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そろそろ2008年も暮れかかるということで、
ラストダンジョン的な考察になります。
0.導入
さてここからが本題となるアンペール・マクスウェルの法則への突入です。
ここが果たしてナルトのサイトであったかどうかがあやふやになるくらい
骨が折れる数式にどっぷり浸かりますが(^_^;)、ここを一気に駆け抜けると、
電場と磁場の関係が明らかになっていき、
前回導入したチャクラ磁場なるものがどういう性質をもつのかが明確になります。
アンペール・マクスウェルの法則がテーマなので導出する途中経過を飛ばして
6.チャクラ磁場とチャクラ場、チャクラ流から読んでいただいて構いません。
しかし今まで導いてきたガウスの法則、これから導くアンペール・マクスウェルの法則
を含むマクスウェルの方程式と呼ばれる4式は、電磁波を記述したり、
アインシュタインの相対論に関連したりする歴史的にも趣が深い式です。
興味を持たれた方は飛ばしてしまった数式を読み返して見るのも良いかもしれません。
さて、うろ覚えの知識と手持ちの電磁気の教科書を読みながら、
こちらのサイト様*1を大変参考にさせていただいて、
私も駆け抜けてきましたが、流石にこのアンペール・マクスウェルには
撃沈してしまったという後日談はおいといて…。
1.ベクトルポテンシャル
さて、前回【神羅天征と電磁気2・電流と磁場】では、
ビオ・サバールの法則を示しました。すなわち式の
です。これを両辺で積分すると磁場が求まるわけですが、
電流は電荷と違って流れですので連続性をもち、
測定位置を、微小電流の位置をとすれば、
導線の太さをのように考慮できて、電流密度を用いて
と書けます。ここで、
のように等価です。(ただし位置を表すと空間座標を表すの混同をしないように。)
式の積分を解ければ磁場を求めることができるのですが、
複雑な形でなかなか限られた場合にしか解けません。そこで、
となるようながあると計算の都合上便利なので探すと、
となりました。このをベクトルポテンシャルと呼び、
積分計算が多少易しくなります。
2.ベクトル解析
さてこのベクトルポテンシャルを用いて書いたビオサバールの法則式において、
磁場を回転させてみたり、その発散を調べたらどうなるか…ということをやりたいのです。
ここで、以前【神羅天征と電磁気1・ガウスの法則】*2でも紹介しましたが、
は発散といって、すなわち単位時間あたりに立体から流出入した変化量を表すものでした。
一方回転とは、
のようなもので、これは渦のような回転、微小な正方形を反時計回りに回る操作を表しています。
またベクトルに対して、
が成り立ちます。(は数学的に任意のベクトルで成立)
式についてですが、
によって示されます。次に式ですが、成分について
同様に成分についても示されます。この、式を、
先のベクトルポテンシャルで表されたビオサバールの法則の式に代入します。
なお
は勾配(gradient)を表していて、
との内積をとった発散(divergence)と似ていますが異なるので注意してください。
3.磁場のガウスの法則
ベクトルポテンシャルを用いたビオサバールの法則
に式を用いると、磁場の発散を示す式が得られます。すなわち、
が得られます。これは電流密度が定常でない時間変化する場合においても成り立って、
これを磁場のガウスの法則といいます。
この式は式の通り磁場は湧き出し口がないことを示しています。
つまり磁場には電場でいう電荷+、−に相当するようなものがないこと、
“N極やS極だけの磁石”(磁気モノポール)の存在を認めなくて良いことを意味しているのです。
(存在するかもしれないが、磁場を考える上で無視して良いという意味)
棒磁石をどんなに細かく分割していってもN極とS極は存在し、
決して単独でNだけSだけの磁石にならないのはそういうわけだったのです。
4.アンペール・マクスウェルの法則(前編)
最後にビオサバールの法則に式を用いたらどうなるでしょうか。
すなわち磁場をぐるりと回転するとどうなるか、というわけです。すなわち、
ここで、
です。この関係を用いて式を方向について見ると
のように合成関数の微分法から、
関数をで偏微分したものを積分するものと、
関数をで偏微分したものを積分するものとに分けることができます。
ここで電流密度は無限大でないと見なせるので、
となります。方向についても同様なので、
ここで定常電流を表す前回導いた式*3
を用いて、を変形すれば、
となってこれより、式は
と書き直すことができます。
さらに、のとき
(位置と空間座標の別に注意。)
となります。この関係を利用するために、
ここで点を中心とする半径が微小な球と、
となるようなそれ以外の領域に分けて考えると式は
ここでの関係を用いると右辺のうち後ろの項、すなわち領域はとなります。
領域は極めて小さいので、は限りなくに近く
とできて、さらに式から
を得るので、以上より式は
さらにガウスの定理を用いれば、最終的に
すなわち、
を得ることができました。
5.アンペール・マクスウェルの法則(後編)
しかし得られた式
は定常電流から導かれているもので、
これを時間を含む関数に拡張することはできません。
だいぶ前になりますが式で、
となりましたが、これはそのまま式の発散を取った形です。
これは【神羅天征と電磁気2・電流と磁場】(*3)で導いた式の電荷保存則
に矛盾しています。
ということは何かの項が加われば、電荷保存則を満たせるように改良できるのではないか、
という発想をマクスウェルという人はしました。
そこでこの式に変位電流の項を加えました。
つまり、
この両辺について発散をとると左辺は0で、また、ガウスの法則により
となりますから、
よりこれは電荷保存則式を満たします。
式をアンペール・マクスウェルの法則と言います。
式を導くまでは四苦八苦しますが、
式の意味は単純で“電流と電場の変化があると周囲に磁場が生じる”ということです。
また“磁場の回転から変位電場と電流が生じる”ということでもあります。
6.チャクラ磁場とチャクラ場、チャクラ流
アンペール・マクスウェルの法則
が“電流と電場の変化があると周囲に磁場が生じる”というのなら、
チャクラ場、チャクラ磁場、チャクラ流にこれをあてはめた場合、
比例定数を適当に変えて、
が得られて、
“チャクラ場の変化とチャクラ流があると周囲にチャクラ磁場が生じる”
ということになります。
チャクラの流れどうしが力を及ぼしあうというのは前回考えましたが、
これにチャクラ場の考え方も加えることができます。(*2)
チャクラ場に関する3つの式、
をここで持ってくると、チャクラ密度の分布がチャクラ場に影響するわけですから、
このチャクラの密度分布を変えることでもチャクラ磁場が生じるというわけです。
チャクラの密度分布や流れは“練る”などの行為で容易に変えることが出来ますし、
その密度も十分にエネルギーが高い状態にまですることも可能でしょう。
つまり神羅天征とはチャクラの密度分布、チャクラどうしの相互作用を
うまく操作して莫大な力を得ている術である可能性が考えられます。