513 『カブト VS 土影』

1.カブトVS土影(1)

早速偵察に出向いてきた土影。
ナルトたちがその上に乗って移動する巨大亀は、
どうやら雲隠れの里が管理する海域にあるようです。




――地図で確認できる範囲では、
この島は雲隠れの移動要塞としての機能も考えられることから、
隣国火の国、水の国を監視するのに都合が良さそうなのは1、2の二つ。
そのうち水と火を両方にらめる位置にあるのは2が尤も。


土影は他者を浮遊させることができる術も備えているようです。
巨大な赤ツチがいとも容易く宙に浮きます。
五影会談のときに見せた塵遁といい、
土影は多彩で独特な忍術を持っていますね。

「わーい久しぶりに飛べるー!
 楽しみダニ!」

とはしゃぐ赤ツチを、

「はしゃいでんじゃねーよ、赤ツチ!
 これから戦闘かもしんねーて時に…!」

と揶揄する黒ツチですが、
内心では同じく楽しみな様子。


一方、カブト&デイダラ組はもう近くまで来ている様子。

大蛇丸様とは違う札を使ってる…。
 君を完全に縛りはしないよ…デイダラ
 ボクに芸術は分からないしね。
 君の事もよく知らない…。」

呪札をデイダラ(魂が媒介する塵芥の集合体)に入れ、
穢土転生を完成させるカブト。

「まあな…。オイラの芸術忍術を、
 そうそうカンタンには理解できるハズもねェ…。うん…。」

久しぶりの“身体”を実感しているのでしょう。
デイダラは続けます。

「だがお前には感謝してる……。一度究極芸術は完成した…。
 次はさらなる高みに挑戦できる!」

“芸術は爆発”。
死してなおもそれは揺らぐことのないデイダラの信念。

「あぁ…そういえば君の最期のあの爆発…。
 世間ではそんなに話題になってないよ…。」

しかしカブトからは冷たいコメントが返ってきます。

「だから言ったろ!
 カンタンには理解できねーってよォ!!
 そういうのは時間が…!! …かかんだよ…う…うん……。」

デイダラもさすがに少し自信がなくなりかけている様子。

2.カブトVS土影(2)

「ちゃんと並べーって言ってんだってばよー!!」

極秘で島の生物たちの生態を調査する任務――
と告げられているナルト。
しかもSランク任務とあって、張り切ってる感が感ぜられます。
ヤマトやモトイの思惑は暁の強襲に備えて、
動物達を避難させることにあるようですが、
ナルトにはその真意はまだ見えていないでしょう。
そもそも木ノ葉の忍であるナルトが、
なぜ雲隠れの忍とともに雷の国、雲隠れの管轄下の、
しかも他里に極秘であろう移動要塞内部を調べるのか、
任務事態に疑問がわいてくるはずですが――
さて、そのあたりは周到な雷影のこと。
おそらくこの移動要塞は木ノ葉に知られても弊害はないと踏んでいるでしょう。

「…ナルトに戦争の事が知れたら、それこそ大変な事になる。
 黙ってないし、戦場に駆けつけようとするよ。
 …それだけは避けないと…。
 これはナルトを守る戦争だからね。」

と、ヤマト。
ナルト自身を案ずるのもそうですが、
戦況を混乱させることを防ぐため、
九尾が敵の手にわたる可能性を0にしたい、
と思うことからの発言でしょう。

生態調査をするナルトは、
見るからに女の子(?)なアルマジロの性別について、
ビーに訊きますが、

「どっちでもカマわない♪
 じゃあメスって事で報告カマしとけ♪」

と半分“答え”をもらっていても気づかない様子。
背中の“男”模様になぜだか疑いたくなるナルト。
さらにビーにアルマジロについて尋ねるようにお願いします。

「プライベートはプライバシー♪」

とやりすごされてしまいます。


その頃、島亀に迫り来るただならぬ気配。
モトイは何かを察します。


確実に接近してきているカブトたち。
明らかな侵入者と考え、土影は攻撃します。
しかしそれは粘土分身。

「ようオオノキのジジイ…。久しぶりだな!」

土影の背後からデイダラの粘土爆弾。

「少々びっくりしたぜ…。
 死んだと聞いとったからのう…デイダラ
 まさかお前の粘土分身とは。」

同じように岩分身で身代わりをたてた土影は、
驚きを隠せない赤ツチ、黒ツチをよそに
死んだはずのデイダラの正体をすぐ見抜きます。

「穢土転生とか言う大蛇丸の術で生き返ったように見えとるが、
 アレでも本物じゃあない。
 …まったく死んでまで迷惑をかけおって!
 木ノ葉の青二才にやられ…
 またノコノコ生き返ってまで、恥をさらすか!」

この台詞を聞くに、
デイダラの“芸術は爆発”は岩隠れにも
多大なる迷惑をかけていたであろうことが、
なんとなく、しかしそこはかとなく確実に伝わってきます。

「うるせー!!
 うちはサスケは殺ったハズだ! うん!
 今度はオレの芸術をバカにしくさったじじい。お前だ。うん!!」

土影はすぐにデイダラはサスケがどうなったのかを、
全く知らないことを悟ります。

「邪魔をして足止めしてるつもりですか?
 待ち伏せは分かってましたよ。
 …何もせず、ここへノコノコ来るとでも?」

カブトは別働としてマンダを海中から仕掛けていたようです。
噛まれて悲鳴をあげる大亀。
初代マンダを改造してつくられ、
大きさだけでなく強さも感知能力も前代を凌ぐようです。
一旦、土影たちから離脱し、島亀を目指すカブトたち。
八尾と九尾が大亀の上にいると聞いて、
土影たちとの戦闘がお預けとなったデイダラも血が騒ぎます。
巨大くらげの粘土爆弾による奇襲で、
島亀はさらに大きなダメージを受け、ひっくり返ります。
天変地異で投げ出される動物達を、
いつのまに身につけたのかヤマトが、
初代火影・千手柱間の秘術木遁・樹海降誕で救います。
さきほどのアルマジロも流石に丸まることができず、
ついにその秘密を露呈してしまいます。

「カブト。お前は八尾と九尾をさがせ。うん。
 オイラはあいつらとやる。色々借りもあるしな。」

土影たちとの戦闘を選んだデイダラ

「じゃあ、そうしましょうか。」

カブトも提案を呑みます。

デイダラ…ワシの恐ろしさを…
 忘れた訳じゃねーだろ…。」

土影は頭に来ている様子。
秘術で一気にかたをつけるつもりでしょう。