前回【ゼツについて1】で
……さて、何か心当たりがありませんか?
といって中座する形になってしまいましたが、――もちろんお分かりですね。

1.ゼツとペイン

以前、ペインはその輪廻眼を監視カメラのモニタールームのように、
多角的な視覚情報を瞬時に同時処理し、戦いを有利に進めました。
ゼツもこれと同じようなことが可能だと思われます。
分身から送られてくる視覚情報を一手に集約し、処理、判断する…。
影分身とこれらの能力の違いは、
影分身の術は影分身をつくって影分身が経験し術者に戻るという過程を要するのに対し、
リアルタイムにリンクしあって情報を交換していることの違いです。
ペインとゼツの違いはその"機動力"にあります。
ペインはペイン六道、すなわち六体(といっても一体倒され五体)に限られますが、
ゼツはおそらくもっと多くの分身体を操って、それをなすことができるはずです。
しかしゼツはより多くの情報を得ることができる代わりに、
ペイン六道のような戦闘能力を有していない(見せていないだけかもしれませんが)と考えられます。


――ところで、ゼツはこのような情報収集の役割に特化している面を見せつつも、
別の一面も見せていることにお気づきでしょう。
サソリの部下を媒体にイタチと鬼鮫のそれに近づけた象転の術。
その犠牲になった二名は後、ゼツに食われる形で“処理”されています。
そして、暁のマダラを知っていながら、
そのマダラであるトビ(マダラとは別物かもしれませんが)の上役のようにふるまうゼツ。
何より面妖なのは、右半身と左半身が容姿も違えば、別々に物を考え喋ること。
謎に満ちています。

2.ゼツと角都

ゼツはただ忍を食らうだけでなく、その能力をも同化しているはずです。
角都は他者の心臓を得ることで、経絡系ごと、
つまり他者のチャクラそのものを利用する術を編み出していましたが、
ゼツの場合は、食後、その術者の能力を得るなら、
角都以上であることは言うまでもありません。
角都は恐らく5個以上の心臓を有するのは難しく、
常に一定して5個に保っていたようです。(ストックはたくさんあったかもしれないが。)
一方でゼツが吸収同化した能力は未知数です。5個なんてものじゃないでしょう。
その数も無数に増やせるものと思われます。
――ゼツ(本体)は、高い戦闘能力を有しているはずです。