470 『キラービー VS 鬼鮫

二部構成です。前編は【告白、そして】

.キラービーVS鬼鮫

去りゆくサクラたち一行を影から見つめる忍。
木ノ葉の額宛をしてサイに似ていますが、
サイを追いかけてきた根の一員でしょうか?
あるいはサイの分身で、ナルトたちの足取りを追うものでしょうか?


各々動き出した影達。

「だったら何で!?
 この機に八尾と九尾を処理しちまえば、
 マダラのその計画ってのもダメにできるし、
 雲と木ノ葉の戦力削ぐことができて一石二鳥じゃねェ!?」

黒ツチの提言は両天秤という策士的な通り名をもつ
土影オオノキが普段なら考えることなのでしょう。
しかし土影は首を横に振ります。
なぜなのか首を傾げる黒ツチに言います。

「…思い出したからじゃ……。
 …頑固になる前の自分をな。」

己を捨てたことがあるか――という我愛羅の言葉。
柵<しがらみ>に囚われず、
とうに忘れていた相手のために動こうという気持ちを
土影は思い出したのかもしれません。


鬼鮫に襲い掛かったポン太。
実はアライグマでした。(見たまんまですが)

「オレの情念を思い知りなよっ!」

どでかい斧を構えるサブちゃん。
“情念”という言葉の使い方をメモするビーを横目に
鬼鮫がサブちゃんへ突進していきますが、
刹那、雷遁をまとった鉛筆が頭をかすめます。

「雷遁で高周波振動を起こし貫通力を上げたエンピツですか…。
 風遁以上の貫通力とはたいした超振動……
 まともに食えば私でも穴が空きますね。」

風遁のおそらく空気の摩擦力をあげることで
切れ味すなわち剪断力を倍増させるもの、
雷遁は超振動をおこさせることで
分子ごと破砕する力を倍増させるのでしょう。
ビーは雷遁、すなわち電流、電圧を巧みにコントロールし、
その周波数を高くすることができるのだと考えられます。

「中距離からの雷遁飛び道具で私の出方を見つつ、
 しかもそれが陽動であり私を挟むとはね。」

サブちゃんの大斧与作斬りを刀の腹で防御する間に、
高周波振動を起こした貫通力の高い雷遁刀を投げ、
一方で鬼鮫の背後からまるで挟み撃ちにするように迫る
ビーのたくみな攻撃に感心気味の鬼鮫

「これで穴ふた〜つ♪ 侮るなっ♪」

肩に投げられた刀は刺さってしまうものの、
与作斬りを押し返し振り返りざまにビーの攻撃を止める鬼鮫
雷遁刀が貫通しない様子をサブちゃんは訝しがります。
八尾のことやビーの戦い方を知っている様子から、
サブちゃんは雲隠れに縁<ゆかり>の深い人物なのではないでしょうか。
密着状態で八尾の衣を発動したビー。
衣の角部分で相手を串刺しにする頭八刀<ヘッドバット>を繰り出しますが、
鬼鮫は頭突き返しでビーに対抗。
サブちゃんが鬼鮫の刀がチャクラを吸い込んだ様子を捉えます。

「アナタのチャクラのタコ味が相当気に入ったようですね。
 ここまで“鮫肌”が騒ぐのも珍しい。
 ……削りがいがありますね。」

鮫肌の鱗が逆立ち禍々しい様相を見せます。

「意外にかわいい目をしてる♪
 すぐに遺骸の魚の目にしてやるぜ♪
 お前を…えっと…」

今までにないくらいの粟立つような鬼鮫の姿。
余裕をかましているビーですが、苦戦を強いられそうです。

干柿鬼鮫、以後お見知りおきを。」