【輪廻眼の秘密】のコラムでは
輪廻眼の能力や秘密について探っていこうと思います。

.輪廻眼がとらえる風景

自来也とペインの戦いによれば、輪廻眼の能力の一つは、視覚の共有です。
つまり、一人が見た映像を他のペインも共有できるわけです。
フカサクは次のように分析しています。

「あやつら一人一人に見えとる映像は監視カメラの様に
 別々の三台のカメラで撮られた映像を一度に見とるのと同じじゃ。」

つまり監視室のように何台か配置された監視カメラの映像を
管理できる場所があることを示唆しているのです。
ところで、“同時にいくつもの映像を処理している”とするなら、
いったいどのように見えているのでしょうか?
私たちの眼は二つありますが、見ている世界は一つに統合されています。
これは脳が最適化という補正をかけているからです。
片眼ずつで覗いた世界では若干のズレがあるのはご存知の通り。
光学的には一つの眼に一つの世界の形がとらえられているのです。
この考えを継承するなら、輪廻眼を持つものの脳は、
あたかも見えた世界が一つであるようにそれぞれの映像を同時存在させているはずです。
一人一人が違う映像を見ている場合、
一人一人が見た映像を重ねていった映像を見ていると考えられます。
次の写真を見てみましょう。
この写真では3つの風景が混ざり合っているのに、一つの世界のように見えます。



[図1]

Photo by (c)Tomo.Yun (http://www.yunphoto.net)
このように輪廻眼でとらえた風景は写っているはずなのです。
これらは次の風景が混ざり合ったものです。


[図2]

Photo by (c)Tomo.Yun (http://www.yunphoto.net)


[図3]

Photo by (c)Tomo.Yun (http://www.yunphoto.net)


[図4]

Photo by (c)Tomo.Yun (http://www.yunphoto.net)
輪廻眼が開かれている人数だけ、このように映像が重ねられていくことになります。
しかし、このままだと何がなんだか扱いにくい風景となってしまいます。
そこで最適化処理を行い、見たい風景だけを選別していると推測できます。
一人の人間の輪廻眼2つの情報の最適化と、それら人数分を統合し選別する最適化、
2回の最適化が行われていると考えられます。
これは監視室においてある一つのモニターに注目するのと同じです。
そして隣のモニターに眼を移して別の映像を見るように、
シームレスに映像が切り替わり他の風景を映し出すことが可能で、
[図1]の状態から[図2][図3][図4]のような映像情報を
瞬時に切り替えることができるわけです。
つまり“意識的に錯覚する”ことで、見たい風景だけ選び出すのです。
実はこの機構は、ここまで高度ではありませんが、私たちにもあります。
次の図を見てみましょう。



青、緑、赤の四角形がありますが、どの四角形が一番前面にあるでしょうか?
実は継ぎ目である部分が●になっていることで、
どれが前面にあるかを意識すると、他の二つが後ろにあるように人間の脳は処理します。
これは青でも緑でも赤でも等価で、選択的に映像を処理しているわけです。
つまり“意識的に錯覚している”のです。