前回の考察で誤りが…、那須は栃木県です。
申し訳ありません。

尾獣考察の続き。
今回からは多少、尾の数と獣の関連がつながります。

7.七尾(貉?)〈未登場〉

人柱力:不明
能力:不明

貉(狢)〈むじなorかく〉は、アナグマのことを主にさし、地方によってはハクビシンだったり狸だったりします。
狸のように人を化かすことに長けており、
良く知られる格言の『同じ穴のムジナ』とは、
一見違うようでいて実は同類に他ならない、というあまりよくない意味で使われます。
“七尾の狢”は多少別格なようで、年を経た狢が妖怪化したようなものです。
『怪異・妖怪伝承データベース』によれば、江戸の蕎麦屋で縁の下に貯蔵している下地に使う出し殻が
消えることが何回かあり、調べてみたところ七つの尾を持った狢を捕まえたという話。
ただ、『尾獣』として扱われるほど、そんなに凄そうな妖怪ではなさそうです。
何せあっさり捕まってますので。
ただ『狢』自体は先にも述べたように化けるのが上手いことで知られ、小泉八雲の怪談にもでてきますし、
いたずら好きの動物、あるいは妖怪として扱われることが多いです。
到底、尾獣扱いされる妖怪ではないと思いますが、
なぜか一尾に狸の〈守鶴〉が選ばれていますので、七尾は貉関連で有名な〈団三郎〉であったりするかも。
渋い名前です。
ちなみに、この団三郎は狐との化かし勝負で、殿様行列に化けるふりをして、
本物の殿様行列とすり替わり、狐に大目玉を食らわしたことで有名です。
もしかしたら九尾(=狐)よりも狡猾という意味で頭が良いかもしれません。

8.八尾(八岐大蛇?)〈未登場〉(後に暴れ牛だと判明

人柱力:不明
能力:不明

高天原を追放されたスサノオは、8人の娘を持つアシナヅチテナヅチの夫婦に会うが、
ヤマタノオロチという怪物の生贄として毎年娘を一人ずつ生贄にし、
とうとう末娘のクシナダヒメまで捧げなければならなくなったことを知り、
クシナダヒメを妻とするかわりにヤマタノオロチを倒すことを約束。
酒でオロチを酔わせ、寝込んだ隙に十拳剣〈とつかのつるぎ〉を抜いてオロチを切り刻むと、
大刀が中からでてきて、これをアマテラスに献上した。
これが、天叢雲剣〈あめのむらくものつるぎ〉または草薙の剣として知られる。…

というわけで、八尾は
誰しもが予想している通り、八頭八尾の怪物、ヤマタノオロチであることは間違いないでしょう。
作中にはすでにヤマタノオロチに関わりのある人物名である、クシナ(=クシナダ姫)など登場していて、
作者である岸本先生も引っ張っているあたり、今後重要な存在として出てきそうです。

9.九尾(妖狐)

人柱力:うずまきナルト
能力:詳細不明

有名な話は白面金毛九尾の狐によるもの。
殷の紂王を妲己〈だっき〉に扮して惑わし、インドで華陽夫人として、
最後に日本で玉藻前として登場。正体が露わになった九尾の狐は、現栃木の那須
鳥羽上皇の大軍と戦い退治され、殺生石となった。

――というのが出典のあらすじですが、ほとんどの漫画やゲームといったものでは、
最強やそれに準ずる強さをもった妖怪・怪獣として描かれることが多いです。
ナルトもその一つにあたるでしょうか。
波風ミナトに陰と陽のチャクラに分割され、陰を屍鬼封尽されていることから、
多少弱体化していると思われますが、チャクラが漏れ出して妖狐をかたどった四本尾のナルトは、
まだまだ九本とはほど遠い半分以下の力ながら大蛇丸と互角かあるいはそれ以上の力を見せていました。
尾の本数が少ない尾獣と比べて格や桁が違うのは、想像の通り。
ミナトやマダラがこれ以上の忍びだとすると…