間の水素原子とヒドロキシ基と呼ばれる間に〈水素結合〉と呼ばれる結合を形成することで、
分子間の引力が強大になり、比熱が大きい(温度上昇、降下が起こりにくい)物質となります。
これは生体内でのたんぱく質のらせん構造を保ったり、沸点をこの結合を含まない化学物質にくらべて大きくしたり、
水→氷に変化するときに体積が増えたりという性質をもっています。
【水遁・水陣壁】に見られる綺麗な水柱があがったり、
【水遁・水龍弾】で水が龍を形作ったりというのは、水の強い凝集力によります。
ですから、ナルトの世界でも水は私たちの世界と似たような水の性質を持っていると思います。


また37巻でのカカシと角都戦において、
風の性質変化が加わった火(後述)にカカシの水遁では対抗できないという描写からも
火の手が大きく、水の量が足りなければ、火を消すことが困難だというのも、
火遁と水遁の性質にはあてはまるようです。


そもそも火(炎)というのは、物質の化学燃焼にともなう激しいエネルギーによって、光り輝いて見える現象です。
酸素ともっとも多く接する部分(一番外側)では、酸化反応が迅速に進行するために、より熱い炎となります。
したがって火を消すということは、この酸化反応の進行を止めること、これに伴うエネルギーを奪うことにあたります。
水をかけて火を消すということは、
一時的に酸素と結合して燃焼する元となる物質分子と酸素との結合を遮断し、
瞬間的に温度を下げ(火元や気化している可燃性分子の運動エネルギーを奪い)、
光や熱を伴う激しい酸化反応ができないような状態にすることです。
この水をかける一瞬間にエネルギー、あるいはエネルギー源を奪いきれなければ、
火は水をかけられてもまだ燃えることができるのです。


この場合、ある一定の作用(火が燃えていること)に対し、それを打ち消す(−の変化)という意味で、
火に対して水が優勢なのでしょう…多分。

2.火が風に優勢であるのは何故か?

先ほど見たように火は酸素の影響を強く受けます。
酸素と結合するスピードが早ければ早いほど、火は激しく燃え上がります。
火はプラズマ(一般には気体が電離したものとされる)の一種でもあり、
化学反応としてだけでなく「火」という全体を見れば、エネルギー体そのものです。


可燃性物質と酸素が化学的結合によって、強いエネルギーが発生し、
その結合周辺の分子や原子がこのエネルギーをもらって、
分子や原子の運動エネルギーが上昇したり(温度が高くなる)、
励起状態(エネルギー的に本来より高い状態)→基底状態(エネルギー的に本来の状態)
に移る変化によって光を発したりしています。
これを私たちは炎が輝いていると思っているのです。


【火遁・豪火球の術】を例にとって考えてみましょう。
印を結んだあとに、丹田に力を込めて、吐き出した後に炎の塊が出現します。
このとき考えられるのは
超微量でも、チャクラを受けて、爆発的なエネルギーを生み出される可燃性物質が
ナルト世界の空気中に存在し激しく燃えるか、
チャクラエネルギーを練って酸化を受けやすくなった物質を吐き出し、
それが酸化することで爆発的なエネルギーを生み出し燃えるか。

これは炎の大きさを自由自在に操れること、
チャクラを練ることによって空気からの弊害を受ける様子が無いことから、
後者でしょう。
つまりチャクラを練りこまれた息を吐き出すことによって、
その息に含まれる気体の中に
簡単に酸素と激烈な酸化反応をおこすことができ、
ある程度まで酸化するとともにある程度連鎖反応を起こして、
なおかつ炎をあげることができる物質が含まれている、と考えることができます。
空気や生体内に含まれる成分を考えると、
炭素や水素が主で、爆発性を考えると窒素をニトロ基として含み、
しかも揮発性の有機化合物だと思われます。


もちろん、このとき吸い込んだらダメです。(笑)


結局のところ火が風に優勢というのは、
この風によって酸化物質への酸素の供給量が増え、
さらに反応を引き起こし、火が激しくなるという、
一緒の考え方ができるでしょう。


つまり、ある一定の作用(火が燃えていること)に対し、それを助長する(+の変化)という意味で、
風に対して火が優勢と見ているといえます。
この点は水とは少し違うところです。

余談ですが、水と火で見たように、
風が強すぎれば、チャクラの供給がうまくできない(エネルギーがうまく伝わらない)
ために火遁よりも風遁が勝ることもありえそうです。
これは実際に風が激しすぎると、着火しにくかったり、
火が消えてしまうことにあてはまります。