さて2008年最終となる記事ですが、
前回までの電磁気のお話とは打って変わって
今回はがらりと変わります。

2007年最後では自来也の遺した暗号について書きましたが、
その後作中で明かされた解答も依然その意味が不透明なまま
暗号が暗号を産んだ形で終わり、
2008年最後までもやもやを引きずった形となってしまいました。
そこで少しでもそのもやもやを晴らすべく、
今回も無謀にもこの暗号について書かせていただきます。


最後に、
今年も【ナルト世界の謎を紐解く】の拙い記事をご覧になってくださった方々、
たびたび返信が遅れてしまいましたが、
【ナルト世界の謎に縺れる】にコメントをくださった方々、
感謝の念を込めてこの場を借りて厚くお礼を申し上げます。
また来年もよろしくお願いいたします。
良いお年を。


1.ホンモノハイナイ(1)

フカサクの背中に遺された自来也の暗号、それは次のようなものでした。
すなわち、


\reverse 9,31,8
\reverse 106,7
\reverse 207.15

とは、自来也著:イチャイチャタクティクスのページ初頭の文字を組み合わせた



本物葉意無椅


でした。すなわち、


ホンモノハイナイ


と解釈されるものです。
これはペインの正体を示すダイイング・メッセージであるのですが、
予言の子であり自来也の愛弟子であるナルトに遺された言葉、
という解釈を前提に立たせれば、ペインの正体を表すだけの言葉では物足りない。
ナルトに対する気遣い――のようなものも含まれていておかしくはない気がしますし、
それに恋慕していた綱手に対するメッセージが含まれていないのは、
物書きである自来也としては、らしくないような気がします。
確かに有り余る想いを込めて、なおかつペインの正体を含む暗号を作るには、
あの短い時間と死に瀕した状況では難しいのですが、
それでも何かあるのではないかと自来也があの状況で選び出した6文字の漢字から
別の意味はないだろうか、と勘繰ってしまうわけです。


ところでどうして最後の文字が椅子のなのでしょうか。
【ナルト世界の謎に縺れる】にコメントをくださったRMさん(ありがとうございますm(_ _)m)の言をお借りしますと、
自来也は根が綱手の火影の座=椅子をおびやかす存在だと気づいていたなら、
この暗号は綱手に対するものも含まれた二重暗号となります。
すなわち、個々の漢字が表す意味をつなげていくと
本→根本、根本、すなわち根
物→転じて者
葉→転じて木ノ葉の“葉”
意→転じて火の意志
無→無い
椅→転じて火影の座
『木ノ葉の火の意志が無い根の者に火影の椅子はない』
根の者に火影の座を渡してはならない、とか
『本物の木の葉の(火の)意志は椅子にあらず』、
つまり火影が木の葉の里の中心ではなく、木の葉の里に暮らす個々の人々の意思こそ中心
という解釈ができたりしますね。

2.ホンモノハイナイ(2)

ペインの正体について『ホンモノハイナイ』というのは、
自来也が対峙した6人の中に『ホンモノハイナイ』という意味と
作中では推測されています。
ところで、429話『痛みを』では天道ペインが神羅天征の威力をあげるために、
他の5体に回すチャクラを天道ペインに集中させましたが、
このときの小南の発言に注目すると、

「ダメよ! あの術はアナタの命を縮める事になる!
 どうしてもやるのね…長門。」

とペインに対してでなく長門に対しての発言になっています。
やはり長門こそペインの本体であることを窺わせる発言ですが、
この6人に『ホンモノハイナイ』というのなら、
天道ペインもまた長門自体ではないはずなのです。
そうであるからこそ小南も六道ペインに対してペインとしか呼びかけなかったものの、
この場面では「長門」とペインのことを呼んでいます。つまり、
“ペイン六道は長門本体ではないけれど、長門とつながっている”
というわけです。であるなら本物がいないと知った自来也は、
長門の存在がどこかにあることに気づいたはずです。
――いや、気づかなければおかしいのです。
輪廻眼を見たとき長門を6人の中から探し出そうとして、
結局長門はいなかったのですから。
言い換えれば本物は長門だというわけです。
これが暗号に含まれていないでしょうか?
作中ではフォーメーションBのようにアルファベットが使われています。
そこでアルファベットもナルトの世界の文字であるとするならば、
本物葉意無椅
→honmonohainai
すなわち


\Big( \begin{eqnarray} h \times 2 , n \times 3 , m \times 1 \\o \times 3, a\times 2, i \times 2 \end{eqnarray}

ですから、組み合わせを変えて、

ai≒エーイ=永≒長
mon=門

そし残りを

oh 追う
nin 忍
ha 〜は
o  〜を

として並べ替えると

oh nin ha o
追う忍は長門を

つまり長門を追えということを意味している文章が生まれます。
といってもこじつけなわけですが(^_^;)、
偶然にしてはなかなか出来すぎているような気もします。