633『前へ』

遅れに遅れておりますが、お許しを(T_T)

.前へ

「(これが九尾のチャクラをコントロールした状態か…)」

「(…新しい写輪眼。…黒い炎…。」

互いにライバルの成長をその術の力で測ろうとする
ナルトとサスケ。

「ナルトの奴…
 螺旋丸の性質変化までちゃんと…」

一方、ミナトは自分が為し得なかった
《螺旋丸》に性質変化を加えた
《風遁・螺旋手裏剣》を目の当たりにして
我が子の成長を見ます。

「第八班も行くぞコラ!!
 七班なんかに負けねェ!!」

キバの掛け声とともに、
キバ、ヒナタ、シノの第八班も動きます。

「ナルト!!
 これがてめーだけの術だと思うなよ!!」

《影分身の術》より赤丸を加えての《犬塚流人獣金剛変化》。

「たった一人増えただけじゃねーか!
 昔のオレの方がまだ…」

というナルトからの批判は置いておいて、
三つ首のオオカミ《参頭狼》に変化します。

「ケッ!!
 サスケのギャグは胸クソ悪いが、
 不思議とテンション上がっちまうぜ!!」

凄まじい回転から螺旋手裏剣のように
相手を剪断する《尾追い牙牙転牙》。

「寄大蟲……。
 体内で与えるチャクラの量を間違えると、
 肉を貪り、急成長する。
 寄生させておくのが難しい蟲だ。」

一方のシノはチャクラをひたすら貪る蟲を
十尾の分裂体に寄生させ内部から破壊。

「(ナルトくんはいつも前へ進もうとがんばってる…。
  私は…ナルトくんの横にずっといたいんだもの!!
  だからいつだって、一歩でも前へ!!)」

ヒナタは亡きネジの言葉を思い出しながら、
そしてナルトと肩を並べたい想いで、
秘められた力を解放し《八卦六十四掌》を完成させます。

「今度はこれのまま、
 八卦六十四掌までいきます!!」

ヒナタは九尾のチャクラを用いた
八卦六十四掌》を繰り出す構えです。
そんな様子を見ていたのはシカマル、いの、チョウジの第十班。

「私たち第十班は猪鹿蝶のコンビネーションでいくよー!!」

いのの掛け声とともに、始動します。

「中忍試験じゃあるまいし、
 班で張り合うこたァねーだろうが。
 今は戦争中だぞ。」

と言いつつも、心なしかいつもよりやる気があがるシカマル。
いのが感知領域を広げ、25体程度の十尾を感知すると、
《感知伝伝》によって3人で敵への感覚を共有します。
チョウジの《倍加の術》より《肉弾戦車》。
シカマルの《影真似の術》より《影掴みの術》。
3人の力を合わせた《肉弾用用》があたりを蹴散らしていきます。
途中、司令塔であるシカマルといのの
背後から不意をつこうとする分裂体ですが、
もちろん感知されています。
そのヨーヨーによって簡単に薙ぎ払われてしまうのです。

「さらに倍加するよ!
 重くなるけどいける!?」

とチョウジ。

「ああ。まだ軽い方だし、
 それにこれじゃ見せ場にちょいと足りてねーしな。」

というシカマルに対して、

「なによー
 張り合う気満々じゃない!」

といのも矛盾した発言にツッコミをいれます。

「ボクも一応第七班なんですけどね。」

空から攻め込もうとするサイ。
しかし地上から不意の一撃が、サイを襲います。
一撃をもらい、墨で描かれた鳥が崩れます。
空を翔ける翼を失ったサイは、急降下。
ナルトが九尾のチャクラを伸ばして、墜落を阻止します。

「だめだ。どんどん敵の数が増えてくる!
 その上、でかいのまで!!」

忍たちの頑張りも虚しく、敵はどんどん数を伸ばし、
その上大きさまで大きくなっています。

「…このサイズはさすがに重いな…」

と柱間に言わしめるほどの体格。

「ナルト…。
 また皆にチャクラを渡せないの?」

とサイ。

「今は無理!
 クラマのチャクラがまだ溜まりきってねーんだ!」

とナルトは言います。

「本体を倒すにはあのデカブツをなぎ払いつつ、
 間をすり抜けていくしかありませんね。
 一気にジャンプして近づける距離でもない…。
 敵の攻撃をはじき、印を結ぶ時間もいる…。
 ナルトのチャクラが無い以上…
 深手を負う可能性が高いのに、
 医療班は前に出れない…」

サイが冷静に分析する中、
第七班の三人は一斉に口寄せの印を結び始めます。

「なぎ払い…すり抜ける。何の造作もない。」

とマンダに代わる大蛇を召喚したサスケ。

「一気にジャンプして近づける上に、
 攻撃もはじく力もあんぜ。コイツぁ!」

と大蝦蟇を召喚するナルト。

「皆が深手を負っても、
 常に側にいて回復してあげられる。
 今の私なら…。」

サクラは大蛞蝓を召喚します。
大蛇、大蝦蟇、大蛞蝓の三竦みが
今度は互いを支え合って、相手に挑みます。