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前回に引き続き、今回もひたすら計算です。
苦手な方にはほんとに申し訳ありません。
これを乗り越えれば、回転に関する力の意味づけができます。
1.角速度の導入
さて、前回
(1,4)
という式を導きました。これは位置ベクトルの角度に関する微分です。ここで、角度とは図のように回転軸と切断面αとの交点Nを基準とした角度です。
角速度が一定で大きさを、
そのベクトルを回転の向きに右ネジを回す方向にとります。
したがって角度は時刻の関数として、
また回転軸の単位ベクトルと角速度ベクトルは平行ですから
、、式より、
2.慣性系と回転系
図のように回転軸を表す角速度ベクトルが原点を通るように直交座標を定め、
軸方向への単位ベクトルをそれぞれとすると、
座標上にある質点Pの位置ベクトルは、
のように表されます。
いま、観測者がこの回転している系の外から観測した場合(慣性系)と、
この回転と同じようにある場合(回転系)、
慣性系、回転系を考えます。
速度、加速度は位置の一回微分と二回微分ですから、それぞれ次のようになります。
- 回転系の速度
回転系では観測者にとってあたかも位置は止まっているようにみえます。
したがって、
となります。ここで、
よって回転系の速度は、
- 慣性系の速度
慣性系では式に倣って、についても、
ですから、式から、
- 回転系の加速度
- 慣性系の加速度
式、角速度が一定であることを用いて