415 『新しき力』

遅れました。大変申し訳ありません。m(_ _)m

1.新しき力(1)

天照、漆黒の業火が八尾を包みます。
八尾といえど、その炎に取り乱さずにはいられません。
炎を消そうと水上を暴れまわる八尾の尾がサスケ、重吾に迫ります。
間一髪、香燐が二人を抱え回避しますが、
態勢を崩して転んでしまいます。
運悪くまたそこへ尾が飛んできます。
サスケが千鳥をのばして尾を切断。危うく難を逃れたかに見えます。

「香燐走れ!」

しかし漆黒の炎を纏った尾が一同の不意をつきます。
サスケが叫ぶも間に合わず、香燐はその不意の一撃を喰らってしまいます。
さらに天照がもらい火となり、香燐の背中で漆黒の炎が猛々しく燃え盛ります。

「…香燐はもうダメだ。オレ達も巻き添えを食う前に、
 ここを一端はなれる!!」

という重吾の言葉。しかし、香燐を見捨てるわけにはいかないという想いからか、
その万華鏡写輪眼を祈るように見開きます。
香燐の背中で燃え盛っていた炎は突如として
まさしく掻き消されるようにして消えてしまいます。

「やはり黒炎が消えている。どういうことだサスケ?」

香燐を回収した重吾の問い。
いまいち定かでないサスケは、もう一度確かめるように八尾を包み込む黒炎を見つめます。

「あの“天照”の黒炎を…。それがこの万華鏡の瞳力なのか!?」

掻き消される黒い炎。その反動、サスケは眼の痛みをこらえます。
これはカカシが万華鏡写輪眼で対象を消し飛ばしてみせたものと、
あるいはトビが不意打ちで喰らった天照の炎を消してみせたことと
何か関係がありそうな描写だといえます。
かろうじて生きていた八尾の人柱力キラービー。これも回収します。
その様子を見ていた雲隠れの忍。
暁――そのうちの一人がうちはであることに気がつきます。

「オレ達は出しゃばるよりすぐに雷影様に報告した方が賢明だ。
「弟がこんな目にあったとなったら、あの雷影様…黙ってませんね。」

キラービーの兄である雷影。彼も巻き込んだストーリーへと発展していきそうです。

2.新しい力(2)

自然エネルギーの扱い方に慣れてきたナルト。
蛙顔になりながらも、力がみなぎってくる様を感じているようです。

「己の体内のエネルギーだけを消費していく忍術チャクラは使うほど疲れていくがな、
 仙術チャクラはそれと違って外から自然エネルギーを取り入れるけん。
 疲れるどころか回復も早いんじゃ。」

外に溢れかえる自然エネルギー。九尾のエネルギーも相俟って、
ナルトは驚異的な回復を見せます。
どうやら自然エネルギーは取り込みすぎるとマイナス作用を及ぼしますが、
適量であれば失った分の精神、身体チャクラを補うのか、回復作用も生じるようです。

「これならアレができるかもしれねェ…」

アレ――、おそらくミナトがナルトに完成を託した術でしょう。
フカサクは油を使わないで自然エネルギーを取り込む修行を始める前に、
本を取り出します。自来也が最初に書いた小説『ド根性忍伝』。

「この本の主人公…最後まであきらめなかったところが格好良かった…
 先生らしいですね。この主人公。」
「で…オレ、思ったんです。
 今度生まれてくる子供も、こんな主人公みたいな忍になってくれたらいいなって!
 だからこの小説の主人公の名前…、いただいてもいいですか?」

最後まであきらめない、主人公ナルトが歩んだ忍道
それが綴られている物語に違いありません。