1.暗号の答え



(P31) 【本当に愛してる――】

(P8) 【物々交換と同じだ、それでも君――】

(P106)【葉が邪魔だな…もう君という――】

(P7) 【意外に大きいのね、アナタのそ――】

(P207)【無理そんなの…それじゃ 私の――】

(P15) 【椅子がギシギシと音を立て、――】


したがって本物葉意無椅(=本物はいない)となるのですが、
それだけでは、ペインの正体を掴んだ自来也のメッセージとしては物足りない気もします。

自来也様がギリギリで残されたことを考えると、
 それほど複雑な暗号ではないと思うがね。」

――(*)

と暗号解読班の真っ当な見解もありますが、
それ以上の何かが秘められている可能性が高いという根拠もあります。
自来也は予言の通り、世界各地を本を書きながら旅をしていたわけですが、
ペインの一人が以前会ったことのある風魔一族の男だと分かって、
ペインの正体を探ろうと蛙の中の異空間から外に出ます。
そして、ペイン全てが自来也の会ったことのある忍だったことが分かったわけですが、

「そうか…分かったぞ! ペインの正体!!」

走馬灯のように駆け巡る長門たちとの思い出の中で、
自来也は確かに何かを掴んだようです。
それは『本物はいない』というような曖昧なものではなく、
何か核心めいた決定的なもの――そんな様子です。
自来也の伝えたかったことはこれだけでしょうか?

2.痛みで世界を導くよりも…

自来也は本、物、葉、意、無、椅の暗号を、
そのページの冒頭の文章を熟知していたからこそ、
ページ数という形で残したわけですが、
逆に言えば、それだけ熟知しているのなら、
他のページも熟知していたわけで、当然、「は、い、な、い」などは
他のページにある冒頭文でも代用できたはずです。
(*)の台詞にもある通り、時間がなかったから思いつくままに書いた可能性もありますが、
ここではあえてそのページ数でなければならなかった、
つまりそのページ“数”に意味があるというとらえ方をしてみましょう。
数字はページを知らせていますが、役割はそれにとどまらないとして、
二重鍵になっている場合を考えると面白いことが分かります。
ページ数を次のように分割して足し算します。
そして得られた数X[個]めの文字をとります。


3+1=4 ⇒愛
8 ⇒だ
1+0+6=7 ⇒…
7 ⇒の
2+0+7=9 ⇒れ
1+5=6 ⇒ギ

これらを適当に並び替えると、

(だれ)の偽(ギ)愛…

となります。

「…痛みで世界を導くより、痛みを乗り越えたお前の力で
 それを成し遂げて欲しかった。」

世界を壊滅させるような“痛み”で平和を導こうとするペイン。
偶然かもしれないとはいえ、痛烈な批判がそこに込められている気がします。