そもそも〈暁〉という組織と〈ペイン〉という二つのキーワードがつながる理由はまだあやふやです。
〈マダラ〉を称する〈トビ〉と関係があるのは分かりますが。
彼は三忍まとめてかかってきても倒すに至らなかった半蔵、そしてその関連者を次々に屠りました。
おそらく五影以上の実力者なのでしょう。(現に三忍の一人綱手が火影となっている。)
そこで疑問が連鎖するように自然と生じてきます。
 

  • ペインの目的が世界征服だとするなら、なぜ暁という組織に所属するのか?
  • 雨隠れの里をのっとった目的は?

 
ペインのその飛び抜けた強さをもってしても世界征服をはかるにはまだ足らないのか?
S級犯罪者という猛者を集めた暁という組織のリーダーとして彼はおさまっています。

1、暁設立〜雨隠れの内戦

彼がこの組織を設立したというなら、その目的は世界征服を円滑に行うため、ということでしょうか?
36巻で彼はこのように語っています。

 “暁”の最終目的は段階を踏むことで達成できる。
それは全部で三段階…まず第一が金だ
そして第二段階がその金を元手に忍世界初の戦争請け負い組織を作ることだ。
(中略)
だから我々“暁”が作るのだ!
国というものに属せず必要な時に必要な数だけの忍を用意し
必要な力を持ってあらゆる小国や小さな里から金で戦争を依頼して請け負う組織!
最初ははした金であらゆる戦争市場を一手に引き受け戦争市場を牛耳り
さらには“尾獣”を使い市場の大きさに合わせて戦争を引き起こし
やがて全ての戦争をコントロールし独占支配する!

つまり彼はただ単に世界を征服するだけでなく、あらゆる方面での忍を我が物にする、
そういった構想を打ち立てています。
そして市場の大きさにあわせて“尾獣”を使うと言っています。
尾獣を狩る目的はその為なのでしょう。
つまりペインは、

尾獣をも操る術<すべ>あるいは方法を会得している。

というわけですね。
ケルベロスさんの(NARUTO×JUNKIE)で、
 うちは一族が尾獣と密接な関係があるという考察がありますが、
 だとすればおそらくマダラはこのことに関わってくるのではないでしょうか?)
軽く一国を滅ぼすほどの力を持っていながらも、同士を募って、“暁”という組織を使うのは、
忍世界の根元から支配していくため。
ならば、雨隠れをおさめる支配者となったのはなぜでしょうか?
飛段にも揶揄されていましたが、彼は小国(五大国以外を仮にこう呼ぶとします)の長となったのはなぜか?
 
一番に考えられるのはおそらく世界征服の拠点とするためでしょう。
雨隠れのあるところは、川の国。ちょうど大国同士に挟まれる位置にあります。
おそらく忍界大戦時、木の葉隠れ、砂隠れ、岩隠れ等に侵攻されたのは確かだと思いますが、
それをことごとく防いだであろう半蔵はやはり強い。
で、この川の国の中枢と思われる雨隠れをおさえることで、大国相手に戦争を起こす拠点にするにはちょうどいいとか。
その理由はまだまだ語られないと思われますが、おそらく暁の目的の核心に迫る疑問だと思います。

2、半蔵派とペイン派

もう一つ大きな疑問があります。
この内戦は半蔵派とペイン派に分かれて戦ったみたいですが、
そんな対立を生み出すようなことがこの二人にあったのか、ということです。
ペインは雨隠れの額あてをしていますから、おそらくもともと雨隠れの忍びでしょうが、
半蔵とはどんなことで対立していたのでしょう?
ペイン派からはペインは神のように崇められています。
一方で半蔵派は一昔前までペインの命を付け狙って、隙あらば暗殺しようとしていました。
一体この二人に何があったのでしょうか?
なぜだかふと、ここにきて急にこの二人は親子、ペインは隠し子なのでは、という気がしてきました。
風魔一族の血をひくのは、半蔵の愛人がそうだったから、とか。
そうだとすれば、半蔵を殺めることができたのも、その凄まじい能力も、そして対立構造も納得がいきます。
大虐殺〈ホロコースト〉も、ただペインが冷酷だっただけでなく、
ペインの私情(憎悪だとか執念)みたいなことを感じますし。