506 『ガイ VS 鬼鮫

1.ガイVS鬼鮫(1)

真実の姿ではない――
いまいち事態が飲み込めてないガイ。

「よく見て下さい!!
 どう見ても違うでしょ!」

とアオバ。

「目を開けた時点で真実の滝から出てしまうんだ!」

と続けざまにモトイも言います。
この台詞は少し文章事態の意味がずれているような感じもしますが、
伝えたいことはおそらく、
“目を開けると真実の滝における自分の精神世界から出てしまう”
という意味であると思われます。
さてさて、久しぶりの好敵手(?)との対面。
鬼鮫はピンときているようですが、
相変わらずガイの方は失念中。
鬼鮫を見てフグだといいます。
アオバもそれにつられて、

「この辺一帯は珍しい生き物が多いですからね。
 …ってフグですか、アレ?
 ……食べるとおいしいんですよね!」

――と悪ノリ(?)

「無理矢理間違えてんのかアンタ達は!!?」

と呆れるモトイの反応は当然でしょう。
アオバも汗が出てるから、
ガイの天然さをフォローする意味で、
必死でとぼけて見せたんでしょうね。
これが本気というなら、木ノ葉の忍の末路は恐ろしいものです…

「そいつはスパイの“暁”!
 逃がせば情報が漏れて赤恥!!」

ビーから鬼鮫が暁であることが明かされます。
ビーの気配に気づいたか、鮫肌が主人である鬼鮫から離れ、
ビーのもとへと向かいます。
ビーは鮫肌に相当気に入られているようです。

「ハハハ…コラコラ!
 じゃれ方が乱暴♪
 好かれるのがオレ様の人望♪」

なんていいつつ、自分のチャクラを鮫肌に与えるビー。
その吸収したチャクラを柄側からしたたかに得る鬼鮫
もちろん周囲はその状況に気づいています。

「強い人ってのはなんでこう鈍感なんですかね。ったく!」

とアオバもため息。
秘術石針を使って、鬼鮫から情報を得ようとしますが、
逆にそれが仇となってチャクラを吸収されてしまいます。
アオバといえば烏の大群を使った術を、
飛段、角都戦で見ましたが
このような術体系ももっていたようですね。
一転ピンチとなったところに、ガイの木ノ葉旋風が炸裂。
強烈な回し蹴りですが、鬼鮫も隙をぬって水遁・水鮫弾の術を仕掛けます。
それが陽動となり、鬼鮫はすかさず逃げます。
島の結界を抜けてしまえばモトイの感知も及ばない。
一刻も早く止めなければ!

「オレが止める!!」

頭は覚えていなくても、体が覚えているのか(?)、
なんとガイがいきなりやる気全開!
八門遁甲、第六景門を開けます。
そのただならぬ闘気(?)に森の動物達も何かを感じとった様子。

「オレの八尾の腕に掴まれ珍獣♪
 ぶんなげてやる! 方向は十時♪」

――と援護をかって出るビー。しかし(汗)、

「韻を踏むためにいいかげんな事を言うな!
 方向は二時の方向!」

としっかりモトイに突っ込まれます(笑)。
南北方向はあっていても東西逆ですね。

2.ガイVS鬼鮫(2)

力のコントロールができていないナルト。
足を挫いてしまって、ヤマトに添え木をしてもらっています。
九尾チャクラによって超速再生とかできなくもないでしょうが、
コントロールがままならない以上、
そんな器用なこともできないのでしょう。
ビーの助けを借りて、上空を弾丸の如く突き進むガイ。
しかし距離を稼ぐために、忍亀を口寄せ踏み台にします。
一方で口寄せの術によって鮫を呼び出した鬼鮫
情報の巻物をその口に忍びこませますが、
ガイによって待ったがかかります。
迎え撃つ鬼鮫の水遁・千食鮫。
埒が開かないと考えたガイは大技・朝孔雀の衝撃波で
すべての水鮫弾を片付けます。

「(巻物は!?
  多すぎるか…しかたない…。
  さらに広範囲をやるしかない!!)」

しかし朝孔雀では全てを潰すことはできないと判断。
ガイは八門遁甲・第七驚門を開放します。

「正拳のあまりの速さに空気摩擦で炎を宿し、
 空気をたたく衝撃波と炎で相手を破壊する体術!
 まさに珍獣……。これほど体術の強い忍は珍しい!
 私は三度目ですが。」

鬼鮫も舌を巻くガイの究極体術・朝孔雀。


ところで少し話題がそれます。
ナルトの世界では火遁、水遁、雷遁、風遁など擬似的に
自然と似た現象を起こすことができますが、
サスケが使った麒麟の説明にもあったように、
自然現象によるそれらはチャクラによるものとは格別と思われます。
さてガイの朝孔雀による炎ですが、
衝撃波はまだしも水場で湿気た空気では炎は起きにくいです。
そもそも炎とは物質の酸化によって生じる激しい熱エネルギーによって、
電離した状態が保たれている状態が生じること、
いわばプラズマということはwikiにあります(汗)。
湿気ることで物質分子と酸素分子とのやりとりに加えて、
水分子と酸素分子のやりとりが介入しやすくなり、
熱エネルギーが生じにくくなるわけです。
朝孔雀の解説では、空気摩擦による凄まじい熱エネルギーによって、
空気それ自体をプラズマ化させていると考えられますが、
それはもうとてつもなく膨大な熱エネルギーが必要です。
(プラズマ物理に全く詳しくないので、あくまで私のイメージです。
 いずれ時間があれば、【忍術について】のコラムで、
 具体的な計算等をしてみたいかも…
 ちなみに空気に1イオン対を生じさせる(電離させる)のに
 必要なエネルギーは34[eV]
 1[eV]はおよそ1万度と言われていますので、
 単純計算では34万度を達成する熱エネルギーが必要です。)
衝撃波を生じる速度(つまり音速以上)で拳を振り続けた場合、
(それでも一塊の空気をプラズマ化させるには厳しい熱量)
先にガイの手や腕の皮脂などが凄まじい空気との衝突で酸化を受け続け、
炎に包まれるはずです。この皮脂を体幹に燃え移らないように、
うまく飛ばし続けているのであのように炎の弾が幾重にも連なる、
という自然発生的な炎という解釈が一つ。
忍術が得意でないガイが中途半端に体術中に火遁を組み込んでいる、
というのがもう一つの私なりの解釈です。
いずれにしてもチャクラというエネルギー源があってこその話ですが…

「確かに珍獣かもしれんな。……オレは碧い猛獣!
 この次の体術はさっきのとは比べものにならぬ一撃必殺の拳!!
 めったに見れるものではない……。」

さて話を戻して、その朝孔雀すら超える体術を放つというから驚きです。
ガイから放たれる碧いチャクラが、
水を押し退けていく様子に鬼鮫も警戒。
その技の名前は昼虎<ひるどら>。
ガイを包む大気が虎の威嚇のように振動します。
鬼鮫も周囲の大量の水を使って水遁・大鮫弾の術で対抗します。