【天照・漆黒の炎(i)】*1では、
太陽の黒点は黒い炎を発しているわけでなく、
まわりの光球部分が黒点に比べ明るいために、このように見えると述べました。
このコントラスト差こそが結果的に黒点をつくりだす、というわけです。
一般に高温であるほど光り輝くので、その炎が七日七晩燃え続ける超高温ならば、
サスケの眼の前に現われた炎は漆黒でなく、光輝いて赤白色であると考えられます。
しかしそれが全くの黒であるというのなら、何らかの理由があるはずです。
これを推測とこじつけ(?!)を用いて説明させていただきたいと思います。


1.天照のフィルター(i)

黒とは人間の可視光領域にある光の全帯域が感得されない状態です。
【写輪眼対比10・写輪眼と白眼のチャクラ識別】*2において
三原色(赤、緑、青)の観念を持ち出しましたが、この3つの波長の光が、
どれも感知されていない状態であるわけです。
液晶テレビではバックライトという光源が、
複数の可視光を含む白色光を常に放っていますが、
これをカラーフィルターに通すことで色を再現しています。
黒を表現するのに、後ろのバックライトが消えるわけでなく、
遮光フィルターで三原色の可視光を遮断することで“黒”を表現しています。
この原理を仮に天照にも用いるとすれば、以下のような推測がたてられます。

図のように、高温域がこの謎のフィルターによって包まれていると考えます。
このフィルターは天照内部を漏れなくこのように保護しているものだとします。
高温域からは人間のとらえられる可視光も含まれていますが、
このフィルターは人間の可視光領域の光を全て吸収してしまいます。
外から見ると真っ黒く、まるで黒い炎があがっているように見えます。
【写輪眼対比10・写輪眼と白眼のチャクラ識別】(*2)において、
写輪眼がチャクラ特有の微弱な透過光を、色を認識するように知覚するという
お話をさせていただきましたが、おそらくこれは写輪眼を通しても
黒く見えるものと思われます。
つまりチャクラではないか、あるいはチャクラが変質したもので、
写輪眼のとらえるチャクラ特有の光は発しないと考えられるのです。
このフィルターは光に対してのみこのように阻害的に働き(電磁波の一部は通すかもしれない)、
何らかの物体を阻害作用を示さず透過させることを許しますが、
このフィルターはこの透過に伴って崩れてしまうことはありません。
例えばサスケの豪火球を呑み込んだ例をあげれば、
フィルターの外側では火の性質変化を起こしたチャクラが赤々としてますが、
内側に入ってしまうと漆黒に見える――
すなわち炎が炎を喰らい尽くすように見えたのはこのためだと考えられます。

3.天照のフィルター(ii)

このフィルターは外部の物体に対して透過性を示すように、
内部が変化すると、それに伴って変化すると考えられます。
つまり炎のようにゆらゆらと振舞うことができるわけです。
しかしこのフィルターはどうして生み出されたのでしょう?
ナルトの世界にはこれを解決する鍵が二つあります。
一つは空間や次元間の転移、もう一つは性質変化です。
ここで『チャクラを練る』とは
身体的エネルギー、精神的エネルギーを練り上げることですが、
それはすなわちチャクラのエネルギー密度を高めることそのものです。
天照の炎はあまりの高熱さゆえ、エネルギー密度も非常に高いため
それ自身が自然とチャクラを練った状態だと考えられます。
つまり空間転移の際に自身がなんらかの特殊な性質変化を起こしてしまった、といえます。
あるいは非常に高温かつ大きなエネルギーをもつことから、
性質変化を起こさないと空間の転移が行えないとも考えられます。
それがこのような特殊なフィルターを
外部に生じさせる結果となったのではないでしょうか。