426 『ナルトと木ノ葉』

.ナルトと木ノ葉

フカサクとの融合を何度も試みるナルト。
しかし、いかにフカサクと言えど拒絶されてしまいます。
なす術がないようにうずくまるフカサク。
その背中には自来也の遺したメッセージ。

「…最後まで諦めんじゃねって、
 そうオレに託したメッセージでもあんだよ。」

諦めない。何とかできるはず。
ナルトの強い眼差しにフカサクももう一度という気がよみがえります。


その頃、木ノ葉の里。イビキと暗部が畜生道ペインを引きつけ、
シズネ、いのいち、いのが暗号部へ向かいます。
しかしそれは人間道のペインによって監視されています。
他方、地獄道ペインとの戦いで競り負けた木ノ葉の忍二人。
喉を鷲掴みにされ、ナルトの居場所を問い詰められます。
二人には輪廻眼に染まった閻魔の姿が見えます。

「そうか…なら判決を下してやる」

ペインがそう言った次の瞬間、
まるで舌を抜かれるように、
二人の体内からチャクラと思しきものが管状に抜き取られ、
それを待ち構えていたかのように閻魔が口を開き、
中から出てきた手のような舌がそれを引き抜くような動作を見せます。
ナルトの居場所を知っていて答えなかった先輩格の忍のそれは
引きちぎられてしまい、閻魔に喰われてしまいます。
地獄道ペインの能力とは、嘘をついたものの命を奪う能力のようです。


物陰から様子を窺っていた木ノ葉丸。

「何なんだよコレェェ!
 何もしてないのに左側のおじちゃんが動かなくなった!?」

地獄道ペインの背側から覗いていた木ノ葉丸。
両腕で鷲掴みにしていた忍のうち、
左腕側にあったのが“嘘をついた”忍です。
木ノ葉丸には閻魔は見えていなかったようです。
つまりこの閻魔は輪廻眼の見せた幻影。
輪廻眼の能力の一つには強力な催眠作用、幻術のようなものがあって、
その強力さゆえに死に至らしめたように見えなくもありません。
あの万華鏡写輪眼『月読』でさえ精神世界での苦痛にとどまったわけですが、
幻術で相手の命を奪える――幻術は相手の脳に流れるチャクラをコントロールするのでした。
ショック死させるのも、輪廻眼が伴えば可能なのかもしれません。
一刻も早くこの場を離れようとした木ノ葉丸は、
あわてすぎて壁に頭をぶつけ、地獄道ペインに気配を悟られてしまいます。

「好き勝手にやってくれたようですね!
 アナタのような外道は私が決して許しませんぞ!!」

そこを間一髪エビスが庇うような形で地獄道ペインの前に現れます。
その間になんとか少し距離を離した木ノ葉丸。
しかしエビスが気になって、あまり遠くへはいけません。
エビスの首をペインがとらえるのを物陰で不安そうに見守ります。


ナルトがこの里にいたか尋問されるエビス。
エビスの脳裏をナルトの成長とともに変わっていった街の人々の噂がかすめます。

「狐のガキは忍者にするべきではない!!
 三代目は何を考えておられる!?」

まだ里の皆には九尾を宿す者として、
目の仇にされていたナルト。
しかしカカシ班の再不斬戦での活躍を皮切りに、
中忍試験、木ノ葉崩し防衛、五代目火影就任、風影奪還…
そして自来也の死…

「ナルトは自来也様の意志を受け継いでいる!
 ヘコたれちゃいないよ!
 あいつはいつものように進むだけさ!」

里の一員として仲間として認められていったナルト。
そしてそれはエビスも同じ。

「木ノ葉の仲間です!
 あなた達“暁”に何も教えるつもりはありません。」

ここまで――そう諦めかけたエビスの目には、
ペインの腕にくないが3つ。
喉を締めつける圧迫感から解放されます。
そして勇気を振り絞って出てきた木ノ葉丸。

「オレが相手だ、コレ!!」