465 『会談場襲撃』

少し遅れましたm(_ _)m

.会談場襲撃

サスケが邪悪に微笑みます。須佐能乎を警戒する一同。
しかし左手に手にした十拳剣が会談場の柱を次々に薙ぎ斬り、天井が崩落。
凄まじい落石で香燐も居場所を失いますが、
そこを須佐能乎の手が包み込み、荒々しくサスケの近くへ投げ飛ばします。

「ダンゾウの居場所は突き止めたのか!?」

どうやら崩落に際して、サスケは安全な場所に移動した様子。

「ああ…。」

そう答える香燐に流し目を向けて、

「案内しろ。」

と言うサスケ。その冷酷で闇に染まったサスケの雰囲気に、
流石の香燐も背筋が凍ります。

「重吾と水月はどうすんだ……?
 あいつらのチャクラはまだ……」

そう言い掛ける香燐を制して、サスケは冷たく言い放ちます。

「放っておけ。それよりダンゾウだ!
 早く案内しろ!」

サスケの様子にたじろぐ香燐。
サスケの変貌ぶりにどうしてしまったのか、事態が飲み込めない様子ですが、
唯々諾々とするしかないといった様子。


雷影は崩落する巨大な岩盤を雷遁を纏った拳のアッパーカットで真っ二つにします。
一方風影である我愛羅もそのような超人技は当たり前。
操る砂で何十、何百トンとありそうな崩落土砂、瓦礫を支えます。

「ナルト…お前ならどうした…?」

サスケを止められない自分。自分を止めてくれたナルトは、
どのようにサスケに接しただろうかと我愛羅は思索します。

「おかげで鉈が外れたのはいいけど…これじゃあね…。
 サスケと香燐と重吾はどうなったかな…?」

水化して難を逃れていた水月
一方重吾も斃れて動かなくなった侍の肉体を吸収融合するようにして取り込み、
雷影によるダメージと崩落による肉体的な危機を脱した様子。


一方、影たちの会談場。

「来たな!」

壁に走る亀裂。サスケを感知した青たち。

「上か!」

フーが何かの気配を察し、上を見上げます。
他の一同も天井を見上げます。
天井に逆立ちするような形でダンゾウを睨むサスケ。
そこへミフネが一太刀。しかしサスケは千鳥を流した刀で防ぎきります。
その隙を縫って、動いたダンゾウ。青も一瞬を突かれたといった様子です。

「サスケ! ダンゾウが逃げたぞ!」

香燐の言葉でサスケはダンゾウの様子に気付きます。

「水影様と長十郎はここに! 私はダンゾウを追います!
 まだ会談の決着はついてませんので!」

ダンゾウ達を追うことにした青。

「分かったわ…。でも深追いはやめなさい!」

水影もそれを許します。

「ハッ! では“暁”の賊はお任せします。」

了承を得て、青は素早く動きます。

「ワシは腰にくる。他の皆で好きにやってくれ。」

一方で、傍観の様子を決め込む土影。

「香燐来い!」

ダンゾウを追尾しようとするサスケ達ですが、
何かの液体の塊が壁の方へ飛んできたのを察知。かわします。
液体がかかった壁はみるみるうちに溶解していきます。

「四代目水影を玩具にし霧隠れを蹂躙した“暁”……。
 …よく見るとやっぱりいい男ね。うちはの一族って…。」

この術は水影の仕業。

「出た……水影様の血継限界・溶遁の術……!!」

と長十郎。どうやらこの強酸のような液体を操る術は水影の溶遁の術というもの。
しかもこれは血継限界であり、2つの性質を組み合わせたものであることが推測できます。
酸あるいは有機溶媒と考えても、水遁+土遁の血継限界であると考えられます。
例えば強酸として名高い硫酸H_2SO_4に含まれるSは硫黄は土壌中に存在する成分です。
また金や白金さえも溶かしてしまう腐食作用の強い王水というのが存在しますが、
これは濃硝酸と濃塩酸*1を3:1で混合した赤褐色の液体なのですが、
水影のもののようにさすがに一瞬で壁を溶かしてしまうようなことはありません。
水影の溶遁はそれ以上の腐食性を持っていて硫酸なんか生温いくらいの強力な液体でしょう。
ところで以前、四尾の人柱力であった老紫が熔遁という術を使うという話がありました。
こちらはマグマを表すで、火遁+土遁であることが者の書で明かされています。*2
溶遁とは似て非なるもの。同音異義の術であると考えられます。
ところで霧隠れでは白の氷遁などの血継限界が冷遇されていたはずですが、
これは四代目水影の影響であって、霧隠れの本質ではないということが、
現水影が水影たることができることから推測されます。
水影もその時代を生きてきたはずであって、
その血継限界ゆえの苦労を味わってきているのではないかとも窺い知れます。

「ハア…いい男なのに…、もったいないわ。」

そうサスケに言う水影ですが、目は違います。

*1:“濃”というのは水H_2Oがほとんど混じらない純物質に近いということ。

*2:『者の書』老紫の項