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今回は少し物理っぽいお話をします。
ナルトが多重影分身の分身体を掴んで回転させて勢いをつけて敵にぶつけるシーンがありますが、
この系において、ナルトの分身にどのような力が働くか見てみましょう。
今回はその前座となる微小回転のお話です。
知っている人にとっては有名なお話ですが、
知らない人にはちょっとした頭の体操になるので
考えながら読んでみていただければと思います。
.微小回転
点O、点Nを通る回転軸を右ネジを回す向きに回転する物体のある瞬間において、
点Nを中心とする平面を切断面αとし、その最も外側にある(外周)点をPとし、
微小時間後、点Pの微小移動後の点をQとします。
また、点QからNPに下ろした垂線の足を点Rとし、∠QNP=とします。
これもまたよく見かける図ですが、図にすると以下のようになります。
これらの関係を用いては次のように書けます。
ここでの単位ベクトルを、
をと表し、長さを、
をと表し、長さをとします。
- 【1】
をONの長さ倍してやればいいことになります。
回転軸は切断面αに対して垂直であるので、
内積の関係により、
ですから、
となります。
- 【2】
切断面αの円の半径は図よりで、
ですから、
したがって、
- 【3】
外積で表されるベクトルは、
切断面α上にあり、と平行です。
外積ベクトルとは、ベクトルからベクトルに
回転させる向きに右ネジを回す方向に大きさ、
つまり長さ、で
その間の角度の一つがの平行四辺形の面積分の大きさを持つベクトルです。
長さは、切断面αの半径に一致し、
は【2】と同じようにして切断面αの半径の倍だと分かります。
よって、を反対方向にして倍すればよいので、
以上より、式から、
得られた式について微小回転である場合、
そのときの角度をとするならさらに、
、 であり
と書けます。ここでですから、
式が意味するのはつまり、
腕の始点(点N)を通る回転軸に対して、
ナルト本体と分身体との接点である腕の終点(点P)を
ある角度だけ回転させたときの変位のベクトル量です。
これが分かったから何だという話は次回以降へと続きます(^_^;)