433 『仙術失敗…!?』

.仙術失敗

「仙人モードでも螺旋手裏剣はやっぱ二発までだってばよ。
 だとすると二人だから残り計四発だけか…」

仙人モードも半永久的なものではなく、一定の時間が過ぎるか、
あるいはあるチャクラ量を使い切ると自動的に元に戻ってしまうようです。

「危険じゃけど今のうちに融合するしかないで!」
「それは無理なんじゃ…」

事情を知らないシマ。
九尾のチャクラのせいで仙人形態のナルトに融合できないことをフカサクは説明します。
しかし融合ができなくても、仙人モードを戦闘中に作り出す方法を編み出したナルト。
ペインの追撃をかわしながらも、背中に背負っていた巻物を手に走ります。
それをフカサクに投げ渡すと、力の戻っていない天道ペインと体術で勝負に出ます。

「これから仙人モードに入る! オヤブン達は下がってくれ!
 螺旋手裏剣で巻き添え食うと危ねーから!」

ガマブン太達を下がらせると、投げ渡された巻物から逆口寄せの術で、
妙木山で『動くな』状態を保っていた影分身の二体のうち一体を口寄せ。
術を解いて影分身体を本体に引き戻すことで再び仙人モードとなったナルト。
冒頭の二人とはこの待機していた影分身体を表していたようです。
多重影分身を得意な術とするナルトは、
意図的にある影分身を残し、ある影分身を本体に戻すということや、
仙人モードの予備として待機させることができるほどの術の持続時間を持つようです。


ペインから突き出された黒い棒を叩き割ると、
側頭部への蹴りを繰り出し、ガードも虚しくペインは吹き飛ばされます。

「ナルトちゃんは影分身を予めしておいて、
 その影分身に仙術チャクラを練り込ませて待機させておいたんじゃ。
 あとは巻物でいつでも妙木山から口寄せできる。
 口寄せしたら影分身を解いて仙術チャクラをオリジナルに還元するちゅー寸法じゃ!」

土煙が晴れ、ペインが起き上がったときにはすでに螺旋手裏剣が出来上がっていました。
天道目掛けて放たれた螺旋手裏剣。
それを庇うように餓鬼道ペインが割って入り、螺旋手裏剣を吸収します。
さっき倒したはずの餓鬼道は地獄道により再生させられていました。
陣形を組んだ時一番最後列で構えて、傷ついたペインを再生させ、また戦わせる。
記事【続・ペインに勝てる確率】*1では、
ペインは噛ませ犬をぶつけて、主力級を後に控えさせる戦法を取ることをあげましたが、
切り込みにいくペインで片がつけばそれでよし、
切り込みで片がつかなければ、強力な破壊力をもつペインで叩けば効率が良いわけです。
加えて切り込み隊で潰されたペインは後列にいるペインによって回復させられる。
どんな敵にも対応できる、一分の隙もない王道的な陣形です。
RPGゲームの4人パーティでは攻撃×2・補助・回復の役割で
BOSS戦をクリアすることが多いですが、これと似ています。
カツユは回復役である地獄道がキーマンであると教えつつ、
天道ペインの引力・斥力の能力をナルトに警戒させます。



螺旋手裏剣に変化したナルト。その姿で畜生道まで一気に近づき、
術を解いて畜生道を押さえつけます。
後ろから螺旋手裏剣。天道ペインへ一直線に飛んできます。
しかし力が戻った天道は斥力作用で螺旋手裏剣をも弾いてしまいます。
この攻防、ペインの勝利かと思われた瞬間、
煙玉に隠れていたもう一体のナルトが両手に螺旋丸を携えた
『仙術・螺旋連丸』で後列にいた地獄道を粉砕します。
ナルトの機転の良さがペインの予想の上をいったようです。