441 『螺旋手裏剣 VS 神羅天征』

1.螺旋手裏剣VS神羅天征

「すでに九尾を制する事が出来るというのか?」

九尾になりかけていたところから、人柱力自身に姿が戻ったことから、
ナルトが九尾の力をコントロールしているように映ったのでしょう。
長門は地爆天星を振りほどくためにあえて九尾の力を利用したのではないか、
とも考えたかもしれません。
地爆天星の発動および保持で大量のチャクラを消失したと思われる長門
痩せ衰えた身体。血を吐き出し、虫の息の様子。地爆天星を解きます。

「九尾化したせいでチャクラが乱れちまった…
 影分身も消えちまってる。」

妙木山に残していた仙人モードのストックはありません。
ナルトはすでに仙人モードとなっていますが、
ミナトが九尾を抑えると同時に、自然チャクラを取り込んで、
仙人モードとなる荒技をやってのけたということでしょうか?

「タフな奴だ…。九尾の力…どれほどか確認しておきたかったが…
 まさか地爆天星まで…」

ナルトを見据え、次の挙動に備えるようなペインに対して、
ナルトは瓦解した星によってできた瓦礫の山を見て、
どこか罪悪感に駆られたような表情です。

「あっちは里の方…アレは…」

里の方に目を向けたナルト。土煙があがり、里の姿は見えません。
九尾化したナルトがやったというカツユ。
ふと脳裏に血を流して倒れたヒナタの姿が浮かびます。

「もしかしてヒナタや木ノ葉の人達をオレが…!」

居た堪れない後悔の念が一瞬ナルトを襲いますが、

「心配しました。でも九尾化したナルトくんの攻撃で、
 木ノ葉の人々に被害は出てません…。運良くですが…。」

とカツユが言ったことでほっと胸を撫で下ろし涙します。
一方里ではヒナタがガイ班に見つかります。

「致命傷は避けてる。でもすぐに治療しないと!」

必死の様子で医療忍者を探すネジ。
木ノ葉が暁に襲われたとガマブン太から伝え聞いていたガイは、
まさかここまで甚大な規模の被害が出ているとは予想できなかったようです。

「こちらにもケガ蛙です!」

リーのこの言葉は、どうやらシマも傷は負ったものの無事ではあるようです。

「お前ならその答を見つけられる。」

父親、四代目火影のその言葉をもう一度心に浮かべ、ペインを見据えるナルト。

「…少しは痛みを理解できたか?
 同じ痛みを知らなければ他人を本当に理解できない。
 そして理解したところで分かり合えるわけでもない。…それが道理だ。
 お前がサスケを追いかけても無駄なようにな…。」

理解することはできても、理解しあうことはできないというペインに、

「お前の本体の所へオレを連れて行け!
 直接話したい事がある。」

とナルトは語りかけます。本体に気づいたことを感心しつつも、
話すことなど何もないというペイン。

「仙人モード…。あのやっかいなチャクラの手裏剣は、
 二発までしか撃つ事は出来ないようだな。しかもそれで仙人モードは消える。」
「もし…その二発の手裏剣を外したらお前の負けだ…。
 もうスキは与えない…。外したら最後。
 半殺しにして連れて行くだけだ。」

戦うしかない、そう確信したナルトはペインの本体を自身で突き止めようと、
仙人モードの研ぎ澄まされたチャクラ感知能力を利用して、
格闘の黒い棒に送られてくるチャクラ信号を逆探知
長門の居場所を突き止めます。

「見つけたぜ!!」

すぐさま多重影分身からの風遁・螺旋手裏剣。
煙玉に紛れ、その一発目を放ちます。
神羅天征で打ち消しますがそれはただのおとりだった影手裏剣。
一発目に隠れた本命の二発目の螺旋手裏剣が、
五秒間のインターバルを縫って天道ペインに迫ります。

442 『最後の賭け』

2.最後の賭け

ヒナタを治療するサクラ。
ナルトを字の如く“必死”の想いで助けにいったヒナタを
サクラは何か感慨深げに介抱します。
あわせてナルトが九尾状態を自分で抑えたことにも驚きを隠せません。

「リー! オレ達はナルトの増援に向かうぞ!」

里をめちゃくちゃにしたペインを相手に一人で戦うナルト。
加勢しようとガイとリーが動こうとしますがカツユに止められます。


――神羅天征発動まで、あと5秒
迫り来る螺旋手裏剣。ペインの背後から影分身体のナルト2体が、
身体を抑えにかかりますが、それを見切ったペインが、
2体を黒い棒で串刺しにし、それを支点にして宙返りすることで
螺旋手裏剣をかわします。


――神羅天征発動まで、あと4秒
けたたましい轟音とともに、あたりに螺旋手裏剣の衝撃が伝わります。


――神羅天征発動まで、あと3秒

「二発…外したな…。終わりだ。」

ペインが勝利を確信した瞬間、あたりの瓦礫がざわめきたちます。
瓦礫という瓦礫に扮していた幾体とも知れぬナルトの影分身体が
ペインめがけて特攻をかけます。


――神羅天征発動まで、あと2秒

「これほどの影分身をガレキに変化させて…」

ペインの全方位を囲む夥しい影分身の数。


――神羅天征発動まで、あと1秒
インターバル直後の発動に備えて神羅天征の構えをとるペイン。
ナルトの拳が届くか否かのところ。


――神羅天征発動
影分身体のナルトが一斉に吹き飛ばされます。
しかし、影分身体が前の影分身体に捕まることで、
神羅天征による吹き飛ばし効果になんとか耐えます。

「答を持たぬお前如きが…! ………諦めろ!!」

『人が本当の意味で理解しあえる時代がきっと来る』
自来也やミナト、カカシの言葉を胸にナルトは神羅天征に耐え切ります。
そして螺旋丸の構え。

「あの術は投げ飛ばせない…。五秒…この距離ならいける。」

ペインが再び神羅天征を放つ間際、

「オレが諦めるのを――諦めろ!!!!」

螺旋丸を練ったナルトが影分身体に投げ飛ばされ、
五秒のインターバルを掻い潜って体当たりするように螺旋丸が炸裂します。