406 『未来への鍵』

1.未来への鍵(1)

蛙変えるの術で蛙にされてしまった雨隠れの忍がいましたが、
巨大化したり極小化したり大きさを変幻自在に変えることのできる
店に擬態していたあの蛙の中に閉じ込められているようです。
綱手はイビキにこの雨隠れの忍から情報を得るように言います。

「最初は自来也ちゃんも情報集めが目的じゃった。
 ペインと戦うつもりではなかったようじゃ。」

綱手はフカサクから聞いた話を回想します。
ペインの能力は想像を超えていたこと、
ペインの能力の正体をあと少しで暴けるところまでいったこと、そして…

「じゃけんじゃ…逃げようと思うたら逃げられたのに、
 命と引き換えにこの暗号を残した。
 お前らに後をたくしたんじゃ。」

その核心に迫り、暗号という形で命と引き換えに情報を残して、
後を託したことをフカサクは伝えました。
他方、検死室ではシズネらが法医学的な見地で、
連れ帰ってきたペインのうちの一体、風魔一族の遺体から情報を得ようとしています。

2.未来への鍵(2)

暗号解読班のところに暗号を持っていったシカマル。
主任のような男性によれば、
自来也が死ぬ間際に残したことから、複雑な暗号ではないだろうということと、
数字の羅列であるから“共通鍵”暗号であるだろうと言います。
シホという女性によれば、この暗号は自来也と共通の何かしらの鍵となる決め事によって、
数字から意味を取り出すというもの。

「誰に伝えたかったのか考えて、その方にあたってみれば何か手がかりがあるかもしれんね。」

礼を言って去るシカマル。“鍵”情報を手に入れたら、もう一度訪れるそうです。
家に来いという主任に対して、シカマルに気があるのかはりきるシホ。
シカマルは五代目の後、カカシにあたった場面。
9,31,8,106,7,207,15の中で106という数字に思い当たりがあるカカシ。
自来也とのちょっとした猥談(大人の話ともいう(^_^;))の中で
綱手の胸囲が目測106cmであると言っていたことを思い出しますが、
まぁ違うだろうと、シカマルにナルトをあたるように言います。

「暗号もそうだが、あいつのことも心配でね。そっちの方もたのむ。」

綱手、カカシからあまり有用な情報が得られなかったシカマル。ナルトのところに向かいます。
意気消沈しているナルト。そんなナルトをシカマルは家から連れ出します。
そこは木ノ葉病院の前。ちょうど紅が病院から出てきます。
お腹が膨らんでいるのを見て、焼肉の食いすぎと勘違いするナルトはおいておき、
紅の子供がやがて自分の弟子となること、
アスマから託された子だと自負していることを明かすシカマル。
同じように師をなくしたナルトの気持ちは分かる。でもうじうじしてては始まらない。

「オレは師から色々なもんを託された。
 重要なことからくだらないことまで色々だ。
 お前だってそうだろ…。それこそ数限りなくよ。」

シカマルの言葉に自来也の姿を頭に描き出しているのか、少しうつむくナルト。

「そろそろなんじゃねーか? オレたちも。
 託される側から託す側にならねーとよ。
 めんどくせーけどそうも言ってらんねェだろ。」

いつまでも子供ではいられない。
いずれラーメンをおごる側になるし、ナルト先生にもなる。
アスマや自来也のように、格好良い忍に、格好良い大人になりたいなら――
ナルトはようやく微笑みます。
自来也の死を肯定的に受け止め、人間として再び成長していく
そんな一歩をようやく踏み出せたかのように。