502 『四代目の死闘』

遅れましたm(_ _)m

1.四代目の死闘(1)

同じく不穏な空気を感じているのか、
突然泣き出してしまうサスケをあやすイタチ。

「泣くなサスケ…。
 何があってもお兄ちゃんが絶対守ってあげるからな…。

父・フガク、母・ミコトのどちらも外出しているようです。
何があっても弟を守る――
幼いときから変わらない、これがイタチの真実だったわけです。

一方で木ノ葉の街の一角。
カカシとガイがなにやら勝負はじゃんけんでいいだの、
もっと熱い勝負で物事を決めたいだの、
いつもの(笑)やりとりをしていますが、
妙な空気をカカシは感じています。

「(まさかのう…)」

同刻、火影の部屋。
出産に立ち会うために離れた四代目ミナトの代わりに
三代目が庶務を行っているようです。
不穏な空気を感じています。

「口寄せの術…!」

口寄せの術を使って九尾を召喚する仮面の男。
口寄せの術には九尾との契約が必要なはずです。
したがってこの仮面の男の正体はかなり限られるはずです。
突如現れた九尾に混乱する人々。

三代目火影様!!
 九尾が! 九尾が急に里に出現しました!」

火急の報告にくる暗部の忍。
自来也が天災ではなく、
この“突如現れた”九尾の背後に、
口寄せをして九尾を操っている者がいることに勘付いたのも、
この“突如さ”でしょう。

「分かっておる! アレはワシが抑える!
 …お前は非戦闘員の保護に回るのじゃ!」
「(クシナの封印が解けたのか?
  あれほどのガードをかけておいたのに失敗じゃったか!?)」

指示を出しつつも、
クシナ出産の際の最悪の可能性が脳裏をよぎる三代目。
このときはまさか九尾を操り里を壊滅させんとする者がいるなど
ゆめにも思わなかったはずです。
自分の顔岩に飛雷神の術で現れたミナト。

「オレに気づいたか。
 ここはやらせない!!」

九尾はチャクラを凝縮し、
一気にミナトめがけて解き放ちます。
しかしミナトの目の前で、飛雷神の術のように、
禍々しいチャクラの凝縮体は彼方へ飛ばされ、
別の場所で尋常でない爆発を起こします。

「九尾の攻撃を飛ばしたあの術……、
 時空間結界じゃな!」

と秋道チョウザ。

「ミナトか!」

奈良シカクもすぐにミナトの存在に気づきます。
三代目も戦闘態勢が整った様子。

2.四代目の死闘(2)

「(三代目様にすぐにでもこれらの事を伝えなくては……)」

そう、ミナトが考えていた矢先、
突如背後に現れた仮面の男。
クナイで応戦しますが、その攻撃はすり抜け、
ミナトは腕をつかまれてしまいます。

「お前の相手はオレだ。
 そして…終った。」

と同時に空間が渦を巻き、
ミナトを呑み込もうとします。

「……!!
 飛んだか…。速いな…。
 次はもっと速くとりこんでやる…。
 触れた瞬間にな…。」

飛雷神の術でなんとか違う場所へ逃れたミナト。

「(こっちの攻撃が擦り抜けた…。
  しかし実体化し、すぐにオレを引きずり込もうと…。
  何だあの術は?)」

時空間忍術のエキスパートであるミナトですら奇怪に思う仮面の男の術。

「逃しはしない。」

目の前の空間が歪み、仮面の男が現れます。

「(こいつも時空間忍術を使うのか!?
  クシナを連れてすぐに移動できたのはこの能力か!)」

出産場所から一瞬にして岩場まで移動していた仮面の男。
自分の飛雷神の術のように、空間を一瞬で行き来できる術。

「(三代目直轄の暗部をやり過ごし、
  最高機密の結界を潜り抜け、
  出産時に九尾の封印が弱まる事を知っていた…。
  …さらには九尾の封印を解き、手懐け、
  そして木ノ葉の結界に引っかかる事なく出入りできる忍…。
  オレの知るかぎりでは…一人しかいない。)」

こんなにまで離れ業をやってのけられる人物など、
ミナトすら聞きしに及ぶたった一人を除いて考えられません。

「うちはマダラなのか?」

その問いに何も答えず、仮面の男はフードを取ります。

「いや…そんなはずはない……。彼は死んだ。」

終末の谷で初代火影・千手柱間に倒されたかなり昔の人物。

「……さあ…どうだろうなあ…。」

仮面の男は答えをはぐらかします。

「……この際アナタが何者なのかはいい…。
 だがなぜ木ノ葉を狙う?」

ミナトの質問に、今度はちゃんと答えます。

「言うなら…、気まぐれであり…、計画でもあり…、
 戦争のためでもあり…、平和のためでもある。」

そう言いながら、長い鎖のついた腕輪をはめる仮面の男。

「(どちらにしろ…ただ者じゃない!
  九尾のコントロール能力と、
  二代目やオレ以上の時空間忍術…。
  そして危険な思想を合わせ持つ…。
  ここでケリをつけておかないと、
  この先九尾以上にやっかいな事になる!)」

忍として極上の能力を持ちながら、
極めて危険な思想をもっている人物。
野放しにすれば、九尾以上に厄介となると
ミナトは判断します。

「(もしもオレが里へ飛べば…
  こいつもついて来て戦場がよけい混乱する…。
  …マダラがそうだったように、
  九尾を口寄せしておける時間はそう長くないハズ…

  里の事は三代目を信じるしかない…。
  オレはこいつをここで仕留めなければ!!)」

マダラは九尾を永続的に召喚できていたわけではないようです。
制限時間がある、と践<ふ>んだミナト。

「すでに希望などお前らにはない!」

仮面の男はそう言ってすれ違いざまに、
ミナトを透過して鎖で縛り上げます。
しかし、飛雷神の術で、
地面に刺さっている別のクナイへ瞬間移動し逃れます。


仮面の男への物理攻撃はすべて透過してしまうが、
攻撃をする一瞬だけ実体化する。
相打ちのタイミングに狙いを定めたミナト。
九尾口寄せの制限時間もあり、
仮面の男は長期戦を望んでないと考察します。
刹那の攻防で勝敗が分かれると見切り、
仮面の男へ突進します。
投げつけたクナイは案の定透過していきます。
螺旋丸を構えるミナト。
しかし仮面の男は自分の勝利を確信しています。
実体化するその瞬間、
飛雷神の術で瞬間移動するミナト。
螺旋丸が炸裂し、仮面の男へダメージを与えます。

「(しまった…。
  さっきのクナイへ飛んだのか!!)」

透過していったクナイ。
そこへ飛雷神の術で飛んで、
上方からの不意をついた攻撃。

「飛雷神二の段だよ。」

飛んできたクナイを掴み、この刹那の攻防に勝利したミナト。
しかし、螺旋丸をもらっても致命傷ではない様子。
まだ決着はついていません。