571『尾獣モード』

1.尾獣モード

九尾との共闘。尾獣解放の前段階、
ナルトは再び九尾チャクラに包まれた状態となります。
しかしトビは悠長に待ってはくれていません。

「ナルト!! 向こうがヤバイぞ!!
 尾獣玉を五つも至近距離で!!」

二尾、三尾、五尾、六尾、七尾は尾獣玉を拵え始めます。
カカシも神威で飛ばそうにもすべて飛ばしきれるわけがありません。
狼狽しているうちに、尾獣玉は放たれてしまいます。

「分かってる―――ってばよォ!!!!!」

九尾チャクラを完全開放したナルト。
神速で5つの尾獣玉をすべて弾き飛ばします。
しかし弾かれただけの尾獣玉は山一つ抉るには十分すぎる威力をもったままです。
跡形もなく抉り取られた地形を見て、ぞっとするカカシとガイ。

「チィ…!
 (全て弾いただと!! なら…!)」

トビは尾獣玉を陽動に尾獣全員で突進をしかけます。

「いくぜ…九喇嘛。」

この事態にナルトは九尾・九喇嘛をついに全解放。
分身体としてナルトが二人首のあたりに、カカシとガイを九尾の背中に乗っけて
迫りくる尾獣たちと対峙します。

「ナルト。ついにやったのか!? 尾獣化!?」
「九尾のやつ…」

とビーと八尾。

「まず全員の杭の位置を確かめんぞ!!」

ナルトは操られた尾獣たちを解放するため、黒い杭を見つけ出そうとします。

「言っとくがゆっくりはしてられねーぞ。
 初めての尾獣化でリンクは完璧じゃねェ…。
 これの持続時間は…五分とみとけ!!」

尾獣化はナルトと九喇嘛にとっては初。
したがって完璧にシンクロしているとは言い難く、
その持続可能時間はもって5分程度とのこと。

「十分!!
 人数多い分、孫の時よりもっと手荒くなっけど、
 ガマンしてくれってばよ!!」

まず空宙にいる七尾に飛び掛かり、背後をとって、
そのまま下にいる三尾の方めがけて墜落させにいきます。
しかし間髪でかわし、その棘の殻にこもり、
チョウジの肉弾戦車みたく回転攻撃をしかけてくる三尾。
取り押さえた七尾に追撃しようと振り上げた九尾の手。
しかし六尾の口の中へすっぽり入れられてしまい身動きとれない状態です。
そこを八尾が加勢し、三尾を止めます。

「そう何度も食らうわけねーだろ!!」

八尾は隙をついて突進してきた五尾を跳ね除けます。
一方九尾には二尾が飛び掛かってきます。
手を挟まれた状態ですが、その怪力で六尾の巨体を持ち上げ、
二尾にぶつけることで難を逃れます。

「全部の位置を見つけた!!」

この攻防の合間に杭の位置を落ち着いて見定めたナルト。

「こ…これじゃまるで…怪獣総進撃だな…!」

一方でガイですらこの事態には口があんぐり開いたまま塞がりません。

「(これほどとは……。
  殺すつもりでちょうどいいということか…。)」

トビは八尾と九尾のコンビが予想以上に強力であると認識した様子。
操れる尾獣たち全員で一つの巨大な尾獣玉をつくり、
一気に戦闘不能にする作戦へと方針転換します。
一方、九尾-ナルト組も最大威力の尾獣玉で相対します。

「同じ力で相殺する気か!?
 でもナルトはまだ一度も…」

尾獣化した状態で尾獣玉を放ったことがないナルトを心配する八尾ですが、

「修行ではできてたたまたま!
 でも今度は確実にできる…」

ビーはナルトならできると確信しているようです。
尾獣玉どうしの衝突。
すさまじいエネルギーのぶつかり合いで、また地形が変化しそうです。