512 『ゼツの真実』

10月10日といえば、ナルトの誕生日ですね。

1.ゼツの真実(1)

八門遁甲の第七・驚門まで開けたガイは、その余波に苦しみ悶えます。
全身の筋肉組織が断裂し、少しの挙動だけでも激痛が走る様です。
ブービートラップの水牢の術に囚われて、
情報を奪還することに失敗したと考え、
ナルトとビーを匿う場所を再考した方が良いのでは…
という流れになりますが、モトイは下手に動く必要はないと言います。

「この島は地図にも載ってない。…まず見つけようとしても、
 そう簡単には見つからない…。なぜならこの島は、移動要塞そのものだ。
 雲隠れがはるか昔から飼っている大亀なんだ。」

ガイが口寄せした忍亀が豆粒ほどの大きさにしかならない超巨大亀。
それがこの島の正体だったのです。

「もちろん、この事は敵に知られてると見ていい…。
 だがこのままこの島は雲隠れの里へ移動する船より、はるかに安全だ。
 それにナルトにはこの島の生態調査の極秘任務と言ってある。
 島から移動させると怪しまれるだろ。

ナルトとビーには、彼らがこの島に送られた真意は隠されていたのでした。
ビーは休暇という形で、ナルトは生態調査という形で来たようです。


場面は変わって、暁のアジト。

「待て…。九尾と八尾のところへはボクが行く。」

そうトビに提案するカブト。
もちろんトビはカブトに全面の信頼をおいているわけではないので、
その理由を不審に思って探ろうとします。

「君との協力関係を信頼してもらういいチャンスだ…。
 それに九尾のナルト君の傍にはいつも、
 ヤマトと呼ばれている初代火影のコピーがいる…。
 その彼もボクの実験体ターゲットだ。」

カブトはナルトとともにヤマトも狙っているようです。

「ダメならこのゼツの体でもいいんだけどね…。
 少し分けてくれればね。
 それで十尾復活が遠退くわけじゃないだろ?」

そう言ってちらっとゼツの方を見やるカブト。
鬼鮫のように胞子体と入れ替わる、という術よりも、
もっと高度な――ゼツそのものを借りるとでも言いたげな台詞。
暗にゼツは一人ではないことを示唆しています。

「…お前色々と知っているようだな…。
 大蛇丸の奴がこそこそ調べていたようだったが…。」

大蛇丸が暁の中枢部分に探りを入れていた様相が窺えます。

鬼鮫の情報から忍連合の総兵力は8万…。陣型も分かった……。
 だがこちらの兵力の要はこのゼツ…なんだろう…?」

ゼツこそが8万の大軍と渡り合うための兵隊だったようです。

「ボクの集めた研究材料と知識があれば、
 確実にゼツをさらに強くできる…。
 ただしボクを…そこへ連れて行ってくれればの話だけどね。」

カブトの言う“そこ”とはトビがひた隠す暁アジトの中枢部分。
十尾復活を目論む場所のようです。

トビ…どうすんの!?
 こんな奴を信用するの!?」

この期に及んで“マダラ”呼びでなく“トビ”呼びをするゼツから、
少しトビについて勘繰りたくなるのはいつものことですが 笑、
どうやら、暁はトビとゼツさえいれば暁が機能するのは確かなようです。

「九尾を取ってくればゼツを一体やろう。
 ついて来い。」

そう言ってカブトの提案を呑んだトビ。
アジトの中枢へと向かいます。

2.ゼツの真実(2)

浅い階層には長門の創った外道魔像もあるようですが、
さらにアジトは深く下へと続いています。
途中、初代火影・千手柱間の細胞群も飾られています。

「…と言ってもあの戦いで奴から奪い取った、
 生きた細胞を培養したものにすぎない…。意識はない…。
 …それより、見せたいものはさらにその下にある…。」

カブトはトビの後ろに続いて歩を進めます。
そして最奥と思われる場所に来たカブトは、驚きを隠せません。
十尾復活の為の外道魔像のチャクラを消費してまでつくられていたモノ…
それは、およそ10万ものゼツでした。


その頃、忍連合本部。あらゆる忍里の忍が集まってきています。
暁に人柱力の居場所が漏れたという報告が、影達に届きます。

「ここへきて、情報がもれるとは…。…また作戦を練り直さねばならん。
 じゃが情報もれがこちら連合側にも分かっている以上、
 むこうも様子を見てくるはずじゃぜ。
 こちらとしても罠を張りやすいからの。」

――と土影。

「島はどうする?
 移動できる島と言っても安心はできん。
 狙いは二人だ。何がなんでも探しに来るぞ。」

――と火影。

「こういう時のために島はワシが決めたルートで移動する事になっとる。
 それに雲で見えん…。敵にはまず見つけられん!」

――と雷影。

「探しに来るなら敵もまず偵察隊を少数とは思います。
 バレバレの人海戦術で兵を分断したりはしないでしょう。」

――と水影。

「だが鬼鮫は地図の島の座標を示しているハズだ。
 移動したとしても、その周辺を隈なく探すハズ…。
 気はぬけない。」

――と風影。

「…とにかく増援を送るでござる。
 ただし大勢で移動し敵に見つかっては意味がない。
 少数で精鋭の者を送るでござる。」

――とミフネ。

「ワシが行く!!」

と名乗りをあげる土影。
少数精鋭とはいえ、首脳を張る影が行くまでもないと思いますが――

「フン…オオノキのじじいか。それなら文句はない!!」

と雷影も賛同します。
空を歩行する術を持ち、土影を名乗ることを許された両天秤のオオノキ。
――でも腰痛はひどいようです。

「まあ君達はゆっくりしてなよ。
 なら行ってくる。」

カブトは穢土転生によってデイダラを復活させ、
その粘土の術で作られた鳥にのって、デイダラとともに、
ナルトたちの偵察へ出発します。