514 『カブトの目論見』

.カブトの目論見

いきなり土影の塵遁の構えを見て、
さすがにデイダラも冷や汗。
しかし島亀にも被害が及ぶと見て、
赤ツチが止めに入ります。
そこを隙と考えてデイダラが鳥型の起爆粘土で攻撃します。

「赤ツチのゴーレムか…!
 相変わらず土影にベタベタくっつきやがって、
 邪魔くせー! うん!」

赤ツチの岩人形がデイダラからの爆撃を防御。

島亀の転倒で天地がひっくり返ったことで、
流石に地震にしてはおかしい、と疑問を抱くナルトですが、

「忍者にとって大事なのは任務を最後までやり抜く事!
 そしてこの任務は他でもない君だからこそ!
 君にしかできない任務!
 だから頼まれた…。分かるなナルト!」

――とヤマトにうまく丸め込まれてしまいます。

「(Sランク任務だとハッタリかましたけど、
  やってる事はチンチンがあるかないか見てるだけだもんなあ…。
  ナルトもバカじゃない…。もうバレてるんじゃ…。)」

なんて一瞬はヒヤッとしますが、

「うん! 分かった!
 オレってば任務に集中する!!」

と、やる気を見せてくれたナルトに

「(うん! 当分いけるなこりゃ!
  バカでよかったっ!)」

心の中でガッツポーズのアオバ。笑

「あのヘビ操ってんのは、やっぱあっちのヤローか!
 大蛇丸の部下だったもやしヤローのくせしやがって!!」

一方黒ツチはマンダとカブトに目を向けます。
ナルトの居場所が亀の甲の中ということを掴んだ様子のカブトに、
四尾の人柱力・老紫が得意とするはずの熔遁を放ち、
上空から奇襲をかけます。
ちょうどそのときヤマトたちも駆けつけます。

「アンタは確か土影の孫娘…」

黒ツチはどうやら土影の孫娘であるようで、
土影・オオノキに大仰な口を叩けるのもそのためでしょう。
最初は想定外の加勢を快く思わなかった黒ツチも
うまく彼らを利用してカブトを捕らえようとします。
水遁・水喇叭によるおとり攻撃。
カブトの回避行動を逆手にとって、
熔遁・石灰凝の術の真骨頂、
水で固まってセメントの様になって石化させてしまいます。

「カブト…落ちたな…。
 ますます大蛇丸みたいになっちまって。」

情報を得ようと近づくアオバに、

「ボクの事より…君がそこから落ちるなよ。」

と警告するカブト。
次の瞬間、木遁を使いカブトを拘束していたヤマトに向かって、
脱皮したヘビのようなものが一直線にとんでいきます。
そして、そのままヤマトを丸呑みにしてしまいます。

「黒ツチ。お前の術の手順を分かっていたおかげで、
 うまく油断させることができたよ。」

黒ツチの石灰凝の術すらもカブトの掌の上での出来事。
まんまと逃げ遂せます。

土影とデイダラの戦いも白熱しています。

「お前は昔から遠距離でこそこそ逃げ回って戦う!
 ワシはそこが好かん!」

デイダラの鳥粘土のスピードに、
余裕でついていく土影。
焦りを見せたデイダラは早くもC4で片をつけようとします。

「なめんなよじじい!!
 てめーの塵遁とオレ様の爆遁
 どっちが芸術か…」

――といいかけたデイダラを突如現れた棺が包み込みます。
しかし、起爆粘土は爆遁なる術だったのですね。
〜遁は火遁、雷遁、土遁、水遁、風遁の五大性質を除けば、
血継限界に氷遁、木遁、熔遁、溶遁、沸遁があり、
現在血継限界であるか不明なものに塵遁とこの爆遁、サスケの炎遁があります。

「九尾と八尾まで深追いせずか…。
 尋問用の人質目当てか、
 その木遁使いが目当てだったかは分からぬが…。
 問題はそのヤマトから情報がもれるかもしれん事だ!」

カブトやデイダラを見失った一同。
マダラの強力な瞳術にかかれば、
あっという間にヤマトから情報が漏れるのは目に見えています。


アジトに帰ってきたカブト。
手土産が違うとトビに指摘されますが、

「確かにそうだけど…。
 こいつは九尾の見張り役で機密情報も持ってる。
 それにこいつがあれば、かなりゼツを強くできる…
 …無理をするより、こいつを捕えた時点で、効率の良い方を選んだ。
 アンタ達にとってね。」

ヤマトを攫ってきた目的の一つに、
ゼツを強化する、というものが含まれているようですが、
木遁が何か関係があるのでしょうか。

「なら早くしろ。この左目が戦争を欲している。」

トビは左眼に長門の輪廻眼を携えた様子。