507 『偽りの存在』

大変遅れて申し訳ありません。m(_ _)m
ここ最近忙しくて、
昨日さっぱりナルトの記事を書くの忘れてました…。

今回は鬼鮫の過去の一端にも触れることができて、
興味深い回だっただけに、
リアルタイムに感想をあげられなかったのは面目ないです。

1.偽りの存在(1)

水遁・大鮫弾の術と昼虎が激突します。
この大鮫弾は相手の術のチャクラを吸収し、
さらに大きな力となって相手を攻撃する様子。
つまり相手の術のチャクラが強ければ強いほど、
大鮫弾も強力になるのです。

「(奴の術は収縮したのに、大鮫弾が大きくならない…!?
  チャクラを吸収したはず!
  …これはチャクラの気弾ではないのか!?)」

しかし、昼虎と対決した大鮫は一向に大きくなる気配を見せません。

「吠えろ!! 青春!!」

ガイの掛け声とともに、
昼虎は鮫を食い破り、鬼鮫へと直撃します。
鬼鮫によれば、昼虎はチャクラエネルギーによるものではないようです。
大気が音速以上で振動すると衝撃波となりますが、
これに近いものでしょうか。

「昼虎はチャクラ主体の忍術ではなく体術なのだよ!
 ただの正拳…ただし速すぎる正拳だ!
 相手に向かって一点に集中していく空圧正拳。
 正拳は圧縮後一気に拡散する!」

しかし八門のうち驚門まで開放したガイは、
その拳の振りぬきで、
このような凄まじい衝撃波を起こさせるほどなのです。

「そしてオレを覆うオーラは
 チャクラではない…。
 …八門の第七門驚門を開いた者は体から碧い汗をかく!
 それが己の熱気で蒸発したものだ!」

さらにガイを碧いオーラが包み込んでいますが、
これはチャクラではなく、
蒸発する碧い汗(!?)のようです。
チャクラと熱が反応すると碧く光るのでしょうか。

「どうりで気弾と思っていたものが、
 小さくなって見えたはずだ。
 アナタとはこれで三度目ですが、
 ……まだこんなものを隠し持ってたとはね…。
 まぁ…アナタは私の事など覚えていないようですが…。」

ガイを認めつつも、
絶体絶命の状況の中で隙を窺い、
水遁を発動させようとする鬼鮫
しかし、ガイはその一瞬を見逃しませんでした。

「動くなと言ったハズだ。」

鬼鮫を完全に気絶させます。

「うまくいけば、これで”暁”の作戦や情報…
 敵のリーダーの正体が索敵できます。
 いのいちさんほどではありませんが、
 情報を抜き取ってみます!」

アオバは拘束した鬼鮫から、
いのの父親いのいちがやってのけるように、
相手の脳から情報を直接引き出そうとします。

2.偽りの存在(2)

若き頃の鬼鮫
まだ霧隠れの里を抜けていないときの様子。

「干柿さん。こっちへ来て一緒に食事しませんか?」

同僚の女性の忍が、皆と一緒に食事をしないかと声をかけますが、

「私に親しくしないで下さい…。」

と言って鬼鮫は断ります。
そのとき急に起爆札のついたクナイが鬼鮫の方へ飛んできます。
森乃イビキら木ノ葉の忍たちに包囲されていたようです。

「いいか鬼鮫。…そいつらを守り暗号伝達を守れ…。
 ただし…、敵の手に暗号部の忍を渡してはならん!
 どんな事があっても、
 暗号を死守する事がお前の任務だ。」

鬼鮫はどうやら上司から、
秘密裏に依頼を受けていた様子。

「それがどういう事だか分かるな?」

上司の期待に応えるように、その危機的状況の中で、
暗号を守るため同僚を躊躇なく殺します。

「情報は命より重い時がある。アナタなら分かるでしょ。
 敵にこちらの暗号を渡すわけにはいきませんよ。
 こいつらはすぐに口を割る。」

相手を森乃イビキだと心得ての、
“仲間殺し”という苛烈な任務。
なんとかその場をしのぎきった鬼鮫は、
なんと鮫肌の持ち主である上司をも殺害します。
――四代目水影の指令を受けて。

「ご苦労だったな鬼鮫……。
 部下のお前には油断するとふんだが、
 ……まさにその通りだったな。
 そいつは敵と内通していた……。
 …今からお前が大刀”鮫肌”の持ち主だ。
 そして、これからオレの部下だ。」

と姿を現したのは四代目水影・やぐら。
なんと鬼鮫の元上司は敵(木ノ葉)と内通していたようで、
しかもその任務に部下である鬼鮫をつけるということは、
鬼鮫の能力を見くびっていたのでしょうか。
仲間殺しをしてまで、暗号を守りはしない――と思っていた?
結局これは木ノ葉の拷問部隊に暗号班を引き渡す
茶番劇でしかなかったと受け取れるだけに、…しかじか。

「お前のような奴だから信用できる。
 国や里の為に、汚い任務をすっとこなし、
 裏切りの任務を遂行してきたお前だからこそだ…。
 お前はこの世が偽りでしかないと知っている。」

四代目やぐらの言に頷く鬼鮫

「…そんな事は、仲間を最初に殺った時から
 分かっていますよ…。
 霧の忍でありながら霧の忍を殺す……。
 自分は一体何者なのか? 敵なのか味方なのか?
 私の目的は? 立ち位置は?
 私はどこへ行こうとし、
 どこへ行けば落ち着けるのか…!?」

里のために、汚れ役として染まっていくうちに、
自分が何者であるか、本当にこのようなことをしたいのか、
今でも迷っているという鬼鮫の気持ちが、
かすかに表れている台詞です。
否、迷っているというよりは、
割り切れないでいる――と表現する方が正しいでしょうか。
一緒に食事に誘ってくれた同僚に、
親しくしないでほしい、と語りかけた鬼鮫の言葉端には、
そう言ってくれた同僚をやんわり気遣って断りながらも、
しかして、孤独という殻に閉じこもり、
非情な任務にその身を捧げ続ける鬼鮫の気丈さの中に、
淋しさのようなものも感じ取れなくもないでしょう。

「オレが偽りの苦しみからお前を解放してやろう。
 お前の居場所を造ってやる」

四代目水影の後ろにかすかに気配が。

「誰です?」

鬼鮫は身構えます。

「まずはこの国より始める。
 今までは仲間を処理するため動いてきたんだ……。
 これからはオレの仲間として動け。」

人影。その写輪眼が光ります。

「…そういう事ですか……。
 私が四代目水影だと思っていた人物とは……アナタだった…。
 その写輪眼で四代目を操っていたとは…」

成り行きを理解した鬼鮫
四代目水影は操られていたのだ、と。

「やはりこの世は偽りばかりだ…」

半ば悟ったように呟く鬼鮫

「しかし…、
 あの三尾の人柱力の四代目を操る瞳力とは…。
 一体何者なんですアナタ…?」

その問いかけに、
うちはマダラと名乗るその人物。

「いいだろう。…信用するかしないかはお前が選べ。」

姿を見なければ信用できない、
鬼鮫の要望に応じるように、
鬼鮫に姿を見せようとしたところで、
急に記憶が遮断されます。

「それこそ偽りのない世界だ。」

月の眼計画に賛同する鬼鮫
嘘にまみれた世界。
何が正しくて、何が自分のすべきことか分からない世界。
だからこそ、月の眼計画に鬼鮫は、
感銘を受けてしまったのでしょう。

「(私もそこへ行ってみたかった…。)」

自分の舌を噛み、混濁とした意識を回復させると、
木遁の拘束具を打ち破って、鬼鮫は再び動き出すのです。