カカシとイタチの万華鏡写輪眼の違いについては諸説ありますが、
次の瞳の図(不出来ですが…)をもとに考えていきます。

1.カカシとイタチの万華鏡写輪眼の模様

カカシの万華鏡写輪眼は、以下のベース(瞳の外縁と中心の縁)に対し、
(図1)【ベース】
まず3つの風車の羽(が一番似ているのでそのように呼ぶことにする)があり、
(図2−1)【風車の三枚羽】
さらにその風車の羽から鎌の刃がでて、渦をつくっています。
(図2−2)【カカシの万華鏡写輪眼


一方でイタチの万華鏡写輪眼は、ベースから太い風車の羽が3つ、
ちょうど3つの巴紋が外から中へ渦を巻いて重なる様と
途切れているかのような細い円によって形作られます。
(図3−1)【3つの内側巴紋】
(図3−2)【イタチ万華鏡写輪眼


2.効力の違い

イタチが主にその瞳術として見せる【月読】は、
相手の精神世界を完全に制し、対象の感じる時間、空間、質量
感覚系統を術者の意のままに操ることができます。
一方でカカシの【万華鏡写輪眼】なるものは、不完全ですが、
デイダラの右腕を別の空間に吹き飛ばすなど、
実世界中のある対象を強制的かつ一瞬に空間移転(ワープ)させてしまう術です。
この二つからイタチの万華鏡写輪眼は精神世界、
カカシの万華鏡写輪眼は実世界に効力を及ぼす異なる万華鏡写輪眼ととらえ、
これを万華鏡写輪眼の開眼方法の違いに起因するとする考え方もできないではないです。
しかし、それはイタチの【天照】を考えていない点に注意が必要です。
イタチの【天照】は蝦蟇の肉壁を破ったように、実世界に対して効力を及ぼしています。
カカシの例を見て分かるように、カカシの【万華鏡写輪眼】とはある限定された空間の全てを支配し、
強制的に空間移転させています。これは実世界のある限定された空間を支配していると見なせます。
【月読】は(限定された)対象の精神世界を支配します。
つまりこの二つは精神世界であれ現実空間であれ対象を支配できる能力を有するといえます。
天照による黒き炎。これはイタチがつくりだしたというよりは、
カカシがやってのけた強制空間移転の逆、
つまりカット(orコピー)&ペーストのようにある空間から
強制的に空間移転によって召喚した炎だと考えられないでしょうか?
だとすれば、カカシの【万華鏡写輪眼】は【天照】に通ずるものがあります。
つまりカカシの万華鏡写輪眼のよる術は天照の原理であり、天照に似て非なるものと考えられます。

「ハズれた…。まだ結界空間の位置と大きさが上手くコントロール出来ないか…」

とカカシ本人が言っているように、まだ完璧ではないものの、
もし完璧であるならば、
カカシのように目に映っている空間を支配するどころか、
目に映っていない異空間を支配しうることも可能だと考えられます。
【天照】をこのように考えれば、

  • ある空間から黒い炎を切り出す(ある空間Xの操作)
  • ある空間に貼り付ける(ある空間Yの操作)

というようにX,Y2つの空間を別々に操作することになりますので、

  • いかに結界空間のコントロールに長けてなければならないか

という論点に持っていくことができます。


3.月読型と天照型

と考えるなら必然的に万華鏡写輪眼は術に応じて形が変化するのではないか、
という問いが生まれてきます。

「“月読”はおろか…“天照”まで使わされてはな…」

『XはおろかYまで』とは『XならまだしもYまでも』という意味で、
話し手の意味合いとして話題X≦話題Yですから、
月読よりも天照は上級の術であるというニュアンスが推測できます。
このことは月読型、天照型と思われるものの模様の違いにも見て取れます。
並べて比較してみます。



向かって左:月読型 向かって右:天照型 


さてお気づきかもしれませんが、
月読型にある細い円を太く、風車の羽を細くして、鎌型にすると天照型となります。

天照型は月読型よりもより複雑で洗練された形となっているので、
月読型よりも天照型が上級であると考えられないでしょうか?