522 『死んだんだ』

だいぶ遅くなりましたが、
2011年、新年明けましておめでとうございます。

ナルトも終盤へと近づいてきた今日この頃。
去年はほんとに忙しくて、なかなか考察できずじまいでした。
今年も忙しいであろうことは分かっていますが(汗)、
感想だけでなく、なんとか考察もがんばっていきたいと思いますので、
どうぞ温かい眼で見守ってください。

よろしくお願いします。m(_ _)m


1.死んだんだ(1)

かつて名を馳せた血継限界の忍たちを前にたじろぐ忍たち。
桃地再不斬、雪一族の白、ガリ、パクラ…
カブトの干渉で段々と意識が遠のいていきます。

「鬼のオーラ…、こいつが鬼人再不斬か!
 その上、氷遁の子!」

そのただならぬ気配に、ガイも身構えずにはいられません。

「構えろ! 気を抜くなよ、ガイ!
 無音殺人術でこいつの右に出る者はない!」

カカシもガイに注意を促します。

「カカシさん…お願い…します。
 もう一度私達を…止めてください…。
 ボクの夢は…再不斬さんの道具として…、
 再不斬さんを…守り抜き…死ぬ事だった…。
 こうして…再不斬さんも…この術にかけられて…いるという事は…、
 あの時ボクがアナタから…再不斬さんを…
 守りきれなかったという事…。
 そしてまた……再不斬さんを…守るどころか…、
 今は…再不斬さんの道具にも…なれない…。」

白の悲痛な叫びに対して、カカシは答えます。

「いや…君は再不斬を守った。
 彼が死んだのはもっと別の理由…。
 そして…再不斬はき身の事を道具なんて思っちゃいなかった。

道具ではなかった――
その言葉に一瞬、白は戸惑いのような浮かばれたような表情を浮かべ、
振り返り再不斬を見ます。
再不斬も心内を明かされたようで、
余計なことを言うな、とカカシに言いますが、
しかしカカシとしても、敵対していたとはいえ、
白の境遇を思うと、どうしても言わずにはおけなかったのでしょう。

「ナルトが…再不斬の心の奥を浮き彫りにしたのさ…。」

白の死に対して何とも思わないのか、と問いかけたナルト。
再不斬も今一度、自分にとって白という存在は何だったのか考え、
涙を流しました。忍も人間であり、感情を捨て去ることはできない――
その時、はじめて負けを受け入れた再不斬。
カブトの干渉を必死で堪えるように、
再不斬はカカシに言います。

「カ…カシ…容赦…するな……。
 オレを…どんな手を…使っても…止めろ……。
 …オレは…もう……死んだ………。
 人間として死んだんだ!

人間として死んだ――
自分はもう何者でもない。
忍として人間として最期を迎えた。
甦ったとしても、もうそこにはなにもないことを知っているのです。
もうその事実を曲げることはして欲しくはない。
その思いを受け止めるようにカカシは言います。

「ああ…分かってるよ。」

――と。
白も感謝するように涙を流します。

2.死んだんだ(2)

「カカシ隊長、あの岩隠れの男は…
 血継限界…爆遁の使い手!
 デイダラと同じ元爆破部隊のガリ
 そしてあの女は砂隠れ血継限界、灼遁の使い手パクラです!
 気をつけて下さい!」

と敵の情報を得たカカシ。
すぐさまカカシは感知忍者を中心とした
卍の陣形を組むように部隊に促します。
霧隠れの術であたりを霧に包んだ再不斬は、
音のみで相手の正確な位置を知ることができる手練れ。

「前回はこの陣の唯一の死角である中央から攻撃してきたの。
 背中にも気をつけて!」

霧が深くなっていきます。
サクラはリーに注意を促します。


一方、カブトはうまく魂の制御ができていることをかみしめます。
魂をより強く縛ることができるカブトの穢土転生の術。
感情を残して敵の混乱を誘うつもりが、
かえって魂の束縛が弱くなってしまうことにも気づきました。
ときどきに応じて使い分けていくようです。

その頃、見張りが手薄になって、水月と重吾は脱獄することができたようです。

「先に行っててよ。ボクは自分の刀を探してからだ…。
 鍵はすぐ見つかったけど、どこを探しても刀がどこにもなくてさ…。」

一緒に投獄されていた重吾に先に出るように言いますが、

「こいつらに刀を取り上げられたんだろ。
 ならまずは武器庫を見ればいい…行くぞ。」

と重吾は仲間想いな様子を見せます。

「へー手伝ってくれんだ。やっぱいい奴だな重語って…。
 香燐と違ってさぁ。…って香燐はどこ行ったんだろ?」

と感激する水月。香燐のことを思い出します。

「探すか?」

と重吾。

「ん――――…。
 居ないと意外と静かすぎな気もするね…。どうしよ……」

と、水月も仲間思いなようです。


戦線は激化の一途をたどっています。
どこか一つの陣が白と再不斬に攻撃され潰されたのを皮切りに、
パクラの灼遁・過蒸殺、ガリの爆遁・地雷拳に次々とやられていきます。

「戦場では仲間が死ぬ!
 それは最低でも覚悟して来い!
 取り乱すと余計仲間が死ぬ事になる!
 仲間の死を次に活かせ! 分かったな、新人!!」

そう言って、冷静さを取り戻させるガイ。
再不斬たちの連携攻撃のリズムをとらえだした頃、
現れたのは再不斬以外の霧隠れの忍刀・七人衆前任の六名。
さらに戦況は悪化します。