今回の焦点はカカシの万華鏡写輪眼会得について。
カカシはどうやって会得したのでしょうか?

1.コピーした場合

「だが…アナタの体はその眼に合う血族の体では無い。」

というイタチの言葉通り、
うちはの血族でないという見方が濃厚なので、
カカシが実はうちは一族であるという
万に一つの可能性を除外して考えます。
このとき、カカシが万華鏡写輪眼を会得したであろうという機会、
正確にはコピー忍者カカシとして
コピーできたかもしれない機会が一回だけあります。
それは木の葉崩しの後、イタチと鬼鮫が木の葉の里に急襲したとき、
16巻143話「四代目の遺産」〜144話「追跡者」にて、イタチと対峙した場面。

「写輪眼の…血族の本当の力を見せてあげましょう!」

そう言ってイタチは万華鏡写輪眼を発動(詳細はないがおそらくそうと思われる)
カカシを「月読」の術に陥れます。この術の発動に際して、
カカシは紅とアスマ二人の目を閉じさせます。
つまりカカシはこの術がどんな術で、どんな影響を及ぼすのか知っているわけですが、
敢えて写輪眼を見開いてイタチを凝視しています。

この瞬間にコピーしたと考えることができるでしょう。

しかし完全にコピーするには至らなかった。
当然、万華鏡写輪眼の巴の変化、【月読】の発動と、
写輪眼でしっかり見切っていたはずです。

(25巻223話「サスケと父」)
という変化を見ていたはずです。
しかし、カカシの巴の変化は31巻276話「新しい写輪眼」の通り、

と考えられ巴の動き方も違えば、
万華鏡写輪眼の模様も全く異なるものです。

このことから、あくまで万華鏡写輪眼がコピーによる会得だとするなら、
あの機会に完全にコピーしきれたわけではなく、
万華鏡写輪眼が巴の動きによって形作られるという原理をコピーした
と考えられます。
つまり、その原理を得てから自分で精進を重ね、
遂には2年強ほどで万華鏡写輪眼の術をかじる程度に使えるようになった、
カカシの半オリジナルの術として昇華していったのではないかと考えられます。そうであるとしたなら、

「フフ…ま、でも何だ。オレだってまだまだ若いからな。
 こないだも…あるスゴ〜〜い新術を開発したんだが、それが……」

という台詞にも繋がってくると考えることができます。

2.友の死

しかし忘れてはならないのはイタチの次の言葉です。

「お前も万華鏡写輪眼を開眼しうる者だ。
 ただしそれには条件がある。
 最も親しい友を殺すことだ。」

万華鏡写輪眼の開眼方法について、イタチはこのように述べています。
万華鏡写輪眼はうちはの歴史の中でも開眼した者は
極めて少なく、父フガクの話によれば、
ある特別な状況下でのみ開眼したと言っています。
つまりイタチの言う条件以外にも、
特別な状況下となれば開眼しうる可能性も考えられないでもないわけです。
最も親しい友を殺すこと――イタチはシスイを殺すことで、
その万華鏡写輪眼を手に入れたとされています。
ところが、写輪眼をオビトより譲り渡されて以来、
仲間を見捨てることは規則を守らない以下のクズである
という意識が働いているので、
その条件をカカシが実行することはほぼないでしょう。
――となればコピーの可能性を除くと、開眼するとすれば、
別の開眼を促す特殊な状況が存在しなければなりません。
さて、その特殊な状況について、
多くの人も考えたであろう親しい友の死です。
イタチの条件にもある程度適い、
カカシもオビトが亡くなる(正確には岩に埋もれていく)姿を見ているからです。
このときすでに開眼の条件は満たされていましたが、
開眼できなかったのはカカシがまだ写輪眼を受け取ったばかりで、
万華鏡写輪眼へと発展するほどに写輪眼が育っていなかったからだと考えられます。
ところが、イタチの万華鏡写輪眼と対峙した際に、
それがカギ刺激的な要素となって、カカシも突然、
万華鏡写輪眼らしきものを使えるようになった。
そして、鍛錬の後にある程度その術を使えるようになったのかもしれません。