537 『夜へ』

久々に月曜更新です。

.夜へ…

突如として現れた外道魔像。
チョウザ、チョウジともにその巨体を活かして、
外道魔像を止めにかかります。
のべつ幕なしの連戦。
疲労もピークに達しているでしょう。
チョウザをおとりにしたチョウジの渾身の攻撃も
全く効果がありません。
止められ吹き飛ばされてしまいます。

「ナルト。戦闘までそのモードは取っておけ 温存♪
 いざって時に力尽きたら 大損♪」

九尾モードになるナルトをビーがおさえます。

「ちんたらしてられねーよ!!」

心が逸るナルト。
その悪い予感どおりに忍連合軍の戦況は一気に悪化します。

「とんでもないチャクラだ!!
 ダルイ第1部隊の戦場に…
 とてつもないチャクラ体が出現!!」

本部の青は戦場の外道魔像を感知します。
同じく感知部隊の一人がうちはマダラの存在を確認。
時同じくしてビーとナルトが秘境に隠された島亀から
三十六重の結界を破って外へ抜け出した報せも入ります。

「何だと!! 人柱力ですら出られぬ結界のハズだぞ!!」

雷影も想定外の事態に声を荒げます。

「人柱力二人での連携による結界破りは
 想定外だったようです!!」

――との報告を受け、雷影も苦虫を噛み潰したような顔つきになります。
囲いから出したくない王将を、
むざむざ歩兵の外に置くような事態に、
雷影も居ても立ってもいられません。
超緊急事態ととらえシカクに本部指令を預け、
綱手とともに止めにかかるために本部を出ます。


戦場では外道魔像を止めるために、
忍たちが奮闘します。
黄ツチの『土遁・山土の術』は、
対象の両側の地面が隆起し、合掌するように押し潰す術。
規模も質量もとんでもない術なのに、
外道魔像を止めることは敵いません。
金角の封印された琥珀の浄瓶の前にやってきたトビ。

「砂の風影からの情報では、
 儀式用の巨大な人形の像に、
 人柱力を封印するそうだ。

 ビーのタコ足分身もおそらく吸い込まれてる。」

雷影から聞いた情報を思い出すダルイ。
人形の化け物像…ダルイの脳裏に嫌な予感が過ぎります。
しかしもう甕の前にはトビが!
ダルイが止めに入りますが、もはや手の内。
そのときのドタバタをうまく陽動に使って、
密かにシカマルがトビの影をとらえることに成功します。

「九尾チャクラを持つ金角、銀角を最前線で
 利用するだけ利用して、
 頃合いを見て今度は金角銀角の九尾チャクラを
 あのデカいのに封印する…。違うか?」

魂胆をいち早く見抜き、
そして術まで成功させたシカマルをトビは買います。

「お前…敵にしておくには惜しい男だ。」

しかし詰めが甘かった…
外道魔像はトビの意のままです。
シカマルやダルイをその大足で踏み潰させます。
チョウジや黄ツチに二人が助けられた頃には、
封印の忍具や魔像とともに忽然とトビは姿をくらまします。

「この戦争。負けは許されない。念には念。
 積年の念願、"月の眼計画"。
 ついに明日それが成就する。」

紅葫蘆と浄瓶をまんまと掠め取ってきたトビ。
八尾のチャクラは足一本分のみしか得られていないことは百も承知でしょう。
ナルトやビーがでてきたタイミングで、
金角、銀角をとりにきたトビの目論見とは――
つまり最初からそうしなかったのは、
念には念をの通り、八尾、九尾を完全に取り込み、
その"月の眼計画"を完遂するべく、
彼らを待ち伏せして叩くつもりがあるからと思われます。

忍連合の8万の兵、暁の10万の兵、
それぞれ半数を失った第四次忍界大戦は、
どうやら宵闇に新たな局面を迎えそうです。