0.はじめに

さてクリスマスを過ぎればもう年末。
今年2009年はあまりナルトの考察ができなかったのですが、
最後くらいは、ということでチャクラについての考察を書きたいと思います。
実は【ナルト世界の謎に縺れる】の掲示板の方で、
ナルトの世界にこちらの世界(いわゆる現実)の物理法則が
さも当てはまるかのように考察するのはおかしい、
というご指摘がありまして、私もそのように思いますので、
仮に現実世界の物理法則が当てはまるとして、
現実世界の法則を使ってナルトの世界を紐解いてみよう

という断り書きを入れた上で、このような切り口での
チャクラについての考察をさせていただきたいと思います。

本当は皆の書についての考察を書くべきなのですが、
書店でなかなか見当たらず、AMAZONに発注しようか迷っている段階でして…
イムリーにはならずに年度をまたぐ形となってしまうかもしれませんが、
ご容赦くださいm(_ _)m

1.チャクラを練る(1)

チャクラが一種の電気のように振舞うことは、およそ1年前の記事
神羅天征と電磁気2・電流と磁場】*1などでも扱いましたが、
この考え方を応用して、個々人についてチャクラのため方、
すなわち練り方の癖が存在するのではないかということを示すことができます。
チャクラを練るとはすなわち、
身体エネルギーと精神エネルギーを練り合わせるとのことですので、
いまチャクラ合成に際して、このチャクラの合成に使われる
身体エネルギー(phisical)E_{p}および精神エネルギー(mental)E_{m}の総和をE_0とおくなら、
このE_0こそ、チャクラ源としてみなせるでしょう。よって、


E_0=\sum E_p + \sum E_m
(1)
つぎにこのチャクラ源からエネルギーを受け取って、
チャクラを練る機関に送ることを考えましょう。
このチャクラを練る機関は同時にチャクラを蓄積するとも言い換えられます。
そこでチャクラ源からチャクラ流という形で、
この蓄積機関に送られるということを考えます。
チャクラ源からは常に一定のチャクラ流が流れ続けるというよりも、
あるときは多く、あるときは少なく、チャクラ流が行ったり来たりの
アップダウンのある周期的な変動があるものとしましょう。
いくらかのロスが考えられるので、これも考慮します。
チャクラ源、チャクラのロスの原因、チャクラ蓄積機関、チャクラ流を
交流電源、抵抗、コンデンサ、電流に見立てると、
チャクラを練る仕組みは以下のRC直列回路と等価と考えることができます。



チャクラを練るときにスイッチが閉じて、
チャクラ流がチャクラ蓄積機関に流れます。
ここで電流は電荷の流れであるように、
チャクラ流はチャクラ荷の流れであるとし、
電源から電圧にしたがって電流が押し出されるように、
チャクラ源からはチャクラ圧にしたがってチャクラ流が押し出されるとします。


2.チャクラを練る(2)

ここで上図の回路について、


V_0:チャクラ源最大圧 I:チャクラ流
R:チャクラ抵抗 C:チャクラ蓄積機関容量
Q:チャクラ荷量

とし、さらにチャクラ源のある時刻tにおけるチャクラ圧Vについて、

V=V_0sin(\omega t+\alpha)
(2)
とおけます。ただし、

T_0:周期 f_0:周波数
\omega:角速度 \alpha:出始めの位相

であり、

T_0=\frac{2\pi}{\omega}
f_0=\frac{1}{T}=\frac{\omega}{2\pi}

の関係があります。また、チャクラ蓄積機関容量については、
蓄積機関のチャクラ圧をV_cとおくなら、

Q=C V_c

この蓄積機関にたまったチャクラ荷量とチャクラ流について

Q=\int Idt
(3)
の関係が成立します。
ここでチャクラ系が電気系と等価であると考えているので、
キルヒホッフの法則がチャクラ系についても成立するので、
ある時刻tのおける回路から、

RI+\frac{Q}{C}=V
(4)

すなわち、(3)式を用いて


\frac{dQ}{dt}+\frac{Q}{RC}=\frac{V_0}{R}sin(\omega t+\alpha)
(5)

と書き換えられます。この電荷Qに対する微分方程式を解く(後述)と、


Q=\frac{V_0}{\omega Z} \{ sin(\omega t+\alpha+\phi)-e^{-\frac{t}{RC}}sin(\alpha + \phi) \}
(6)
が得られます。
ここでZは回路のインピーダンス
\phiはチャクラ源圧とチャクラ流の位相差を表していて、

Z=\sqrt{R^2+(\frac{1}{\omega C})^2}
\phi=tan^{-1}\omega CR

です。よって、再び(3)式から、

I=\frac{V_0}{Z}\{ cos(\omega t+\alpha+\phi)+\frac{sin(\alpha+\phi)}{tan\phi}e^{-\frac{t}{RC}} \}
(7)
が得られます。さてこの(7)式から何が言えるかというと、
一定の周期変化をするチャクラ流と、時々刻々と飽和していくチャクラ流の
合成で得られたものが総和であるチャクラ流Iであり、
そしてこのIの波形について、
個人差が決めるものV_0\omegaRC\alphaに従って変化すること。
個人間によってチャクラ流が違うのであれば、
このチャクラ流こそチャクラ性質の個人差と見ることもできます。
同時にチャクラを練る癖を波形で表すことができることにもなります。

  • (例1)\omegaを変化させたとき

\omegaが大きくなると波の周期の間隔が狭くなります。



  • (例2)Rを変化させたとき

Rが大きくなるとインピーダンスZが増加しチャクラ流は小さくなります。



  • (例3)Cを変化させたとき

Cが大きくなるとインピーダンスZが減少しチャクラ流は大きくなります。



  • (例4)\alphaを変化させたとき

\alphaによって波のはじまりの高さ(最初のチャクラ流の向きと大きさ)が変わります。



  • (例5)V_0を変化させたとき

V_0が大きくなるとチャクラ流は大きくなります。





実際にはチャクラを練る、練らないのON/OFFスイッチの切り替えが
複雑であったりするために、この波形がもっと複雑になると考えられるのですが、
基本波は(6)式で記述できます。
この波形のタイプでチャクラの性質が決まり、
また何の性質変化が得意なのかというのも決まる

と考えると面白いのではないかと思われます。



(参考)微分方程式を解く


\frac{dQ}{dt}+\frac{Q}{RC}=\frac{V_0}{R}sin(\omega t+\alpha)
(5)
の解き方についてまずこの1回線形非同次方程式の一般解を求めます。




\frac{dQ}{dt}+p(t)Q=q(t)
(5.1.A)
という簡単な形にして考えます。さらに両辺に\lambda(t)を掛けます。

\frac{dQ}{dt}\lambda(t) +p(t)Q\lambda(t) =q(t)\lambda(t)
(5.1.B)
ここで、

\frac{d}{dt}(Q\lambda(t))=\frac{dQ}{dt}\lambda (t)+Q\frac{d\lambda(t)}{dt}
(5.1.C)
となるので、

\frac{d}{dt}(Q\lambda(t))=q(t)\lambda(t)
(5.1.D)
となるような関数\lambda(t)を考えます。
これは(5.1.B)式および(5.1.C)式の形を考えると、

\frac{d\lambda(t)}{dt}=p(t)\lambda(t)
(5.1.E)
を満たせばよく、(5.1.E)式は以下のように変形できます。

\lambda(t)=e^{\int p(t)dt}+s_0
(5.1.F)
(5.1.F)式と(5.1.D)式から

Q\lambda(t)=\int q(t)\lambda (t)dt+s_1
Q=e^{-\int p(t)dt} \{ \int q(t)e^{\int p(t)dt}dt +A_0\}
(5.1.G)
となります。ただし、式中のs_0s_1A_0積分定数です。
ここで(5)式との対比で、

p(t)=\frac{1}{RC}
q(t)=\frac{V_0}{R}sin(\omega t+\alpha)

とおいているので、(5.1.G)式より

Q=e^{-\frac{t}{RC}} \{ \frac{V_0}{R} \int e^{\frac{t}{RC}}sin(\omega t+\alpha) dt +A_0 \}
(5.1)
が導けます。



次に(5.1)式の積分を解くわけですが、ここで、


J_s=\int e^{\frac{t}{RC}}sin(\omega t+\alpha) dt
J_c=\int e^{\frac{t}{RC}}cos(\omega t+\alpha) dt

とおくと、

J_s=RC e^{\frac{t}{RC}}sin(\omega t+\alpha) +\omega RCJ_c
J_c=RC e^{\frac{t}{RC}}cos(\omega t+\alpha) -\omega RCJ_s

よって、

(1+{\omega}^2 R^2 C^2)J_s=RC e^{\frac{t}{RC}} \{ sin(\omega t+\alpha)+\omega RC cos(\omega t+\alpha) \}
(5.2.A)
で、Z=\sqrt{R^2+(\frac{1}{\omega C})^2}を用いると

\frac{1}{\sqrt{\frac{1}{C^2}+{\omega}^2R^2}}=\frac{1}{\omega \sqrt{R^2+(\frac{1}{\omega C})^2}}=\frac{1}{\omega Z}

であるから移行して整理すると(5.1)式は

Q=e^{-\frac{t}{RC}} \{ \frac{V_0}{\omega Z} e^{\frac{t}{RC}}sin(\omega t+\alpha +\phi) +A_0 \}
(5.2.B)
ここで、時刻t=0はチャクラの練り始めなので
時刻t=0におけるチャクラ荷量Q(0)=0となります。よって

A_0=-\frac{V_0}{\omega Z}sin(\alpha+\phi)
(5.2.C)
したがって(6)式が導けます。

Q=\frac{V_0}{\omega Z} \{ sin(\omega t+\alpha+\phi)-e^{-\frac{t}{RC}}sin(\alpha + \phi) \}
(6)