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ペインが雨を降らせたり、止ませたりできることについて考えます。
1.雨の仕組み
「オレの雨をさえぎる奴がいる。
このチャクラの感じ…かなりの使い手だ。」
雨隠れを治めるペインは、その気候の特性である“雨”を利用して、
侵入者などのチャクラを感じることができるようです。
「小南…オレが雨を上げたら、お前の術で侵入者を探せ。」
このペインは壱のペイン、弥彦の容姿をもっていますが、
弥彦は自来也との師弟関係時代の描写で水遁を巧みに操っていましたので、
一個体に一系統の能力をもつペインとしては、
弥彦のペインは水系統の術を扱うスペシャリストであると考えられますから、
雨を自在に操ることができると考えられます。
ここで雨の仕組みについて見てみましょう。
雨のタイプは次の2通りに大きく分類できます。
1つ目は“冷たい雨”と呼ばれるタイプです。
記事【麒麟】*1において、
積乱雲と雷の発生について簡単な仕組みを述べましたが、
冷たい上空で、上昇気流と下降気流の作用によって、
雲の中にある塵を核にもつ氷の粒が大きなものへと成長していき、
やがて重力に逆らえずに落下してきます。
このとき、空気の摩擦熱や気温によって、氷の粒が融けきれば、
それは液体の水、つまり雨となりますが、融けきれない場合は雪や雹となります。
2つ目は“暖かい雨”と呼ばれるタイプです。
主に海洋性の湿潤な空気が暖かい上空に上昇した場合、
断熱膨張(粒子のエネルギーが低下するが、その分、粒子間が広がる。)することで、
さらに多くの水分を含むことができるようになり、
過飽和な状態、いわゆる水ぶくれのような状態になります。
このとき雲の中にある一部の粒子がこの水分によって肥大成長していき、
最終的に重力にさからえなくなり、落下して、結果雨となります。
この二つの違いは、
雲の中の粒が主に小さな氷であるか、水蒸気であるかの違いです。
2.ペインと雨
雨隠れは三大国に囲まれる内陸部にあり、
したがって雨隠れの雨のタイプは
海洋性で湿潤な“暖かい雨”型よりは、“冷たい雨”型であると考えられます。
ですからペインの術は、この仕組みに則った水遁の術の応用ではないかと考えられます。
「雨はキライだ。この国はいつも泣いてる…。…弱虫だ。」
弥彦の台詞にあるように、雨隠れでは雨が降っていることが多いことが窺えます。
ここで雨隠れの忍二人の会話に着目します。
「今日は日曜じゃないよな?」
「ペイン様に何かあったってことだ。
これから他国へ出かけるのかもしれないな。」
「でも他の曜日に降ったことなんて今まで無かったぜ。」
「それだけ力を使うご用事なのかもしれん。」
つまりペインに用事があると雨が降るわけですから、
雨隠れには常に雨が降っていることを考えると、
用事がない場合はペインが雨を止めていることが窺えます。
ちなみに「日曜でないのに雨が降る」ということは
「日曜はいつも雨が降っている」「他の曜日は雨が降ってない」と受け取れます。
ペインの雨を操る術は“雨を止めることができる”側面に特化していると考えられます。