421 『ナルトを呼び戻せ』

1.ナルトを呼び戻せ!!(1)

暴れまわるペインの大百足。逃げ惑う人々。
一人の少女が転んでしまいます。
あわやというタイミングでサクラが助けに入り事なきを得ます。

「…まさか直接攻め込んでくるなんて…」

九尾を狙って不意をついた里への暁襲来。
あたりは瓦礫の山と化し、
遠くでは爆発音が響き渡ります。

「サクラは急いで病院へ行って怪我人を診てくれ。
 病院にはたくさんの怪我人がいる。」

イルカの指示に従って病院へ向かうサクラ。
病院は多少周囲よりは安全なのでしょうか?
たくさんの怪我人が集められているようですが…。


一方でナルトを連れ戻すように連絡蛙に命じる綱手
しかし、相談役の水戸門ホムラ、うたたねコハルの二人が異議をとなえます。

「ダンゾウからの情報で、今里に攻め入っているのは
 “暁”のリーダーだと聞いた。
 しかも人柱力のナルトを狙っているとな。」

ダンゾウは侵入者が暁のリーダーだと分かっているようです。

「前回は大目に見たが今回ばかりは話が別じゃ。
 ナルトはまだ子供!
 侵入者は自来也を倒したというではないか!

この台詞から自来也の遺したペインの情報がダンゾウに伝わっているといえます。
里に攻め込んできたのはペイン6人に小南。
ペインという人物の特徴が分かっていて、ペインという人物を見抜くことは、
後に綱手も情報部の情報を統合して
敵をペインと断定しているので不自然ではありません。
通常、ある特定の一人物にしか使わないリーダーという言葉を、
これらペインに対して使っているのも、
ペイン六道の情報をもダンゾウが持っていることを示唆しています。
つまり、ダンゾウはそれだけ重要な情報を入手できる立場にあるわけです。

「ナルトがやられ九尾が奴らの手に渡ればこそ…」

あくまで九尾をわたさない方がよい――という相談役たちの態度に
綱手は二人の胸倉を掴みにかかります。

「あいつは木ノ葉が隠し持つ戦争抑止の道具じゃない!
 木ノ葉を守る一人の忍うずまきナルトだ!」

ナルトは決して人柱力という道具ではない。
想いを受け継ぎそして紡いでいく、
信念をもった一人の忍であり人間であること。

「…自来也そして猿飛先生や砂のチヨ様にあってアンタ達に無いもの…
 それが何だか分かるか!?」

綱手の問いに答えられない二人。綱手は悲しい顔をします。

「信じる力だ!!」

信じる力――。人をそしてときに自分を信じ、
信じてくれている人、信じる人を守ることができるだけ強くなれる力。

「傷つけられれば憎しみを覚える…
 逆に人を傷付ければ恨まれるし罪悪感に苛まれる。
 だがそういう痛みを知っているからこそ、人に優しく出来ることもある。
 それが人だ。」

自来也のいう“成長すること”――
それができる力のことをさしているのだと思います。
それも持たずして、ナルトを道具扱いする相談役の老人たちを
綱手はよほど許せなかったのでしょう。


結局のところナルトは自分が原因で木ノ葉の里が襲われたことになります。
そして自分とは無関係の人々が巻き込まれ命を落とすかもしれないのです。
それはナルトがいてもいなくても変わらないかもしれませんが、
ナルトがいれば何かを良い方向に変えることができる。
いやきっとそうであると綱手は信じているのです。
それは決して闇雲ではなく、
綱手の中の何か確たるものがそう綱手自身に語りかけているのでしょう。

「…好きにせい…。」

そういって老人たちは去っていきます。

2.ナルトを呼び戻せ!!(2)

吹き飛ばされたカカシ。
衝撃波というよりは天道ペインのまわりの空間が空間ごと弾かれたよう。
間合いをとって、狼を模した電撃を放つ雷遁系の忍術で攻撃しますが、
やはり弾かれてしまいます。
まるで、天道ペインをつつむ絶対的な空間があるようです。
そうこうしているうちに修羅道ペインも参戦。
追い込まれる形になってしまいます。


老人たちの入れ替わりにやってきたシズネから、
綱手はペインについていた黒い棒がチャクラの受信機であり、
ペインの強さの秘密ではないかという報告を受けます。
ペインの正体を探りつつ里を全力で守る――意気込む一同。
皆が火影の間を出て行き、残された連絡蛙。
フカサクのところへ伝言しにいこうとしますが、
刃が突き立てられます。

「これで九尾は閉じ込めておける。」

そこにはダンゾウの姿。
九尾を妙木山においとく――
ダンゾウはホムラやコハルにそう促した張本人です。
その真意とはいったいなんでしょうか?
ナルトがいては困る――それは暁に九尾をとられてしまったら、
今後ダンゾウが望む木ノ葉のありように支障が出るからでしょうか。
あるいは…