381 『その正体』

.その正体

6体いるペインの中から口寄せ術者であるペインのみを結界空間に引き込んで、
どうにか倒した自来也。しかし、最後の一撃を自来也はもらってしまったようです。
変な棒のようなもので右肩を突き刺されてしまいます。

「体が…!!? チャクラが乱される!!」

輪廻眼に支配されるようなおぞましい心地。
頭は自来也に突き刺さった棒を引き抜きます。
この棒のようなもの――何か長門の思念でも存在するのでしょうか?
そういえば、378話「一対一」の冒頭で、三体のペインの袖から奇妙なものが這い出てました。
あれは、おそらく今回の奇妙な棒と関係があるのでしょう。
一息つきながらペインの正体について思い巡らしてみる自来也
ふと口寄せ術者の額を見やると真一文字に傷がついています。
それが引き金となって、自来也はその昔、
この男、風魔一族の者と戦ったことを思い出します。

「大ガマ仙人の予言に従って旅を始めたばかりの頃、
 山道で襲ってきた風魔一族の男だ。
 この額の傷はワシが付けたもの…」

記事【風魔一族?】でペインと風魔一族がどのように絡んでくるか、
展開を期待していたところですが、長門ではなくこの口寄せ術者のペインが
風魔一族だったようです。風魔というのは、これ以上深くは関わってこないかもしれません。
以前、風魔一族と聞いて自来也が全くピンと来なかったのも、
この男とリンクしなかったことからだと言えるでしょう。
風魔とはそれほど特別な一族というわけではないようです。
額にあった傷を見て、ようやく思い出しているくらいですから、
自来也にとってこの風魔一族の男との戦いはそれほど印象的でなかったのだと思われます。

「ワシはもう一度奴らの前に出て確かめたいことがあります…。
 お二人はお帰りくだされ。」

自来也は決意めいたように喋ります。

「何い!?」
「ダメじゃ! 次出ていけば必ず殺される!!
 さらに眼が増えた! それに結界トラップが二度も通じる相手じゃありゃへんぞ!!
 今奴らはこっちに気づいとらんのじゃけん。逃げるなら今しかない!」

しかし頭の制止を振り切る自来也
大ガマ仙人の予言によって諸国漫遊をしていた自来也は、
ペインとなった忍たちにようやく何かの心当たりを見出したようです。
今までペインを長門と結び付けすぎていて、
ペインとなっている忍達に自分が出会っていたことが思い当たらなかったのでしょう。
――しかし、この展開はアスマの時と酷似しています。
アスマも逃げる選択肢を選びませんでした。

「今出ていけば殺されるかもしれませんがの。
 だが、敵の正体はつかめるかもしれません…。
 この機を逃したらもうここまでペインに近づける者は
 多分おらんでしょう。正体を見抜くチャンスは今しかない…そして…
 今こそが大ガマ仙人の予言された選択の時!」

風魔一族のペインの死体と情報を持って離脱する姐さんは
晩飯までに帰ってくるように、頭に伝えます。
二人とも無事で帰ってきてほしい――
言葉のやりとりがあった後、いよいよ頭のみを引き連れて、
結界となっていた蛙の中から飛び出ます。

弥彦を筆頭に、髪の長いペインは滝隠れ、
太めのペインは草隠れ、
いかつい顔をしたペインと面長なペインは詳細が分かりませんが、
いずれも自来也が旅であった忍達です。予言に導かれるように。

しかしペインの正体が分かった刹那、
自来也は――