456 『ナルト出発』

月曜は海の日ですね。

1.ナルト出発(1)

印を結び深く息を吸い込むダンゾウ。そして腕を勢い良く薙ぎ払います。
すると衝撃波のようなものが飛んでいき、
般若面の敵襲を瞬く間に斬り刻みます。
うずくまる敵に刀で止めを刺した瞬間、木陰から矢のような物が飛んできます。
今しがた止めを刺した敵を持ち上げ盾に。

「7・8・9・10……、…………17か。」

木陰に潜む敵の数を数え上げたのでしょうか。
ダンゾウの写輪眼が森の奥を睨みます。

さて前回【異形の写輪眼】*1では
ダンゾウの写輪眼は瞼もない目玉だけをのぞかせるような、
おどろおどろしい様子と捉えましたが、
今回のダンゾウの写輪眼の描写を見るとそうでもない様子。
凸面鏡に映る姿のような、あるいは魚眼レンズでとらえた風景のような、
そんなコマ割のためにそう見えたのかもしれませんが、あるいは――

「こいつら前に暗殺した林の国の般若衆の暗部の残党です。」

フーの台詞から林の国(隠れ里があるかは不明)というところがあって、
ここにも般若衆とよばれる忍あるいはそのような存在がいて、
そこの暗部、すなわち暗殺部隊なるものが、
ダンゾウ(あるいは木ノ葉)を狙っている様子。

「昔からそうだ。いつもこういう機を狙ってくる。
 裏から表へ出ると色々やっかい事が増えそうですね。」

トルネの台詞からは、何度もということが分かります。

「忍者とは修験の世界。名が出ない事が誇りであった。
 だが表裏を独占してこそ国と里を強固にできるのだ。
 この会談を成功させワシが火影だと認識させる。
 上忍衆もワシを火影だと認めざるを得なくなる。
 やっとワシの時代が来たのだ。」

成功――というからには火の国、木ノ葉隠れとしての地位を他の五大国に示す、
あるいは利益があるようにする――といったことなのでしょうが、
ダンゾウの腹には、暁に関したことだけではなく別の算段がありそうな感じです。
上忍衆も認めざるを得ないような功績をやってのけるわけですから――。


一方、カカシ班。

「火影への連絡にはナルトの行動は一切を伏せておいてくれ。
 何も動きはないと。」

カカシにそう伝えられ、信じられていないと少ししょげた様子のサイ。

「ダンゾウの部下でナルトの見張り役の君だ。
 だがお前はオレ達カカシ第七班の一員でもある。
 信じてるよ。」

急にサイの脳裏には、
四代目が信じてくれているといって喜んでいたナルトの様子が浮かびます。
不思議な感覚――でも悪い気はしない…
もう作り笑いではなく、自然の微笑みができる。
サイに感情が戻ってきていることは確かな様子です。
ナルトと木ノ葉丸。お色気の術合戦で再会祝い(?)。
ナルトを見張る根からの使者もそっちが気になって(?)、
カカシの幻術にあっさりとかかってしまいます。

「しかしサイは“根”にあまり信用されなくなってきたみたいだな。」

二重の見張り。カカシが事態を察します。

「聞いたぜ…。ペインの一人を螺旋丸でやっつけたんだってな!
 よくやったな! 木ノ葉丸! お前だって里の英雄だ!」

そういって木ノ葉丸の頭に手をおいて褒めるナルト。
木ノ葉丸もナルトに認めてもらえて嬉しさ余る様子です。
今度は大玉螺旋丸、そういってナルトは去ります。

2.ナルト出発(2)

サムイ小隊は木ノ葉古書所という図書館のようなところで、
資料を書き写している最中の様子です。

「手が痛てーよ、もう! これで腱鞘炎になって
 それが元で剣筋が鈍って、そんでもってそれが原因で戦闘でやられて…
 死んだら…」

と相変わらずマイナス思考のオモイ。

「口動かす前に手ェ動かせ手ェ!!!」

と怒号のカルイ。

「あのォ…ここでは静かにして頂けませんか…」

と図書館の規律を乱すマナー悪い様子に業を煮やす館職員。

「す…すみません…」

とサムイが頭を下げます。
ようやく終わって雷影の下へ急ぐ3人。

「悪いけど“受信木”を仕込ませてもらったよ。
 こう見えても尾行は得意な方でね。
 さてカカシ先輩とナルトに連絡しますかね。」

ヤマトが靴に受信“木”をしかけ、尾行の準備も万端な様子。
被追跡者につけるのは普通発信機の方。
しかし受信機をつけるということは、ヤマト本体側から何かを発信して
それを受け取る受信機の場所を感知するということなのでしょうか?
イルカやオルカのエコーロケーション*2のようなシステムが思い浮かびます。


民宿に泊まる水影一行。

「長十郎。双剣ヒラメカレイは重たかったでしょう。
 大丈夫でしたか?」

おそらくは双剣ヒラメカレイとは有事のときのための
水影護衛(忍刀七人衆から選ばれると思われる)が持つ剣なのでしょうか。
もしも長十郎の愛刀であったなら、不適な質問です。

「あ…ハイ…少し熱っぽいですが…」

と長十郎が答えると、不意に長十郎の額に自らの額を寄せて、
発熱の程度を知ろうとする水影。その様子を見て青は、

「だいたい五代目は長十郎に甘い!
 これだから最近の若い奴らがつけ上がるんです!
 ちょっと歩いたぐらいで何が熱ですか!
 我々の時代は――」

と半分やっかみもあるのでしょう。説教口調です。
青の台詞から現在の水影は五代目であると分かります。

「青…今は“血霧の里”と呼ばれた暗黒の時代ではありません。
 四代目水影の悪夢はとっくに終わったのです…。
 昔をひけらかすのは止めて下さい。」

四代目水影による悪夢――。この言葉は、
血霧の里と呼ばれていたのは四代目水影在任中だけだったととれます。
再不斬のときの水影暗殺およびクーデター未遂事件。
水影暗殺に成功したのか失敗したのか、はどちらともとれますが、
この流れをくんで四代目が失脚し誕生したのが五代目ということになりそうです。
ともあれ血霧の里、感情を殺すために生徒同士が殺しあうというシステムは、
まさしくダンゾウの根と同じようなシステムです。
同じことをお思いの方も多いのではないでしょうか?
元水影と鬼鮫から言われたトビ――
もしトビが四代目水影だとすれば、ダンゾウとの奇妙の一致点がまた増えます。
さて、五代目水影、やはり婚期や婚約と結婚を連想させるものが入ると、
被害妄想モードに突入。

「婚約色々ありまして結局…破棄!!?」

と都合の悪いところをつなげて元の文章から全くかけ離れた文章へと変化。
青はあずかり知らぬところで水影の怒りを買ってしまうのです…


さて土影一行。どうやら会談が開かれるのは鉄の国という場所らしいです。

「三狼と呼ばれる三つの山からなる国で、
 独自の文化、独自の権限と強力な戦力を保有する中立国じゃぜ。
 昔から忍が手を出さぬのが決まり事になっとってな。
 鉄の国は忍ではなく、侍と呼ばれる者たちが国を守っとる。

極寒の大地を守る侍。鉄仮面に刀を何本も拵え威厳漂う風貌です。
土影のよれば侍という存在は中立国である鉄の国にしかいない、と推測されます。
忍に勝るとも劣らない武術をもち、
五大国にも脅かされず中立を守ってきた国――

「五影会談があるんで警備を強化してるみたいだね。」

水月から偵察の情報を受け取るサスケ。
鉄の国へ忍び込もうというのでしょう。
重吾に動物を使って会談場所までの安全なルートを聞き出すように指示します。


いち早く到達した風影・我愛羅
鉄の国大将・ミフネに招き入れられます。
尾行中のナルト達も、寒冷地帯に入ったようです。

*1:【異形の写輪眼】

*2:反響定位。発した超音波の反射波を受信し形状や位置を知る。