482 『もう一度…』

.もう一度…

目覚めたナルト。どこかの宿でヤマトといます。

「悪いけどサクラの事はカカシ先輩にまかせるんだ。いいね!」

カカシの行方を尋ね、自らも動こうとしますが、
ヤマトに木遁でとめられます。

「分かってる…。もう少し休んだら里に帰るってばよ。」

時が経ち、うとうととするヤマト。
眼前にはふとんにうずくまるナルト。
そろそろ行こうと声をかけるヤマトに、ナルトは渋ります。
しかし、このナルトはどうやら影分身のよう。
本体は押入れの傍の天井に開いた穴から、外へ出た模様。
この穴をヤマトに気づかれず開けるというのは流石に難しい
(普通に入り口のふすまか窓から外へ出る方が容易なはず)と思いますので、
もとから開いていた(?)ものと思われます。
仙人モードを使ってカカシの行方を追っているようです。


場面はかわって、サイがキバ・リー・サクラを止めに入ります。
忍法・超獣偽画によって墨の蛇を召還します。

「カカシ先生の言う事も分かるが、
 そう何度もサスケを野放しにできるかよ!
 オレがケリつけてやるぜ。」

強くでるキバ。しかし赤丸は消極的です。

「犬の方が賢いようだね。」

サイの挑発にのり、キバが突進。
乗じてリー、サクラもかかっていきます。
一瞬皆の注意がサクラからそれ、サイに向けられたこのとき、
サクラは眠り玉を落とします。
倒れるサイ・キバ・リー。

「やられました。急いでください!」

カカシとともにあったサイの墨分身も消えてしまいます。
事態はますます混迷していく様子。

「オレはこいつの眼を持っていく。
 サスケ…お前も焦らずアジトに帰って休め。
 瞳力の使いすぎだ…。いずれ強がってはいられなくなるぞ。
 ……光を失いかけてるその眼。
 …一人で木ノ葉へ行って何ができる?
 目的を達成させるためには我慢も必要だ。」

トビに叱責されるサスケ。

「サスケ…一つ忠告しておく。
 あの女…いらないならちゃんと止めを刺しておけ。
 我らの事を知りすぎている。」

ダンゾウを瞳力で吸い込んだトビは、サスケに言います。
香燐はダンゾウの裏四象封印の範囲外にいた(?)のでしょうか、
まだ生きてはいるようです。
しかしサスケの千鳥が深かったのか地面に蹲り動けません。

「我らだと…。オレがいつお前の仲間になった?」

と反抗的なサスケ。

「フッ…まあいい…。また会おう。」

そういってトビは姿を消します。

「ダンゾウめ………。
 死ぬ前に己でシスイの眼を…。」

姿を消した先は、
数多の写輪眼が水槽に入れられて飾られている薄気味悪いところ。
ダンゾウがもつシスイの眼を回収しようとしたようですが、
ダンゾウはすでに自分でその眼を潰していたようで、
回収が不可能な様子。


香燐の回想――
香燐はどうやら草隠れの忍だったようです。
舞台は木ノ葉でのあの中忍試験のとき。
仲間とはぐれてしまった香燐は大熊に襲われているようです。
そこを獅子連弾の体術を使って横から大熊を倒して、助けに入ったサスケ。
はずみでメガネを落としてしまった香燐はあわてて拾ってかけなおします。

「じゃあな。」

そういって口元が微笑むようなサスケ。
その昔のサスケの顔が今のおどろおどろしいサスケの狂気と重なります。

「(…もう一度……、…あの時の顔が見たかったなぁ…。)」

香燐のその純粋無垢な想いは、
結局は踏みにじられてしまうのです――。
香燐はサスケのことを恋い慕っていたようですが、
決してサスケが悪に染まっていく姿を見たかったわけではありませんでした。
いつもサスケの傍にいたかったのは、
いつか自分の方を振り返って微笑んでくれるのでは、
そういう淡い想いを寄せていたのです。
サスケはそれをものの見事に踏みにじろうとしているのです。

「サスケくん!!!」

香燐、絶体絶命かと思われたそのときサクラが駆けつけます。

「(昔と…まるで感じが違う…。
  これがサスケくん…?)」

狂気で歪んだサスケの様子に一瞬取り乱すサクラ。

「何しにオレの前に来た?」

その問にサクラは信じられない返答をするのです。

「サスケくん……!
 私もサスケくんについていく! 木ノ葉を抜ける!!」


そうやって近づくことでサスケの寝首をかくつもりでしょうか?
それとも本当にサスケと行動をともにし、全てを裏切るつもりでしょうか?
女心は秋の空――。
サクラの信念、それに従って生きようと思うもの、
本当に大切なものがサスケだけだったならば、
ナルトへの告白*1は、サクラの涙*2は何だったのでしょうか?
サクラの決心はいずれにしても頑なもののようですが…。