1.瞬間移動

そもそも実世界中に存在する静止する物体を、実世界にいる者が動かすには、
物体にエネルギーを加え仕事をさせなければいけません。
幸いにもこの法則はナルトの世界においても成立すると考えてよいでしょう。
ナルト世界中の一般的に静止している“物体”が、
突然独りでに動いたりするようなことはない、と考えられるからです。
しかし独りでに動いているように見える場合が存在します。
我愛羅が扱う砂が意志を持ったように動くのもその一例です。
これはこのナルトの世界にあまねく存在するダークエネルギー*1に振舞う、
チャクラによるものとして考えると説明できます。
ナルト世界の空間自体がこのように潜在的にエネルギーを秘めており、
しかしそれは動的な性質は示さず、
生命エネルギーの源であるチャクラと反応して様々な作用を示すと考えられます。
その事実の元、それを扱う術<すべ>を知っているために、
時空間忍術や性質変化といった技術が可能となるのでしょう。
口寄せの術は時空間忍術の代表例ですが、ごく一般的なものです。
巻物から忍具を、契約を結んだ動物や人間を瞬間的に登場させることができます。
ここでSFで登場するワープ(超光速)理論を考えてみましょう。
アインシュタイン博士の相対性理論によって

  • 加速することで質量増加し、莫大なエネルギーも必要になるため光速の壁を超えることができない

と言われており、この矛盾を解消すべく、

  • 現在地点と目標地点までの空間を折りたたんで移動距離を短くする。
  • 別次元に相転移し亜空間を移動後、再び元の次元に相転移する方法。

などの方法が考えられていますが、
これは光の速度c=3.0 \times 10^8[m/s](1秒間に地球の赤道上を7回転半)で
何万年や何億年もかかる宇宙間の距離を縮めるために考え出されたアイディアであり、
光の速さで移動できれば、地球上はほぼ一瞬です。
ナルトの世界も地球と同じ規模と考えると、
このような速度に近づけば瞬間移動できると考えられます。
しかし、実世界上を光に速さで直接移動していると考えると、
ご想像の通り少々難があります。(何かにぶつかるetc)


2.次元間相転移

そこで特に後者の次元間相転移*2を用いて時空間忍術を考えてみます。
巻物から忍具を取り出したり、サイが墨で描いたものが具現化する現象など
二次元から実世界の三次元に登場することを説明できますし、
自来也が蛙の口から登場することも説明可能です。
また契約した動物を呼び寄せる際には、
別次元に存在する亜空間トンネルを利用していると考えられます。
契約をする必要があるのは、術者と対象とでこの亜空間トンネルを結ぶ必要があるからでしょう。
この亜空間トンネルはおそらくダークエネルギー的なチャクラを用いたもので、
そんなに自身のチャクラを消費しないため、お手軽であると考えられます。
またこの亜空間トンネルは実世界に影響されず、実世界の距離は関係ありません。
口寄せの術ではいついかなる場所でも、対象を呼び寄せることが可能です。
つまり亜空間トンネルは入り口と出口が一直線というわけではなく、
いろいろな場所が混在している状況で、選んだ場所にいけるどこでもドア状態の世界で、
この亜空間トンネルから目的地に出る(=実世界がある次元に相転移)ためには、
出口あるいは出口への道標的なものをつくってあげる必要があります。
それが以下の様な紋、そして術者の血だと考えられるわけです。




術が発動すると、対象がこの亜空間トンネルに入ります。
そして紋と血で呼び寄せるわけです。

したがって口寄せの術にも以下の2つのタイプが考えられます。

  • 巻物⇔実世界 の直接次元間相転移
  • 実世界⇔実世界 の亜空間トンネル次元間相転移

これらはチャクラというエネルギーを介してのみ可能である技術でしょう。

*1:ダークエネルギー】:物理現象では解明できない宇宙空間に存在する未知のエネルギー。あるいは真空状態の空間それ自体が何らかの理由でエネルギーを持っていると考える理論上のエネルギー

*2:相転移】:ある状態から別の状態へ変化すること