483 『再びの姉弟

すみません。所用で遅くなりました。m(_ _)m
では今回の483話について――

.再びの師弟

カカシは途中、倒れているキバたちを発見します。
そしてサスケがいる方角を確認。すぐさま向かいます。

「サクラの奴…。
 綱手様から相当強い眠り薬の調合を教わってたな…。
 これじゃ当分起きないか…」

医療忍者として、サクラはこういった間接的な攻撃を得意としているなら、
これはシカマルの影縛りなどに匹敵する威力を発揮するでしょう。
サスケに対してはいとも簡単に――というわけにはいかないでしょうが、
これはサクラのサスケに対する戦法の一端ともとれなくもありません。
さて、そのサクラは、
木ノ葉を抜ける覚悟でサスケと一緒にいくことを言ったのですが――

「何も企んでなんかない…! サスケくんが木ノ葉から居なくなって……。
 私はあの時一緒に行かなかった事を、ずっと後悔してた!
 サスケくんの望み通りに動く。もう後悔したくない……。

サクラは本当は木ノ葉を根っこから裏切る気ではなかった。
いまの狂気のサスケを見て、
自分が寄り添うことで、彼を変えることができたのなら――
悲痛な願いと若干の希望がこの台詞には込められていたのかもしれません。
しかし、それはこともなげに一蹴されてしまうのです。

「なら…、それを証明してもらう…。
 こいつに止めを刺せ…。
 そうしたらお前を認めてやる…。」

木ノ葉を本当に裏切る気があるなら、
横たわり蹲る香燐に止めをさせというサスケ。
香燐は今までサスケの傍らにいた自らが組織した“鷹”のメンバー。
まるで使い捨ての駒のように言うサスケに、
サクラは戸惑いを隠せません。
今ここでサスケを倒せば香燐を殺す必要はない。
クナイを手にして迷いを見せるサクラの背後から
サスケが千鳥を伸ばしサクラを貫こうとします。
最初から、サクラの狙いをお見通しだった様子。

「…やめろ。サスケェ…。」

香燐の言葉で、はっとするサクラ。
しかし狙いすましていたサスケは攻撃の手を緩めません。
そこを割って入るように止める何者かの手。

「(本気の殺意…。)
 落ちたなサスケ。」

仲間をためらいもなく本当に殺そうとするサスケに、
カカシの眼も感情をこらえ切れません。怒りを宿しています。

「そんな重荷をお前が背負う事はないんだよ。
 …第七班の先生でありながら、
 お前達をバラバラにさせてしまったのは、
 オレの不甲斐なさだ。
 サクラ…、お前を安心させようと無責任な事を言った…。」

そして一人でサスケを倒そうと
重荷を背負い込んだサクラに優しく言うのです。
かつてこのような事態となる前に止めることができたのは
先生である自分をおいて他にいなかった――
自らをだらしない先生と自省してみせるカカシもまた、
第七班のみんなが共にあることを何より望んでいたのです。
しかしもう事態はそれを許してはくれない。

「サスケ…。
 オレは同じ事を何度も言うのは、あまり好きじゃない……。
 だがもう一度だけ言っておく…
 復讐に取りつかれるな!!

一縷の望みをかけて放たれた言葉も、
サスケには上辺も伝わらない様子。
――と、突如狂ったように笑い出すサスケ。

「…イタチを…、父を…母を…!
 一族をここへ連れて来い!!
 そしたらそんなもの止めてやる!!!」

イタチや父母だけでない。
一族が皆木ノ葉の犠牲となった。
その木ノ葉を恨んでも恨みきれないという様子のサスケ。
それでも手をかけたくない、というカカシに対して、

「オレをいつでも殺せるみたいな言い方だな!!
 いつまでも先生面すんじゃねーよ…。
 オレはアンタを殺したくて、ウズウズしてるぜ…カカシ。」

暁の飛段のような狂態と言動。
サスケでは考えられないような狂気に満ちています。
これが復讐に取り憑かれた“モノ”でしょうか?
者を物と思うような人に非ずの逆巻く狂気を前に、

「(………。…マダラに…ここまで……。)」

カカシは不意にマダラの存在が脳裏を掠めます。
サクラに香燐を助けるように命じると、

「お前の覚悟の重さはオレが受け取るよ。
 ま…これはオレの役目だ。」

バトンタッチとばかりにサスケへ戦意を向けます。

「…どんなに落ちても、
 大蛇丸がかわいいと思えてたんだな。
 三代目火影様がどんな気持ちだったか…、
 今になって分かるとはね…。」

かつて三代目が大蛇丸を憎み切れなかったように、
サスケのどこかにまだ帰ってこれる心があるのではないかと、
信じてしまう思いが、迷いが、カカシの中にあるのも事実。
でも――

「それなら…
 アンタは三代目の二の舞を演じる事になる。」

そのことがかつてどのような結果をもたらしたかは明白です。
カカシは――サスケを止めることができるでしょうか?