1.続・ペインに勝てる確率(1)

さてペインとのある戦闘においてn回の攻防があったとすると、
1回の攻防において、それぞれ次の確率が定義できます。

  • P_s  ペインを数体倒す確率
  • {\lambda}_sP_s  ペインを数体倒し、そこから全滅させる確率
  • P_q  ペインを数体倒すが、復活し6体となる確率
  • P_p  1体も倒せずペインに敗れる確率
  • {\lambda}_pP_p  ペインを数体倒すがペインに敗れる確率

そして、ある1回の攻防で全く状態変化が起こらない確率、すなわち

  • 1-P_s-P_p             ペインが6体で変わらない確率
  • 1-P_q-{\lambda}_sP_s-{\lambda}_pP_p  ペイン数体倒れているが復活していない確率

も含めると、n回の攻防でペインに完全勝利する確率とは、


D=\big{ (1-P_s-P_p)+(1-P_q-{\lambda}_sP_s-{\lambda}_pP_p) \big}^2 \\ \hspace{100}-4\big{(1-P_s-P_p)(1-P_q-{\lambda}_sP_s-{\lambda}_pP_p)-P_sP_q \big}
\begin{eqnarray} &{\alpha}&=\frac{(1-P_s-P_p)+(1-P_q-{\lambda}_sP_s-{\lambda}_pP_p)-\sqrt{D}}{2}  \\ &{\beta}&=\frac{(1-P_s-P_p)+(1-P_q-{\lambda}_sP_s-{\lambda}_pP_p)+\sqrt{D}}{2} \end{eqnarray}

を用いて、

\frac{{\beta}^{n-1}-{\alpha}^{n-1}}{\sqrt{D}}{\lambda}_s{P_s}^2

と表せるのでした。これが前回*1までの内容です。
ん〜〜なんとも複雑な形をした式ですね(o_o;)
式が見苦しいのはいつもの事なのですが大変申し訳ないです。m(_ _)m
いろいろ複雑なのは未知数ばかりだからです。
ここでこれらの未知数の大小関係を調べながら、
この式がどんな状況をあらわしているのか明らかにさせていきましょう。


2.続・ペインに勝てる確率(2)

何体か倒すも全滅させることはできない、そういう戦闘が多いペイン戦。
ペインへの挑戦者の能力によって、ペインを倒す確率(すなわちP_s)や
ペインに倒される確率(すなわちP_p)にばらつきが生じます。
――が、今まで誰もペインを全滅させられなかったことを考えると、
ペインを倒した後、さらにその攻略難易度はあがるようです。ということは、
なまじ数体のペインを倒すより、数体倒したあとペインを倒す方が難しい
という現象が起こっている風にとらえることができます。
ということは、係数{\lambda}_sはこれも個人差によりますが、
ペインを倒す確率を抑える方向に働くことになり0\lt {\lambda}_s \lt 1ですね。
しかもかなり抑えられると見ていいので、\frac{1}{10}くらいかもしれません。
このパターンにはペインの戦い方を見ると、6体揃っているときは、
やられやすいペインが噛ませ犬――否、切り込み隊長(^_^;)として特攻していくので
天道ペインなど主力級が本領を発揮するのは戦闘後半になるということが背景にあるといえます。
どちらにしろペインの勝率が高いと考えるのが順当でP_s \lt P_p
係数{\lambda}_pにあてはめると{\lambda}_s \lt {\lambda}_pなどと言えそうです。
ただしあくまで{\lambda}_pP_pが確率であること*2を崩さないためにも、
0 \lt {\lambda}_pP_p \lt 1は満たしているものとします。
またペインはやられてもすぐに復活できるということを、
ペインを数体倒すが、復活し6体となる確率P_qが高めであるととらえることができます。
つまり総じてペイン数体倒れているが復活していない確率1-P_q-{\lambda}_sP_s-{\lambda}_pP_pは低そうです。
またペインの数体を倒すことは、
自来也が仙人モードになっていても難しかったわけですから、
ペインが6体で変わらない確率1-P_s-P_pはそこそこ高いことになります。
さて432話までを見る限りにおいて復活の要と思われるのは地獄道ペイン――
彼がいなくなれば復活は起こりにくくなるかもしれません。
つまり復活する確率P_q=0となる(あるいは0に近くなる)ので、
その分だけ勝つ確率があがる――、すなわちペインを全滅させる確率


\frac{{\beta}^{n-1}-{\alpha}^{n-1}}{\sqrt{D}}{\lambda}_s{P_s}^2

において、

\frac{{\beta}^{n-1}-{\alpha}^{n-1}}{\sqrt{D}}

が大きくなると見ることができます。


3.続・ペインに勝てる確率(3)

このように式を眺めていくわけですが、
言及しておかなければいけないことがあります。
実は確率の設定に2つの誤魔化しがあります。それに触れましょう。
まず一つはペインを1体倒そうが5体倒そうがどれをとってもP_sであること。
1体倒すのは5体倒すのより易しいと考えられるので、
一見どれをとっても確率P_sというのは変な気もしますが、これは設定上、
ペインの一部または全部を壊滅させたかを問題にしたい――つまり、
【ペインの一部壊滅】、【ペイン全滅】のどちらかが分かればよいようにしたいので、
ペインを6体倒せる確率が変わらないように{\lambda}_sを都合よく決めてあげればよいことにしたからです。
つまり、全体的に見てペインを全滅させるという事象を、

  • 1.ペインの一部分を壊滅させる事象
  • 2.残りのペインを壊滅させる事象

の2つに分割したことと等しいので、n-1回の攻防で【状態b】にある確率をb_{n-1}として、
n回の攻防でペインを全滅させる確率をP_nとすれば、


P_n{\lambda}_sP_sb_{n-1}

と等号で結べるように確率を設定しただけなのです。
そして2つ目は状態変化が起こる確率は等しいとしたこと。
1回1回の攻防は常に同じ状況ではありません。
挑戦者が不利になったりペインが有利になったりするわけですから、この状況では何回に1回勝てる、
というようにころころP_sP_pといった値は変わりそうな気がしますが、
このような状況もトータルで含めた確率がP_sP_pであれば問題ない
――ということにしておきましょう(汗)

*1:式の詳細は【ペインに勝てる確率】をどうぞ

*2:確率P0 \leq P \leq 1