536 『ナルト戦場へ』

お待たせしてすみません。
今回も月曜更新ならず…でした。(汗)

.ナルト戦場へ

「(…ごめんなぁ…ナルト…。オレは弱い…。
  兄貴面してもいつもお前を守ってやれなかった。)」

ナルトが行ってしまった方を向きながら、
イルカは心の中でナルトに謝ります。

ナルトを守って欲しい。
現れたビーに、頼み込むイルカ。
ビーはどうやらイルカに見覚えがあるようです。
八尾がナルトの見張り役なのに、
イルカの頼みを受け入れていいものか問いかけますが、

「この男が止められなかったんなら…
 誰が止めても無理♪
 なぜなら…ナルトの心ン中に常にアンタが見えた…
 あいつの心理♪」

とビーは突っぱねます。
イルカにある種のリスペクトがあるのでしょう。
拳を突き出すように言います。快く引き受けるつもりです。

「ナルトはアンタからもらったもん全部、
 自分の中にキチンと取ってある今日まで♪
 アンタの言葉がナルトを守ってきた 強力♪」

ナルトが苦しさでめげそうになったとき、
いつも助けてくれたのはイルカがナルトにかけた言葉や思いでした。
その事実を知ったイルカは、
思わず目頭に熱いものが込み上げます。

「本当にナルトを追って外へ出ていく気か!?
 雷影から後でアイアンクローだぞ。確実に!」

ナルトを追いかけるビーに、八尾が釘を刺します。

「まだ修行の途中だ。バカヤロー、コノヤロー!
 実践で教える方が飲み込みが早いぜバカヤロー!
 近道でいくぜコノヤロー!」

とビーは最初から、
ナルトに尾獣の力を使いこなさせるために、
敢えて戦場にいこうとするのを止めなかったようです。

イルカが書いてくれた手紙を飲み込み、
いざ島の外へ出ようとしたナルトですが、
それを強固な結界が阻みます。
人柱力でも簡単には破れない再生力をもった結界です。

「そっから先は結界♪
 二人で破るぞ了解?♪」

ビーがナルトに追いつき加勢します。
強烈な尾獣玉により結界に穴が開き、
それを再生するにはやはり時間がかかる様子。
とどめとばかりに尾獣螺旋丸で全ての結界層が破られます。
結界生成の部隊を指揮する隊長も、
ビーの加勢は考慮していなかったようで、
二人して突破する足止め失敗の想定外の事態に
思わず嘆きの言葉を2,3口にしてしまいます。

出てきた場所は海ではなかったことにナルトが驚きます。
島亀ごと雲隠れの特殊な空間に隠蔽されていたようです。

一方で黒ゼツが大名たちを狙って奇襲をかけているようですが、
水影の部隊に見つかり応戦中の模様。
八尾と九尾が出てきたことを感知し、
すぐさまトビに報告がなされます。

「八尾と九尾の二人出てきたけど…、
 大名達はどうすんの?
 やっぱ交渉のコマとして捕獲しておいた方がいいよね。」

とゼツ。

「イヤ…大名共はもういらん。
 奴らを捕えれば国側から里の忍連合へ圧力がかかるが、
 元々そうして八尾と九尾を出させるための
 コマに過ぎなかった。
 八尾と九尾が出て来た以上、
 そんな回りくどいやり方は必要ない。」

とトビは語ります。
元々、八尾と九尾を出させるため程度のコマに過ぎず、
それ以上には大名たちを出しには使えないと判断しています。

「あの雷影の事だ…。
 この戦争で大名共が交渉価値などないと
 はなから分かっている。
 "月の眼計画"が成功すれば、全てが終わりなんだからな。」

雷影も大局を見越して、
大名を人質にとられても捨て身で動いてくるでしょう。
それではあまりポジション的に優位に立ったとはいえず、
結局のところ大名を奪うために削いだ戦力分、
逆に損しているというわけです――が、

「イヤ…だからと言って大名共を無視できないのが、
 傭われ忍共だ。
 黒ゼツにはゲリラ戦を続けさせろ。
 水影達をそこへ釘付けにさせておけば、
 敵の戦力を分散させておける。」

あえて"大名を狙っている"ということをおとりに使って、
敵の戦力を分散させておくという手も有効であると、
トビは最終的に判断します。

「やっとオレも参戦だ。
 まずは代用品を奪う!」

とトビも自ら戦場へ赴くようです。


覚醒したチョウジの活躍もあり、
ようやく敵軍を潰滅させた忍連合。
皆の心に安堵と歓喜が生じている最中、
ふと音も無く現れたトビ。
長門の外道魔像を口寄せします。