今回一般的に求めて、次回具体的に何通りか考察します。
【陽と陰、NとS、ナルトとサスケ】*1に、
週末が忙しいと書きましたが、訂正。
正しくは 土、日〜月にかけて です。
そう、ちょうど感想を書くとき(T_T)なのです。
というわけで、この考察の続きも次の感想も遅れると思いますが
どうかどうかご容赦ください。m(_ _)m

3.多重影分身の陣(3)

前回の記事*2より






ナルト本体(*)、仙人モード影分身(●)、通常影分身(○)
で空間的にフォーメーションを組む。
仙人モード影分身●や通常影分身○は同じ質のものを
複数つくることができる。
このとき以下の2条件を満たすものとする。

 (1) 風遁・螺旋手裏剣のため、本体の隣に補助として
   仙人モード影分身●を2体配置する。
 (2) 遊撃のために仙人モード影分身●を通常影分身○に混ぜるが、
   このとき疎<まば>らになるように●を配置する。
   ただし○は隣り合って配置されていてもよい。

隣り合う2体とは左右、上下、前後方向で隣り合う一番近くにある2体を選ぶ。
このとき上下、左右、前後方向ではどの配置においても微妙でも距離が違い、
必ず近い順に2体が決まるものとする。
また疎らに配置するとは、左右、上下、前後方向どれとも隣り合わないこととする。
すなわち●の左右、上下、前後方向には○が配置され、
●同士では決して隣り合わないものとする。




という条件のもと、
n人でのフォーメーションは何パターンあるかは、


左から一列に順番に○、●のみ重複を許し、○、●、*をn個並べる並べ方。
ただし●は{…○、●、○…}の順に並び、*は{…●、*、●…}の順に並ぶ。


というわけでした。


さてここでk番目(1≦k≦n)に*を並べる並べ方を a_k 通りとします。
また同様にk番目に●、○が来る並べ方を b_kc_k 通りとします。
そうすると、


\overbrace{\cdots \bullet}^{1 \cdots {k-1}} \ast \underbrace{\bullet \cdots}_{{k+1} \cdots n}

のようになって、左から数えてk-1番目に●が、
また右から数えてn-k番目に●が来るように並べる並べ方なので、

a_k=b_{k-1} \cdot b_{n-k}

(1)
となります。b_kおよびc_kには以下の図より、

\begin{eqnarray} & n-1 & n \\ \cdots & \circ & \bullet \end{array}
b_k=c_{k-1}


\begin{eqnarray} & n-1 & n \\ \cdots & \bullet & \circ \\ \cdots & \circ & \end{array}
c_k=b_{k-1}+c_{k-1}


したがって、以下の漸化式を得ます。

b_{k+1}=b_k+b_{k-1}

(2)

また最終的に求めるものは、


S_n=\sum_{k=1}^n a_k

(3)
となります。

4.多重影分身の陣(4)〜フィボナッチ数列

ここで
\{ b_1=1 \\ b_2=1
はすぐに分かり、
(2)フィボナッチ数列と呼ばれるもので、
前の2項を足したもので新しい項ができます。
この漸化式の特性方程式
t^2-t-1=0
の2解をα、β(α<β)とします。このとき、


\{ \alpha=\frac{1-\sqrt{5}}{2} \\ \beta=\frac{1+\sqrt{5}}{2}

(2.1)

 \beta - \alpha=\sqrt{5}

(2.2)

 \alpha \beta=-1

(2.3)
となります。特性方程式
(t-\alpha)(t-\beta)=0 \\ \qquad (t^2-\alpha t)=\beta(t-\alpha t)
と書けます。またαとβを入れ替えても等価なので、

\{ b_{k+1}-\alpha b_k=\beta(b_{k}-\alpha b_{k-1})=\cdots={\beta}^{k-1}(b_2 - \alpha b_1) \\ b_{k+1}-\beta b_k=\alpha(b_{k}-\beta b_{k-1})=\cdots={\alpha}^{k-1}(b_2 - \beta b_1)

(2.4)
したがってb_{k+1}を消去して、

b_k=\frac{{\beta}^{k-1}-{\alpha}^{k-1}}{\beta - \alpha}b_2-\frac{\alpha \beta({\beta}^{k-2}-{\alpha}^{k-2})}{\beta - \alpha}b_1

(2.5)
よって(2.2)式〜(2.5)式より

b_k=\frac{1}{\sqrt{5}} \{ (\frac{1+\sqrt{5}}{2})^k - (\frac{1-\sqrt{5}}{2})^k \}

(2.6)
なお、
\frac{3+\sqrt{5}}{2}=(\frac{1+\sqrt{5}}{2})^2
である点に注意します。

5.多重影分身の陣(5)〜対称式の和

式(1)、(2.6)からa_kを求めることができて、


\begin{eqnarray} a_k &=& b_{k-1} \cdot b_{n-k} \\ &=& \frac{1}{5} \{ (\frac{1+\sqrt{5}}{2})^{k-1}-(\frac{1-\sqrt{5}}{2})^{k-1} \} \{ (\frac{1+\sqrt{5}}{2})^{n-k} -(\frac{1-\sqrt{5}}{2})^{n-k} \} \\ &=& \frac{1}{5} \{ (\frac{1+\sqrt{5}}{2})^{n-1}+(\frac{1-\sqrt{5}}{2})^{n-1} \\  &{}&\qquad \qquad \qquad-(\frac{1+\sqrt{5}}{2})^{k-1}(\frac{1-\sqrt{5}}{2})^{n-k}-(\frac{1+\sqrt{5}}{2})^{n-k}(\frac{1-\sqrt{5}}{2})^{k-1} \}\end{array}

(1.1)
したがって式(3)を考えればよいことになりますが、ここでα、βを用いて

S_n=\frac{n}{5}({\beta}^{n-1}+{\alpha}^{n-1})-\frac{1}{5}(\sum_{k=1}^n {\alpha}^{k-1}{\beta}^{n-k}+\sum_{k=1}^n {\beta}^{k-1}{\alpha}^{n-k})

(3.1)
となります。


ここで


\{ \sum_{k=1}^n {\alpha}^{k-1}{\beta}^{n-k} \\ \sum_{k=1}^n {\beta}^{k-1}{\alpha}^{n-k}

を考えます。
これらは対称式であり、αとβを入れ替えても等価です。
そこで、
T(\alpha,\beta)=\sum_{k=1}^n {\alpha}^{k-1}{\beta}^{n-k}
とすると、
\begin{eqnarray} &T(\alpha,\beta)& = {\beta}^{n-1}+{\alpha}{\beta}^{n-2}+{\alpha}^{2}{\beta}^{n-3}+\cdots+{\alpha}^{n-3}{\beta}^{2}+{\alpha}^{n-2}{\beta}+{\alpha}^{n-1} \\ & \alpha T(\alpha,\beta)&=\alpha {\beta}^{n-1}+{\alpha}^2{\beta}^{n-2}+{\alpha}^{3}{\beta}^{n-3}+\cdots+{\alpha}^{n-2}{\beta}^{2}+{\alpha}^{n-1}{\beta}+{\alpha}^{n} \\  &\beta T(\alpha,\beta)&={\beta}^{n}+{\alpha}{\beta}^{n-1}+{\alpha}^{2}{\beta}^{n-2}+\cdots+{\alpha}^{n-3}{\beta}^{3}+{\alpha}^{n-2}{\beta}^2+{\alpha}^{n-1} \beta \end{array}
であるから、
(\beta - \alpha)T(\alpha,\beta)={\beta}^n - {\alpha}^n
すなわち

T(\alpha,\beta)=\frac{{\beta}^n - {\alpha}^n}{\beta - \alpha}

(3.2)
よって(3.1)式および(3.2)式より

S_n=\frac{n}{5}\{ (\frac{1+\sqrt{5}}{2})^{n-1}+(\frac{1-\sqrt{5}}{2})^{n-1} \} -\frac{2 \sqrt{5}}{25}\{ (\frac{1+\sqrt{5}}{2})^n-(\frac{1+\sqrt{5}}{2})^n \}

(3.3)
です。