501 『九尾襲来』

【九尾事件3・10月10日の真実(i)】*1にて、
ヤマトと柱間の血縁について考える箇所で、
柱間の直接の孫が綱手、縄樹であることが抜けていたため
加筆修正しておきました。
たぶん多くの方が疑問に持たれたことでしょう。(^_^;)
ご指摘くださった 通りすがりのNARUTOファンさん ありがとうございます。

1.九尾襲来(1)

生まれたばかりのナルトにクナイの刃を突きつけ、
ミナトを脅迫する仮面の男。

「(この結界をどうやって切り抜けた…!?
  こいつ一体…!?)」

どうやら、暗部の忍の見張り以外にも、
強固な結界が張られていたと思われますが、
仮面の男の透過する不思議な能力の前には無意味のようでした。
ミナトは人質にとられているナルトを気遣いながら、
仮面の男を警戒します。
産後間もないクシナ。
九尾の封印は完全に閉めなおされていません。
九尾が暴れまわるように、腹部の封印部分が盛り上がります。

「さっさと人柱力から離れろ…。
 ガキがどうなってもいいのか?」

ナルトの上の空を切って見せる仮面の男。

「待て…。お、落ち着くんだ!」

ミナトがそういって制止しようとしますが、仮面の男は、

「それはお前だ、ミナト。
 オレは最高に冷静だ。」

と言ってナルトを上に放り投げます。

「ナルト!!」

クシナが叫ぶか否かの瞬間、
ミナトは投げられたナルトをその瞬身の術で助けます。

「流石黄色い閃光…。だが、次はどうかな?」

赤ん坊ナルトのおくるみには起爆札が!
ミナトは飛雷神の術を使って、その場から離脱。
おそらく爆発がクシナに及ばないようにと、
瞬間的に判断した結果でしょう。
飛雷神の術で移動してきた小屋はその起爆札の威力で爆破。
でもなんとかナルトを助けることはできました。

「むりやり飛雷神の術を使わされた。
 狙いはクシナ…。引き離されたか!」

あの状況でミナトは最良の選択をしましたが、
しかしそれは仮面の男の手の内だったわけです。

「ここなら安全だよ。
 ナルト少しの間待っててくれ。
 今すぐ母さんを助けに行かないと…。」

再び空間を飛んで自宅へ。
ナルトを家のベッドに寝かせ、
クシナのもとへ向かいます。

2.九尾襲来(2)

一方のクシナは九尾を復活させるための場所に連れてこられます。

「お前から九尾を引き出し、木ノ葉を潰す。」

仮面の男の目的を聞き、驚愕するクシナ。

「術式マーキングのある空間から空間へ
 瞬間移動するミナトの瞬身の術。
 そのマーキングがこの封印式に書き足されてるようだ。」

ミナトの飛雷神の術。
それは、術式マーキングのある空間から空間へ飛びまわる術。
クシナを守ることができるように、
クシナにもそのマーキングが書かれているようです。

「常にミナトがお前を守る。
 だが今、ミナトを遠ざけた。
 しかも出産で九尾の封印は弱まっている。
 ……このわずかな隙をどれほど待った事か。」

飛雷神の術で再びクシナまで戻ってくる僅かな隙を縫って、
弱ったクシナの封印式を解き、九尾を復活させること。
それこそがこの仮面の男の狙いだったのです。
仮面の男の写輪眼が見開かれ、
クシナの中の九尾に干渉します。

「お前は…!」

九尾は仮面の男の存在を感じ取ったようですが、
その意識はすぐに呑まれてしまった様子。
クシナを九尾の衣が包みだし、
ついにその封印は破られ九尾が姿を現すのです。

「よし…。このまま、木ノ葉隠れの里へ向かう。」

九尾とともに立ち去ろうとする仮面の男。

「くっ…待て…」

九尾を抜かれ、瀕死のクシナ。
木ノ葉には行かせまいという気持ちが、
クシナから言葉をしぼりださせる様子です。

「すごいな…うずまき一族とは。
 …尾獣を抜かれてもすぐには死なないか。」

うずまき一族の特殊なチャクラがなせる業か、
驚異的な生命力で、尾獣を抜かれても、
息絶え絶えではありながらなんとかクシナは生きています。
しかし、仮面の男は生易しくはありません。

「九尾の人柱力だったお前だ…。
 こいつで殺してやる。」

振りかざされた九尾の掌が、
クシナを押しつぶしにかかります。
しかし、間一髪ミナトの飛雷神の術が間に合い、
クシナは無事助けられます。

「…ミナト…。ナルト…、ナルトは無事……なの?」

意識が朦朧とする中、
ナルトの無事を気にかけていたクシナ。

「ああ…無事だよ…。
 今は安全な所にいるよ…。」

――と、ミナト。

「………よかった…。」

ミナトの言葉にクシナはひとまず安心します。
妻、息子をこんな目に遭わせ、九尾を復活させ、
今度は木ノ葉までも潰そうと企む仮面の男を
キッと睨みつけるミナト。

「ミナト…。あの男と九尾を今すぐ止めて…。
 木ノ葉へ…向かう気よ…。」

とクシナが告げますが、
やや考えたあとミナトは自宅へ飛雷神の術で戻ります。

「どうして……?」

というクシナに、ミナトは、

「いいから…、ナルトの側に…」

――と、クシナをナルトの横に寝かせます。
ナルトを抱き寄せるクシナ。
ミナトは拳を握り締め、クローゼットの方へ。

「ミナト…ありがとう……。
 …行ってらっしゃい」

その後姿をクシナは見守ります。

「…すぐに戻ってくるよ……。」

四代目火影の羽織を着て、
ミナトは再び仮面の男のもとへ向かうのです。

一方、サスケの子守をしている幼いイタチ。
胸がざわつくような何かの異様さを感じているようです。