今回のお話は中忍試験にも出てきそうな内容のもの。
ナルトの世界ではよく“フォーメーション”なるものが出てきますが、
早速この フォーメーション=陣形 について考えてみたいと思います。

1.多重影分身の陣(1)

ナルトは多重影分身をつくって、
敵を囲む陣形(フォーメーション)を
自分とその分身でつくることができます。それでは、

  • ナルト本体と分身体併せてn人で陣形を組んだとき、

    何通りのパターンをつくることができるか


を考えて見ましょう。
ここでは、より一般的な状況にあわせて次のように条件を導入します。






ナルト本体(*)、仙人モード影分身(●)、通常影分身(○)
で空間的にフォーメーションを組む。
仙人モード影分身●や通常影分身○は同じ質のものを
複数つくることができる。
このとき以下の2条件を満たすものとする。


 (1) 風遁・螺旋手裏剣のため、本体の隣に補助として
   仙人モード影分身●を2体配置する。
 (2) 遊撃のために仙人モード影分身●を通常影分身○に混ぜるが、
   このとき疎<まば>らになるように●を配置する。
   ただし○は隣り合って配置されていてもよい。


隣り合う2体とは左右、上下、前後方向で隣り合う一番近くにある2体を選ぶ。
このとき上下、左右、前後方向ではどの配置においても微妙でも距離が違い、
必ず近い順に2体が決まるものとする。
また疎らに配置するとは、左右、上下、前後方向どれとも隣り合わないこととする。
すなわち●の左右、上下、前後方向には○が配置され、
●同士では決して隣り合わないものとする。




条件文は少し気だるい感じですが、
イメージとしては以下のような配置のことです。


ある空間にある点で隣とは条件にあるように上下・左右・前後の点とします。
このとき本体の隣の2点は仙人モード影分身であり、また、
仙人影分身のまわり(隣全て)には通常影分身が配置されるわけです。
この条件を満たしフォーメーションを組むなら何通りのパターンがあるか、
ということになります。

2.多重影分身の陣(2)

それではどのようにパターンを考えればよいでしょうか。
それぞれn人の座標を基準に決めてしまうと、
一人がほんのちょっとずれただけでも1通りと数えてしまうため
無限通りの数え方が存在して困ったことになってしまいます。
そこで“フォーメーション”とは陣形であり、
ある程度似た形が決まればこれを一つ括りに1通りとし、
それぞれの点の構成(陣)が違えばこれを1通りとすればよいことにします。
これはどういう事かというと以下のように空間に点在する点の配置を考え、
それぞれに“うまく”番号をつけていくとき、
その番号に対応する○、●、*の配置の問題となります。




すると番号と○、●、*の1対1対応の問題ですので、
条件とあわせてこの問題は


左から一列に順番に○、●のみ重複を許し、○、●、*をn個並べる並べ方。
ただし●は{…○、●、○…}の順に並び、*は{…●、*、●…}の順に並ぶ。


いまいちこの『うまく番号をつける』とは理解しにくいかもしれませんが、
例えば図(空間)と照らし合わせて以下のように左から番号に従って

・・・13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23・・・
・・・ ○ ○ ○ ○ ● ○ ● ○ ● ○ ○ ・・・
(A)
と並んでいたとき、19番に隣り合う14,15,18,20,23,24は互いの番号を交換して、
それぞれの位置を入れ替えたとしても成り立ちます。
仮に14と20を入れ替えたとして、20だった場所を14、14だった場所を20と
新しく番号を書き直せば等しくなります。

・・・13 20 15 16 17 18 19 14 21 22 23・・・
・・・ ○ ○ ○ ○ ● ○ ● ○ ● ○ ○ ・・・
(B)
つまり番号を交換できることになります。
しかし17と18を入れ替える{…●、●…}となってしまいこれは禁則です。
逆に次のような場合もいえます。
空間を平面にしているので、
図の9と19を割り振った●は近く、上下、左右、前後の関係に一見見えます。
●は隣り合わない原則ですし、19が隣り合うのは14,15,18,20,23,24ですので
結果、近い番号を振られることなく{…●、●…}の順に並ばないわけです。
このように“うまく”番号をつける必要があります。