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いよいよフーリエ変換です。
1.フーリエ変換(1)
関数 を一般区間 で、
複素フーリエ級数展開すると以下のようになるのでした。
(*1)
(*2)
これらをまとめると次のように書けます。
(*3)
ここで、のようにおくと、
ここで とすれば、 となって、
(*4)
が導けます。ここで、(*4)式について、(*5)
と定義できます。ここで を"フーリエ変換"、
を"フーリエ逆変換"といいます。
2.フーリエ変換(2)
この先、螺旋丸の説明では、
このフーリエ変換を計算の技巧上用いるのですが、
フーリエ変換は単なる計算上の技巧にとどまらず
物理学的、数学的意味でも非常に大切なもので、
奥が深く応用も大変に効く素晴らしいものです。
至極簡単な説明になりますが、
ある関数 をフーリエ変換 すると、
周波数の空間に変換されます。
そこでは関数 にどれだけの周波数の関数が、
どれだけ含まれているか――すなわち、
関数 はどんな周波数の関数が、
どれだけ重ね合わせられているか、を表現することができるのです。
重ね合わせで表現されているという例を以下に示します。
具体的に[tex:f(x)=x (-\pi
この仕組みは、これまで示してきたことから、
容易に想像できます。
【掌の上の螺旋丸4・正規直交関数列とフーリエ級数】*1にて、
関数を三角関数の和で次のように表しました。
ここで、
のように表せるので、
(*6)
さらに、と共役であることから、(*6)式をまとめることができて、
(*7)
(*8)
と表現され、前回*2求めた複素フーリエ級数展開の係数 を工夫したものに帰着します。
これはフーリエ級数展開のお話ですが、
フーリエ変換はこの範囲を無限にとったものなので、
フーリエ級数の自然な拡張と考えて良いです。
ここからフーリエ変換がどんな周波数(あるいは周期)をもった
波の合成(重ね合わせ)であるのかを表現することが分かります。