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昨日に引き続きで本題に入れず申し訳ありませんが、
さらに"極座標"とその"ラプラシアン"
についても導入しておきます。
1.直交座標のラプラシアン
直交座標(カーテシアン座標)において、
ナブラは以下のような演算子ベクトルでした。
( はx,y,z方向の単位ベクトル。)
ここで、ナブラ同士の内積、
において をラプラシアンといいます。
直交座標におけるラプラシアン は、
より、次のように書けます。
(*4)
2.三次元の極座標の導入
三次元の極座標を考えます。極座標は
原点からの距離r、z軸からの角度θ、x軸からの角度φ
で与えられる座標です。
この図からすぐに、
と与えられます。ここで各成分をr、θ、φの全微分で表すと、
したがって、これは
となります。
ここで極座標における単位体積を考えると、
以下の図のようになります。*1
辺々が の微小体積として考えています。
や は長さの次元を持たないので、
微小弧の長さとして扱っているのが分かります。
したがって極座標におけるr、θ、φにおける
単位ベクトル は
(*5)
(*6)
3.極座標のラプラシアン
極座標におけるをまず考えます。
となるので、結局
(*6)
さてここから極座標のラプラシアンを導出しましょう。
ところで単位ベクトル は、
他の成分がかかっているので、
微分して傾きが0であるとは限りません。
(*6)式によってr、θ、φ方向の単位ベクトルが与えられるので、
それぞれ確認してみます。
となります。したがって、
ここで、単位ベクトルの微分の式と、
各単位ベクトルの内積が0であること
および、
となることを用いて整理すると、
(*7)
*1:微小体積の図はhttp://www.bk.tsukuba.ac.jp/~makimura/Biseki.01/figs/polar3d.pdfより引用させていただいています。