ナルトの世界において写輪眼が精神的な作用を及ぼすのは、
幻術という存在があるためです。
しかし写輪眼が物理的な作用を及ぼせるのは何故でしょうか?
特にカカシの左眼の万華鏡写輪眼を用いた空間転移攻撃、
イタチの右眼の万華鏡写輪眼を用いた天照を比較対象として考えます。

1.空間への作用

カカシの万華鏡写輪眼とイタチの天照が似ているのは、
どちらも実世界上に実際に働きかけることができる点です。
イタチは空間上に漆黒の炎を呼び寄せましたが、
カカシは特定の空間を消し飛ばしました。
これらはカカシがカット(切り取り)、イタチがペースト(貼り付け)
の作用を万華鏡写輪眼を通じて空間に及ぼしていると考えられます。
(消し飛ばした空間は、一時真空となるがまわりによってすぐに充填されると思われる。)
カカシが空間を消し飛ばす描写、
イタチが漆黒の炎を召喚する描写は次のように酷似しています。
(相変わらず即興の絵で見苦しいですが、申し訳ありません。)


<カカシ>
<イタチ>

2.万華鏡写輪眼の物理作用

写輪眼は光やチャクラを捉える機関としてだけでなく、
幻術の発信源(おそらくはチャクラの波動)としても働くと考えられます。
ですから万華鏡写輪眼術・月読ではこの眼を見るだけで、
錯覚によってあたかも別の世界に入り込んだような体験をするわけです。
しかし、これはあくまでも強力な幻術で精神世界に作用を及ぼすに過ぎず、
実際に術者が存在する実世界の何かを作り変えたりする作用はありません。
では天照やカカシの万華鏡のように、実世界に効力を及ぼすという仕組みは
いったいどのようになっているのでしょうか?
【時空間忍術1・仕組みについての推論】*1において
口寄せの術をチャクラエネルギーを利用した次元間相転移によって、
二次元⇔三次元間を行き来したり、
亜空間を展開して、そのトンネルを通じて実世界を移動させるとしました。
逆に言えばこのような次元操作を万華鏡写輪眼が行えるとすればどうでしょう?
通常の写輪眼では当然できない複雑なチャクラ反応を扱えるようになり、
このように亜空間を展開して実世界に間接的な干渉を及ぼせるように
進化したのが万華鏡写輪眼だと考えられます。
このように説明した場合、カカシの万華鏡写輪眼は逆口寄せです。
カカシは対象とした空間(≒結界空間と思われる)を
この亜空間トンネルに強制的に送り込むことで、消し飛ばすことができます。
この空間はおそらく亜空間にとどまり続けることは許されず、
どこでもドア状態にランダムに別の場所へ移動すると考えられます(*1)。
イタチの場合はこの働きに加え、
チャクラなどの作用によって亜空間にとどめておいた漆黒の炎を
血の涙を流して空間上に口寄せした術だと考えられます。
紋は特に描かれていませんが、紋に似た出口、歪みなどが生じていると考えられます。

3.左眼と右眼、月読と天照

万華鏡写輪眼は個人間によって紋様が違い、
術によっては瞳孔の変化はあるものの、
個人特有の万華鏡写輪眼の模様はあまり崩れていません。
また実世界への干渉はイタチが右眼を主体に、
カカシが左眼を主体にしていることから、
左眼でカットした空間を右眼でペーストするような働きがあるか、
(消失)\rightarrow(出現)
もしくは個人間で差異が生ずるのかもしれません。


イタチの紋様の変化を以下のように追ってみると、
月読の紋様から天照の紋様へは一段階変化しています。
\rightarrow\rightarrow\rightarrow,\rightarrow
このことから同じ万華鏡写輪眼の術でも月読と天照ではレベルが違い、
また術が実世界に直接作用を及ぼすことからも
天照の方が月読よりも上の術であると言えるかもしれません。