389 『サスケの流れ』

.サスケの流れ

イタチ子の印から続いて右眼を閉じます。
ゼツは月読を破られた現在において、
幻術同士の戦いでは埒があかないと状況分析しました。

「左の万華鏡ガ最強ノ幻術ヲ持ツナラ、
 右ノ万華鏡ハ最強ノ物理攻撃…
 “天照”ハソノ眼ガ映シタモノヲ焼キ尽クスマデ
 消エナイ黒イ炎ト言ワレル…」

漆黒の炎、天照。それは月読が精神世界に効力を及ぼすのに対して、
物理攻撃、すなわち現実世界に効力を及ぼす瞳術。
神話通りにいけばアマテラスは左眼、ツクヨミは右眼より生じますが、
前回【兄弟対決3】の記事にもありますが、

  • 右脳(空間映像制御)→左眼→月読
  • 左脳(空間秩序制御)→右眼→天照

という感じの方が近いようです。

「“月読”はおろか…“天照”まで使わされてはな…」

以前、イタチが天照を使って自来也の術から脱出した際(148話『イタチの能力!!』)に、
術後右眼を痛めているような描写が描かれています。
したがってこの頃から天照は右眼主体の技であることが、暗に描写されていたわけです。
しかし、左眼で物理攻撃(=天照タイプ?)を行う万華鏡写輪眼も存在します。
ご存知のようにカカシです。これについては追々の記事に書かせていただきたいと思います。


印を結ぼうとするイタチに間を与えず、サスケが猛攻に出ます。
“剣”の印より風魔手裏剣召喚、投擲します。
一方でこの手裏剣の影にもう一つの風魔手裏剣。
影手裏剣に気づいたイタチは錐もみ回転、つまり前後方向を軸とする回転(ローリング)によって
切り抜けますが、サスケは“剣”の印の刺繍をほどいて、仕込み手裏剣としていました。
イタチを通り過ぎた手裏剣はこの仕込によって四枚の刃に分かれ、
ブーメランの様に、イタチを裏から攻撃します。片方の刃がイタチを捉えます。
いつものイタチなら避けることができるはず。
どうやら月読で使った左眼が痛みとともに徐々に光を失いかけているのか、
焦点が合わずにサスケが二重にも三重にも重なって見えてしまいます。

「さっきの“月読”の反動か? フッ…いい感じだなオイ。」

サスケはすかさず火遁・豪火球の術。イタチは左眼と足の痛みからか応戦せず、
上空に逃れますが、そこを待っていたようにサスケが千鳥で追い討ち。
一瞬、イタチは万華鏡写輪眼が写輪眼になるほど驚いています。
なんとかダメージを凌いで、宙空からイタチも火遁・豪火球の術。

「この程度の傷じゃまだまだだ…」

かすり傷を負ったイタチの力が衰えていないのを言い含めているのか、
それとも己の奥の手のタイミングをうかがっているのか――
サスケは炎を呪印で形作った手によって防ぎ、再び火遁・豪火球の術。
イタチも火遁・豪火球の術。押し合いになりますが、サスケの炎がイタチの炎を押します。
勝負が決するか否かのタイミングで、イタチは右眼から血の涙を流します。
ついに“天照”の発動。完全に充血しきった白目、
そして瞳孔がサスケとは真逆に白く拡大します。
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漆黒の炎はどこからともなく現われ、黒い不死鳥のようにサスケの炎を呑みこみ、
サスケへと押し寄せます。