1.写輪眼変化(1)

イタチの月読を破ったとき、サスケの写輪眼は次のように瞳孔が拡大し、
いかにも力強そうな瞳となりました。


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サスケの写輪眼は呪印による状態変化ではさほど変わりませんが、
今回のように肥大変化をさせたということは、
サスケ自身が何らかの特殊な写輪眼を得ている可能性を示唆できます。

ところで前回の【写輪眼対比2・サスケの瞳術(i)】*1では、
大蛇丸を異空間で呑みこんだ後、カブトと対峙し、
サスケの写輪眼がカブトに幻術のようなものを見せた場面に際し、
この瞳術を亜月読と述べました。
別館【ナルト世界の謎に縺れる】にコメントを下さっている方々(多謝。m(_ _)m)のうちの一人、
さちさんの寄せてくださったコメントによると、この時の写輪眼はいつもと違うといいます。
それは写輪眼に以下の様に放射状の筋があることです。(38巻120ページ)




実は以前、綱手の瞳が描かれた際にこれと似た放射状の筋がありました。(32巻の72ページ)
瞳を詳細に描くとこのようになっているのですが、
これは瞳孔括約筋、瞳孔散大筋といって、
瞳孔が明るさにあわせて拡大、縮小させる筋肉の筋が主にこのように見えるわけです。
これは名前に由来するように瞳孔に結ばれているようですが、
上図では瞳孔(中央)とは関係なく、写輪眼の巴がある円周上から存在します。
これは括約筋ではない、何か別の特殊な紋様の気がします。


大蛇丸の異空間の少し前の描写、イタチと大蛇丸が対峙する場面において、
イタチが瞳術によって大蛇丸を金縛り状態にする描写があります。
このときイタチは通常の写輪眼ですが、
通常の写輪眼でも大蛇丸に幻術を施すほどの瞳術を有すると判断できます。
大蛇丸の創り出した異空間。
そこで転生の儀式が行われるようですが――

「バ…バカな…。ここは私の作り出した異空間よ! ありえない!
 ありえない! ありえないわ! ここは私だけの…」

大蛇丸の意のままであるはずの空間。
いわば大蛇丸絶対領域であるはずなのに、
逆にサスケの意志がこの空間を操って、大蛇丸を呑みこんでしまいました。
また、イタチが大蛇丸にかけた金縛りの幻術のように、大蛇丸を貫く柱が現われました。
この描写はイタチと大蛇丸の戦いの背景を思い起こさせながらも、
イタチが大蛇丸に用いた瞳術と同じレベルか、
それ以上の瞳術であることが、暗に描かれていると考えられます。

2.写輪眼変化(2)

サスケの瞳のアップである81ページ、と思われる108ページ、110ページの描写において、




の写輪眼ではないことが分かります。
大蛇丸を取り込んだ後の亜月読のような描写で、この眼がはじめて披露されるわけです。
したがって大蛇丸を取り込んだ後に生じた新しい写輪眼である可能性が高いです。
しかも、388話「力の差…!!」において、

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という変化は、残念ながら巴の動きによるものでなく、瞳孔の拡大ですが、
イタチの万華鏡写輪眼を生じる巴の動きによって形作られる途中の段階

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に似ているともいえます。
他方で、大蛇丸の異空間をサスケの意志が侵食、支配したところを考えると、
カブトに対して使った月読のような術は、サスケが何の違和感も無く使っている様子から、
すでにこの特殊な写輪眼を開眼していたともいえます。


いずれにせよ、サスケが通常の写輪眼以上の特殊な写輪眼を有しているのは確実で、
イタチの天照に対して、サスケが以前使おうとして大蛇丸に止められた術も、
これと似た亜天照ではないかとも【写輪眼対比2・サスケの瞳術(i)】(*1)の記事で書きましたが、
この特殊な写輪眼を最大限に活用する火遁の術ではないかと思います。

「写輪眼モ忍ノ武器ダ。武器トハソレヲ扱ウ者ノ力量次第デ強クモ弱クモナルモノ…
 手裏剣ヲ持ッテイテモ達人ノ投ゲル小石ニ負ケルコトダッテアル。
 要ハ力量ノ差…。サスケノ才能ガイタチノ想像ヲ超エテイタトイウ事ダ」

とあるように、イタチの万華鏡写輪眼という手裏剣が
サスケの写輪眼という小石に負かされたわけですが、
いくら達人の投げる小石と言えども小さすぎては敵いません。
それなりに大きすぎず、しかし手裏剣には負けない重さのある小石のはずです。