尾獣の考察の続きです。
今回は四尾〜六尾まで。今回の四〜六に関しては尾獣の噂は非常に怪しい。
ちなみに尾獣伝説が日本神話からというのも、極めてアヤシイ。
日本神話というより日本昔話からの方ならまだわかりますが。

九尾の妖狐はそもそも中国で禍をなし、日本には白面金毛九尾の狐玉藻前として登場します。
才色兼備な美女に化けましたが、鳥羽上皇が病死したことで宮中を追われ、終に正体をあらわし、
今の栃木、上野の那須で大軍と激突、敗れ殺生石となったのは有名な話です。
しかし、これは西暦1130年頃の話とされており、
あまりにも日本誕生の頃をモチーフとする日本神話から離れすぎてます。

参照は WIKI&怪異・妖怪伝承データベース&神魔精妖名辞典 です。

4.四尾(鼠蛟?)〈未登場〉

人柱力:初老の男
能力:熔遁

爬虫類のような、半分鶏、半分蛇のような外見をしており、
富士山の近くに息を潜めているとされる怪物。
毒を操るのに長けており、その毒は猛毒で非常に危険と言われているのが鼠蛟〈そこう〉。
ところで、この鼠蛟という怪物。検索してもなかなかその説明が載っていなく、
あまり有名ではない怪物だという気がします。
ただ中国語のサイトでは、詳しく説明が載っており、
もしかすると中国の怪物が日本に帰化したようなものではないかという噂もあります。
(富士山、とはありますけど。後付かもしれません。)
他にも四尾に該当しそうなものを検索していましたところ、
山梨の四尾連湖〈しびれこ〉には尾崎竜王という四つの尾を持った竜神がいるそうです。
龍神は水神の一種でして、雨や雷雲を自在に操ります。
鼠蛟の蛟、つまり蛟〈みずち〉もそのような扱いをされる水蛇みたいな聖獣らしいです。
僕はどちらかというと、
四尾は鼠蛟というよりは、こういった竜や水蛇系のような気がします。

ナルト世界では未登場です。
初老の男はその人柱力で“熔遁”という術を扱うらしいですが、
その術がどんな術なのか不明のまま、鬼鮫に軽く倒されていました。

5.五尾(彭侯?)〈未登場〉

人柱力:不明
能力:不明

彭侯は樹齢1000年ともなる老木にすみつく犬のような妖怪で、木の精ともいわれています。
ただ元を辿ればこれも中国の妖怪で、そもそも尾はありません。
というわけでこれもアヤシイ。
同じく中国の怪物で猙〈そう〉というのがいます。
これは、豹のような姿をした獣で、体は赤く、五つの尾と一つの角を持ち、
石をかちあわせたような声で鳴くそうですが(出典『神魔精妖名辞典』)
こちらの方が五尾にはふさわしい気がします。
日本の妖怪で他に五つの尾を持ったものを探しましたが、特に見当たりませんでした。

6.六尾(雷獣?)〈未登場〉

人柱力:不明
能力:不明

四,五とは違って雷獣は結構有名な妖怪です。
落雷とともに現われる鼬のような怪獣で、
一説には鵺〈ヌエ〉(猿のような顔と狸のような胴、虎のような手足、
蛇のような長い尻尾をもち、「ヒョーヒョー」と鵺=トラツグミのように鳴く怪獣)
と同一ではないかとされています。ただ雷獣の場合、目の大きさは犬くらい、灰色で頭は長く、
尾は狐のようで、爪は鷲に似ていた。(出典:『怪異・妖怪伝承データベース』)
とあるように少しだけ特徴が違います。
残念ながら雷獣も尾をそんなにたくさん持っていません。
中国には (奇鳥 余鳥)〈キヨ〉という烏に似た三つ頭をもち、六本の尾をもつ怪鳥がいますが、
こちらの方が六尾という条件に当てはまります。(出典『神魔精妖名辞典』)
残念ながら尾が6つの日本の妖怪も見当たりませんでした。